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2020年11月

キャッシュレスでの決済にご協力をお願いいたします

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない欧州で、行動制限などの対策が広がってきた。フランスのマクロン大統領は28日、少なくとも30日から12月1日まで全土で外出を制限すると発表しました。仏が厳しい対策を再導入するのは、病院の患者受け入れ能力が限界に近づいているため。緊急用病床のコロナ患者による利用率は11月上旬に仏全土で98%に達するといわれています。日本もGO TOキャンペーンで患者数が増加傾向にあります。救いは重傷者が少ないことです。益々自己防衛をしながら社会生活を送らなければなりません。当院では発熱患者さんは院外で診察するよう準備しています。体制が整いましたら新型コロナ抗原の簡易検査(15分判定)も行う予定にしています。その際にはキャッシュレスでの決済にご協力をお願いいたします。

国のデジタル化政策

菅義偉首相はマイナンバーカードの普及を加速しようと表明しました。

現在マイナンバーカードの普及率は20%といわれています。マイナンバーカードや個人向けサイト「マイナポータル」は10月以降、続々と機能の拡充が始まります。政府は行政だけでなく企業も含めた社会全体のデジタルインフラにしようとしています。マイナンバーカードは「顔写真付き身分証」や「デジタルの実印や身分証」となります。マイナンバー制度に対しては「政府が自分の情報を勝手に管理しているのではないか」と疑念を抱く人も多いと思います。マイナンバー制度で自分の個人情報がどう扱われているかを把握できる仕組みが、マイナポータルです。国の行政機関や自治体などがマイナンバーを使って自分の情報をどう扱ったかという記録をオンラインで確認できます。マイナポータルを利用するにはマイナンバーカードなどが必要です。マイナンバーカードを持っていればスマートフォンやパソコンを使ってアクセスして自分の情報を確認できます。

マイナンバーカードが健康保険証に

2021年3月以降、マイナンバーカードを保険証として利用できる医療機関や薬局の受付窓口には、顔認証付きのカードリーダーが備え付けられます。当院もそのための準備をしています。カードリーダーを設置する医療機関や薬局ではマイナンバーカードをかざすだけで健康保険証を持たなくても受診できる。窓口に健康保険証を渡す必要はなくなります。

マイナンバーカードを持っていなかったり、忘れてしまったりしても、健康保険証があれば従来通り医療機関で診察を受けたり薬局で処方してもらえます。

医療機関などの窓口が顔認証の機能がない汎用のICカードリーダーを置いている場合は、マイナンバーカードをカードリーダーにかざすとともに窓口の職員に顔写真を見せるだけで済む。医療機関や薬局の窓口ではマイナンバーカードを手渡す必要はありません。マイナンバーを見せたり、マイナンバーカードを預かることもしません。

顔認証付きカードリーダーを使えば、マイナンバーカードをかざして「顔認証」をするか「暗証番号を入力」するかを選べる。顔認証を選んだ場合はマイナンバーカードの券面情報にある顔写真データを読み取って、マイナンバーカードをかざした人の顔写真を撮影して照合する。撮影した顔写真はカードリーダーには残らない。認証が終われば瞬時にオンラインで保険の資格確認が終わる仕組みです。

マイナンバーカードを健康保険証として利用すると様々なメリットがあります。最大のメリットは就職や転職、引っ越しなどのために健康保険証が変わっても、マイナンバーカードを保険証として利用できる。例えば転職などで健康保険証を新しく切り替えるために、保険証が手元にない場合でも新しい健康保険証の発行を待たずに医療機関の受診などができる。さらに21年3月からはマイナポータルで自分の特定健診(特定健康診査)の情報を確認できる。21年10月からは薬剤や医療費の情報も確認できるようになる。

利用者が同意すれば、初めて受診する医療機関の医師らにこれまでの特定健診情報や服用してきた薬剤の情報を伝えられる。医療機関のシステムと連携ができるためだ。医師らに口頭で説明する手間がなくなると期待されている。

マイナポータルやマイナンバーカードの用途はますます広がっていきます。マイナンバーカードの取得には時間がかかります。余裕を持って手続きされることをお勧めします。マイナンバー制度の仕組みをしっかり理解し、時代の流れですのでこの制度に乗り遅れないようにしたいものです。

2020-11-06 17:03:00

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2020年10月

秋冬コロナ対策 インフルのワクチン接種が重要に・・・早めに予約お願いします

65歳以上の方は10月1日より優先的に それ以外の方は10月26日から接種致します

気がつけばカゼやインフルエンザの季節も間近に迫っています。秋冬は新型コロナの感染拡大も懸念されています。コロナ禍でインフルエンザも流行すると、医療機関に人が殺到し、再び混乱する事態に陥りかねません。さらに、インフルエンザに感染すると、新型コロナの感染リスクや重症化リスクを高める可能性があるという指摘もあります。新型コロナ感染症の流行は、第2波が既にピークを超えたといわれていますが、今後は気温の低下に伴い、密閉状態の室内で人と会う機会も増えてくる。湿度の低下も感染リスクが高まる要因になります。

インフルエンザワクチン接種が新型コロナの重症化を防ぐ

今年の秋冬は、インフルエンザワクチンを打つことが非常に重要な意味を持つといわれています。インフルエンザワクチンを打っても当然新型コロナ感染症の予防にはなりませんが、万が一どちらかを発症している途中でもう一方に感染してしまうと、若者でも症状が重症化する可能性が高まる。そのリスクを避けるために今できることは、早めにインフルエンザワクチンを受けておくことが必要です。ワクチン接種は自分のためだけでなく、大事な人や自分の属する職場や家族に感染を広げないことにつながる。来年1月には新型コロナワクチンの接種が始まるという見通しもあるが、ワクチン入手が先延ばしになる可能性が大きい。いつになるかわからない新型コロナワクチンに期待するよりも、早めのインフルエンザワクチンの接種や手洗い・うがい、マスクの着用など、今できることを徹底するのが最善です。

新型コロナの後遺症

感染予防に配慮する人が増え、PCR検査の対応件数も増加。一定の治療方針が確立したこともあり、新型コロナに感染した人が重症化することは減ったといわれている。だが、安心はできません。回復後も後遺症がみられるという報告が、各国から相次いでいます。

多くみられるのは倦怠感や息苦しさ、関節痛が続くというもの。さらに、罹患時に軽症でも心臓に傷が残る可能性がある。

コロナ感染症によって小さな血管に血栓ができることがあるので、その影響で心筋などに影響が残った可能性があるといわれています。

家庭内感染の対策・・・手洗いは流水だけでも意味あり うがいも水で十分です

今回のコロナ禍で、アルコールなどの消毒薬を使用する人が格段に増えました。本当に消毒効果のある製品を使っていても、爪の中や指と指の間など細かな部位までしっかり消毒できているかは怪しい。消毒剤を過信せず、基本的な対策はこまめな手洗い・うがいだけでも効果があります。

感染者の自宅内ウイルス量を調べた海外の調査報告によると洗面台や浴室の排水口内に多くウイルスが検出されています。水には、アルコールやせっけんのように、ウイルスを不活性化する作用こそないが、流水で除去することはできます。手洗いの重要性を説く理由は、ウイルスが皮膚の上で数時間生存することがわかってきたからです。流水でのこまめな手洗いと水うがい、帰宅後のシャワーで十分ウイルスを家庭内に持ち込むリスクを低下できます。

マスクの有効性・・・通院、会話時には不織布 息苦しいならウレタンや布マスクを

さまざまな素材のマスクが入手できるようになってきたが、効果に違いがある。素材別にウイルスの捕集効率を調べたところ、不織布以外のマスクは通気性はいいが捕集効果は低かった。ウレタンや布マスクで3割程度、不織布で8割前後のウイルス捕集効果が確認されています。不織布マスクは3層構造のものが基本で、中間の1層が製造工程で静電気を帯びるため、微細なウイルス粒子を吸着できます。不織布タイプの洗濯は避けたほうがいい。水や洗剤の界面活性剤で静電気が消えるからです。

新型コロナ、なぜこんなに「無症状」が多いのか?

新型コロナウイルス感染症で厄介なのは、誰が感染を拡大させているのかが見えづらいことです。前日には「元気」だったので大勢の人と接したが、翌日になって咳、熱、疲労感に襲われ、感染していたことに気がつくことがある。米疾病対策センター(CDC)の推計によれば、そんなふうに症状が出る前の人がウイルスをうつすケースは、感染例のおよそ半数を占める。ウイルスに感染していても全く症状が出ないので実態をつかみにくい。知らない間に感染が広がるのは、インフルエンザやかぜなどのウイルスも同じです。しかし、新型コロナウイルス感染症では極端に把握が難しく、したがってコントロールも難しい。どこも調子が悪くない人は、そもそも検査に行くこともないため感染拡大の調査が困難です。

説① 無症状の人はそもそもウイルスの量が少ない?

説② コウモリのような免疫系を持っている可能性。コウモリはウイルスを保有していますが、全く症状が表れません。特殊な免疫反応によってウイルスを抑え込んでいる?

説③ 新型コロナウイルスが細胞に感染する際の入り口となる「ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)」というタンパク質を多く持っている人は、より高リスクがある?高齢者は全身や、ウイルスにさらされやすい鼻にACE2を若者より多く持っている。また、肥満の人もACE2が多い。

説④ すでに複数種類のコロナウイルスに暴露されているため、新型コロナウイルスに対する部分的な防御態勢が出来ている。それが新型コロナウイルスに感染したときの危険度を下げている?

新型コロナウイルス感染症の症状とされるものは日々増えつつある。現在では、味覚や嗅覚の喪失、足の指が紫色になるほか、吐き気や下痢など消化器系の症状なども、典型的な症状の中に含まれている。軽い症状にどんなものが多いのかがわかれば、感染者を迅速に特定し、隔離することができるようになります。

転倒予防やめまい改善に期待…小脳トレーニング

寝たきりのきっかけになることもある「転倒」。転倒してしまう原因は足腰の「筋力の低下」ですが、「小脳」の機能も大きく関係しています。小脳はバランスのコントロールをつかさどり、転倒を予防し、めまいの改善にも効果を発揮しています。
「小脳トレーニング」とは、いったいどんなものなのでしょうか?
“小脳力”セルフチェック…まずは自分の小脳がしっかり働いているかどうかを簡単に短時間でチェックできる方法があります。
一方の足のつま先ともう一方の足のかかとをくっつけて、両足が一直線になるようにして立ちます。右足が前でも左足が前でも大丈夫。ご自分の好きな方で立ってみてください。
腕を組んで目を閉じたらスタート。この状態で20秒間しっかり立っていられたら、大丈夫です。(ふらついて立っているのが難しいと感じたら、無理をせずに目を開けて中止してください。万が一、転倒した場合に備えて、周りに物がない安全な状態で行ってください。)

小脳の機能を鍛えるための2種類のトレーニング法

1.両手を前に伸ばして、親指を立てます。両手の位置は肩幅くらいが目安です。顔を動かさずに目だけをなるべく早く動かして、左右の親指を交互に見つめます。この動作を10往復行ってください。
2.片手を前に伸ばし、もう片方の手であごが動かないよう固定します。そして前に伸ばした方の手の親指を立てて、左右に大きくゆっくりと動かし、その親指を目で追うようにします。こちらも10往復です。
この2種類のトレーニングを1セットとして、1回に3セット行ってください。
朝・昼・晩と時間をあけて、1日3回行うと効果的です。長く続けることが大切です。
トレーニングは必ず座った状態で行ってください。また、気分が悪いと感じたら無理せずに中止してください。

2020-10-07 11:24:54

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2020年9月

高血圧とめまい…「血圧は心の鏡」血圧が高くてめまいは起こりません

血圧が高くなってもほとんど自覚症状はありません。血圧はとにかく測るしかありません。血圧が心配な人は血圧計を買って毎日測るようにしてください。1日2回、起床時と就寝前、いずれも排尿を済ませてから測るのが基本です。血圧の左右差は+/- 5(mmHg)くらいあります。左右で10以上違う場合は動脈硬化が進んでいるのかもしれません。ただし、血圧は最初に測るときは高く出るので注意してください。左右差を見るときは1回ずつではなくて、何回か左右で繰り返し測って、最後の数字を取るのがポイントです。

症状から高血圧に気付くことはできません。診察室で測る場合の基準は家で測るより高めになっています。白衣高血圧というのですが、医療機関で測ると緊張して大幅に高くなる状態です。家で測ると正常値なので油断しがちですが、そういう人も10年くらいすると高血圧になることが多いので、こまめに血圧を測って様子を見ることが大切です。白衣高血圧は一種の心身症です。病院に来るとスイッチが入ってしまう。これは薬を飲んでも治りません。

また、早朝高血圧とは、文字通り早朝の血圧が高いことです。特にお酒をたくさん飲む人やタバコを吸う人は早朝高血圧になりやすい。早朝高血圧は高齢者の方に多いですが、基本的に年齢は関係ありません。また、マラソンや自転車など持久力が必要なスポーツをしていると、結果的に心臓が大きくなります心臓が大きくなったために血圧が上がるということはありません。逆に、高血圧が続くと心臓が大きくなります。

血圧と脈拍数に関係ですが、脈拍はいろいろな原因で変化します。まず、低血圧の人は血圧が下がると脈拍が多くなります。先ほどのようなスポーツ心臓の人は、心臓が大きいので一回ごとの拍出量が多くなり、脈拍が少なくなります。出血多量状態や貧血状態のときは、酸素を運ぶトラック(赤血球)が少なくなるので脈拍は多くなります。また、降圧薬でβ遮断薬を飲んでいると脈が遅くなります。脈拍が少ないから血圧が上がるということもないし、逆に脈拍が少なければ必ず血圧が下がるというわけでもありません。走った直後など運動した後は脈拍が上がりますが、このときは血圧も上がっています。

頭痛がするときは血圧が高くなっているという訴えよくあります。血圧は「原因」ではなくむしろ「結果」です。つまり、頭痛がすると血圧が高くなります。高血圧の方で血圧が下がると頭痛が治る人もいますが、そういう人はまれです。ほとんどの人はまず頭痛が起こり、それがストレスになって血圧が上がります。同じように歯痛、肩こり、鼻づまりでも血圧は上がりますし、めまいのときは血圧が200くらいに上がることも珍しくありません。

「血圧は心の鏡」ですから。身体的や精神的ストレスで血圧が上がります。血圧のせいではなくて、逆に頭痛やめまいが原因で血圧が上がっているわけです。だから調子が悪いときだけ血圧を測るというのはよくありません。日ごろから血圧を測っていないと、調子が悪いときに血圧がどうなるかが分かりません。高血圧が原因で頭痛が起きることはあまりありません。むしろ、頭痛、肩こり、鼻づまり、めまいなどの体の不調があると、そのストレスによって血圧は上がります。

2020-09-03 11:00:40

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2020年8月

喫煙指数(=1日のタバコ本数×喫煙してきた年数)をチェックしましょう

肺は常に外気にさらされていて、タバコや大気汚染の影響を受けやすい臓器です。タバコを主原因とする肺の病気「慢性閉塞性肺疾患」(以下、COPD)になると、新型コロナやインフルエンザのようなウイルス、肺炎球菌などが入り込んだ場合に、重症化しやすい。
 COPDは、タバコを吸う人のみならず、すでに禁煙した人にも起こり得る。それどころか、タバコを吸わない人も、タバコから立ち上る煙(副流煙)によって悪影響を受けている恐れがあり、誰にとっても人ごとではありません。COPD患者の中には、まだ病気にかかっている事実に気づいていない「隠れCOPD」も存在する。その数は500万人以上という推計されています。病気の存在に気づかず、治療を受ける機会もない状態で感染症にかかると、急に悪化して命を落とすこともあります。志村けんさん例がそうです。しかし、COPDのタイプによっては、進行してもレントゲンに映らないこともあり、胸のレントゲンだけで知ることは困難です。健康診断で受けたレントゲン検査では異常なしと判定されてしまいます。どんな病気にも言えることだが、COPDを早く発見することには多くのメリットがある。最も注意すべきは肺がんで、COPD患者は、健康な人の約10倍も肺がんを合併しやすいといわれている。そのため、COPDが早く見つかれば、肺がんのハイリスクグループとして重点的に肺がんのスクリーニングを行うことができます。

今もタバコを吸っている人は、年1回の肺機能検査を受けよう

COPDの診断には、肺の機能を調べる『スパイロメトリー』という検査が必要です。スパイロメトリーとは、スパイロメーターという器具を使って、肺機能の良し悪しを調べる検査です。マウスピースを口にくわえて、指示に従って呼吸しながら肺活量に関する複数の項目を調べます。条件を満たすとCOPDと診断される。この肺機能検査は長年タバコを吸っていて今もやめられない40~50代の人は、年1回程度のペースで受けたほうがいい。肺機能も25歳くらいをピークに、必ず経年的に低下していきます。

禁煙した後も油断は禁物、COPDは数十年を経て発症する

 若いころは喫煙していたが、すでに禁煙した人の場合一度壊れた肺の組織は元には戻りません。禁煙後20年、30年経ってからCOPDだと判明することもあるから要注意です。COPDは、ある一定の喫煙量をベースに発症するといわれています。タバコをやめた人も、喫煙指数が200以上であれば、やはり年1回くらいのペースで肺機能検査を受けたほうがいい。喫煙指数とは、健康と喫煙の関係を示す指数で、ブリンクマン指数とも呼ばれる。1日のタバコ本数が20本×10年、あるいは10本×20年というように、喫煙指数が200を超えている人は要注意です。
ヘビースモーカーではない、1日数本の喫煙者でもCOPDになり得る
 COPDになるのは喫煙経験者の2割程度で、タバコを吸った人全員がなるわけではない。ヘビースモーカーなのにCOPDにならない人もいれば、喫煙量は少ないのにCOPDになる人もいる。タバコへの感受性が高い人・低い人がいて、人によって体質が異なる。喫煙経験があり、咳、痰、息切れなどの症状が1つでもあれば、肺機能検査を受けた方が良い。自分が吸わなくても、身近な人が喫煙者であれば副流煙によって肺がダメージを受けている。それに、肺機能は年々低下し、タバコの感受性の高低は自分では分からない。機会があれば1度は肺機能検査を受けましょう。

加熱式タバコも電子タバコも、周囲への健康被害がある

加熱式タバコも電子タバコも煙は出ないので、一見すると周りの人には無害だと思うかもしれません。COPDを招くのは、従来の紙タバコばかりではない。禁煙対策の一環として切り替える人の多い次世代型のタバコ(加熱式タバコや電子タバコ)でも同じです。しかも喫煙者本人が加熱式タバコから吸入するエアロゾルには有害物質が含まれ、エアロゾル吸入後に吐き出した息(呼出煙という)は、周囲に拡散する。加熱式タバコの呼出煙に特殊なレーザー光を当てると、エアロゾルが大量に吐き出される様子が確認されています。
 電子タバコは日本の法律ではタバコとして分類されないため、法的規制の対象外である点も問題となっています。2020年4月施行の改正健康増進法によって飲食店や職場などでは原則屋内禁煙となったが、電子タバコは規制されない。そうなると周囲の人には受動喫煙の恐れが生じてしまう。日本呼吸器学会も、加熱式タバコ・電子タバコのいずれも健康に悪影響を及ぼす可能性があると提言している。喫煙できるスペースが限られている今、外出先でタバコを吸いたいときは喫煙室に行くしかない。しかし、喫煙室は締め切った密な場所で、タバコを吸うためにはマスクを外さなければならない。もし新型コロナウイルスに感染した人がそこで喫煙していたら、喫煙室の中は感染リスクが跳ね上がってしまう。感染症を予防する観点からも、やはり喫煙はお勧めできません。
 禁煙する際に大切なのは、いったん新型タバコに切り替えて段階的に進めるのではなく、すべてのタイプのタバコを断つことだ。禁煙外来の力も借りながら、主流煙も副流煙も吸い込まない生活で肺を守り、withコロナ時代を乗り越えていかなければなりません。早く禁煙するほど健康被害は最小限で抑えられるから、なかなか禁煙できない人は禁煙外来に受診してください。

2020-08-06 09:44:54

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2020年7月

病気からどうやって体を守るの?「免疫」の仕組み

細菌やウイルス、カビなどの病原体は体の中に入ると病気を起こし、ときに命を奪う。人だけでなく多くの生き物は外敵から体を守る仕組みをもち「免疫」と呼ばれている。紀元前のギリシャやインドでは、一度かかった病気には再びかかりにくくなることが経験的に知られていたという。病原体から体を守る免疫の現象に気がついていたようだ。
新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、ウイルスなどの病原体から体を守る免疫の働きが改めて注目されている。人間は主に2段階の仕組みで病原体からの攻撃を防御しているが、新型ウイルスはこの攻撃を巧みにかいくぐり、病気を引き起こしている。
新型コロナウイルスの感染では、この自然免疫が注目されている。結核を予防する「BCG」というワクチンを接種する国で、新型コロナウイルス感染症の患者が少ないからだ。BCGが自然免疫の働きを高めているという。

 現代の免疫学では外敵が体に侵入してきたら最初に働き始める「自然免疫」と、外敵に応じた攻撃をしかける「獲得免疫」の2種類が連動していると考えている。どちらも血液中にある「白血球」という細胞から生まれた様々な細胞が、それぞれ独自の役割を果たしている。
 自然免疫では「好中球」や「マクロファージ」「樹状細胞」といった細胞が異物をとにかく食べまくる。分解して排除する。けがをした後に炎症が起きたりうみができたりする。傷口の細菌などを攻撃して起きる結果です。
 獲得免疫では「T細胞」と「B細胞」の2つの細胞(リンパ球)が活躍する。特にT細胞は獲得免疫の司令塔とも呼ばれている。T細胞には「ヘルパーT細胞」や「キラーT細胞」などの仲間がある。ヘルパーT細胞は病原体を分解した樹状細胞から、どんな物質でできているのかという情報を手に入れていることがこれまでの研究で分かってきた。この情報をもとに、B細胞に対し病原体だけを攻撃する「抗体」というたんぱく質を作るように命令を出している。さらにマクロファージの活動もうながしている。キラーT細胞も樹状細胞からもらった情報をもとに、病原体に感染した細胞を見分けて攻撃をしかける。

 このように自然免疫と獲得免疫が協調して外敵とたたかっている。免疫は医学の分野ではとても重要な役割を果たしている。ワクチンはその代表例といえる。まだ免疫の仕組みが分かっていなかった18世紀末、英国の医師のジェンナーは二度なし現象に関心を寄せ、医療に使えるようにした。当時の人たちは感染病の「天然痘(てんねんとう)」を非常におそれていた。ジェンナーは牛がかかる「牛痘」という天然痘によく似た病気がまれに人にうつり、牛痘になった人は天然痘にかからない話にヒントを得て、牛痘にかかった人から取ったうみを男児に注射してみた。男児は体調が少し悪くなったがすぐに回復し、次に天然痘にかかった人のうみを注射しても症状(しょうじょう)は全く出なかった。この実験が免疫学の始まりといわれている。
いまでは子どもたちがかかりやすい病気を中心に、様々なワクチンが実用化され、予防接種で感染を防ぐようにしている。

一方、人工的に抗体を作ってがんなどを治療する「抗体医薬」は、製薬会社の主力商品になっている。抗体はがん細胞にだけできるたんぱく質を目印に攻撃するので、従来の抗がん剤とはちがって正常な細胞を傷つけない。効果が高く副作用の少ない薬として広く使われている。2018年のノーベル賞の対象となった「がん免疫療法」は新しい応用例です。免疫が働かないように情報をやりとりする仕組みが見つかり、がん細胞がこれをうまく使っていることが分かった。情報伝達をたち切り、がん細胞を攻撃できるようにする抗体医薬が実用化した。体の中にある抗体を見つけて肥満や糖尿病(とうにょうびょう)などの生活習慣病を診断する新しい方法の研究も進んでいる。

免疫は暴走することも・・・
このように免疫はとてもよくできた仕組みです。しかしときに暴走することもある。もともと体の中にあった細胞や組織を外敵とまちがえて攻撃してしまう「自己免疫疾患」や、免疫が強く働きすぎて過剰な反応が起きる「アレルギー疾患」などです。

経済の本格的な再開には、有効な治療薬やワクチンの実用化が不可欠です。新型コロナは科学的に解明できていない部分も多く、実用化には時間がかかるかもしれません。
今使われている各種のワクチンは鶏卵などを使って1~2年かけて必要な量をまかなう備蓄用が中心です。新たなワクチンの開発や迅速投入に向けて生産技術を磨く米欧の製薬大手に比べ、日本は未知のウイルスへの対応力が試されています。ワクチンの開発には通常、治験などのために10年近くかかると言われています。各国政府は規制緩和など特例措置により早期開発を後押ししていますが、通常よりも開発期間が短いだけに副作用を含め安全性をどう確保するかも課題です。

2020-07-07 16:41:23

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2020年6月

アビガンが映す日米の差 非常時の薬許可、米は機動的…アビガンへの期待

新型コロナ治療薬として期待される国産薬「アビガン」(経口薬)
の5月中の承認が見送られました。臨床研究などを進めていますが有効性をまだ確認できないからです。一方、一定の効果が示された米国の「レムデシビル」(点滴)は米食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可が出て、日本でも特例承認されました。非常時に薬を認める制度は米国の方が機動的です。

アビガンは富士フイルム富山化学の新型インフルエンザ治療薬でした。ウイルスの増殖を抑える効果があるため新型コロナ患者に投与して効果があったとする症例報告があり、科学的に効果と安全性を調べることになりました。藤田医科大学などが無症状・軽症者を対象に3月から臨床研究中です。富士フイルム富山化学が肺炎になった患者を対象に始めた臨床試験(治験)も続けています。

一方、レムデシビルは現在国内で認められた唯一の薬で、医師は新型コロナ患者に普通に使えます。ただ、レムデシビルは米中で異なる治験結果が報告されるなど有効性について結論は出ていません。いわゆる「仮免許」の状態です。使用時の利益がリスクを上回ると考えられ、利用可能な代替品がないと判断すれば未承認薬の一時的な使用を認められたのです。米当局は後から効果がないと分かれば取り消せます。同時並行でギリアド社は数千人規模の治験を実施中で「本免許」である薬事承認の手続きも進めています。

レムデシビルが素早く認められた日本で、アビガンがなかなか承認されないのはなぜか。違いは薬が海外で認められているかどうかです。アビガンは胎児に奇形が生じる副作用が指摘されるが、一定の安全性が認められています。治験も各国で進んでいます。だが肝心の新型コロナに対する信頼性の高い結果はまだ出ていません。薬の承認は国内の治験を経なければなりません。治療薬の開発に向けては、試験方法が適切に設計され、治療効果を比較するための対照群(詐薬投与)を置いたランダム化比較試験を実施しなければなりません。ただ厚生労働省は今回、別の形でアビガンの早期承認を目指しています。「極めて高い有効性が示されれば薬事承認という流れも想定していた」のですが、期待通りにはいかないようです。

アビガンは現在でも患者が同意し医師が必要と判断したら投与できる。人道的観点の「観察研究」という枠組みです。医療機関の倫理審査を経る必要があるものの、既に患者2000人以上に投与されています。日本は薬の承認で慎重な制度を敷いており、一般に承認まで時間がかかる半面、一度認めた薬は取り消されにくい。今回、新型コロナに直面し、慎重さと性急さが入り交じった姿勢がみえる。薬の承認に向けた慎重な研究と医療現場への薬の素早い供給を期待したいものです。

「座りっぱなし」があなたの健康をむしばむ

「座りっぱなし」とは「じっとしていてほとんど動かない状態を言います。筋肉は、体を動かす運動器であると同時に、全身の代謝と深くかかわる臓器です。下肢の筋肉は、収縮することで血液中のブドウ糖を細胞内に取り込む作用があることが分かっています。座っていることが長時間続くと、筋肉に刺激が入らず、糖の代謝が悪くなります。さらに脂肪を分解する酵素の働きも低下して、血糖値や中性脂肪値を高めてしまう。

また、ふくらはぎは第2の心臓と呼ばれ、足先まで届いた血液を、重力に逆らって心臓に戻すポンプのような働きをしている。座っている姿勢ではひざや腰が曲がっていて、立っている状態よりも血液が心臓に戻りにくくなります。さらにふくらはぎの筋肉が使われないため、ポンプ機能が働かず、血流が悪くなります。そのため心臓に血液を戻すため血圧を高め、しいては血管にダメージを与える可能性があります。

こうした、代謝機能の悪化や血流の低下、血管へのダメージは、メタボ(メタボリックシンドローム)と同じように、動脈硬化を引き起こし、糖尿病、心疾患などのリスク上昇へとつながっていく。世の中が便利になることで、身体をこまめに動かす機会はどんどん減っています。最近は新型コロナウイルスの影響で外出が減り、テレワークの導入が急速に進んだ結果、家で座りっぱなしで過ごす時間がどんどん増えています。こうした不活発な時間の増加による健康状態の悪化が、今後じわじわと進んでくるのではないでしょうか。

健康リスクを回避するためには「こまめに立ち歩く」頻度を増やして、日常生活の見直しをしましょう。ともかく体を動かそうと思うことが大切です。いろいろな運動がありますがスクワットは下半身だけでなく全身の多くの筋肉を使う、「一番大事な種目」ともいえる重要な筋トレです。スクワットは「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれ、きわめて全身運動に近い動作です。運動の種類は問いませんので30分から1時間に一回は体を動かしましょう。

2020-06-04 11:57:28

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2020年5月

世界で猛威振るう新型コロナ 収束に向けた課題

新型コロナウイルス感染症が全世界で猛威を振るっています。
欧米だけでなくアフリカ大陸でも感染が拡大、1日当たり数千人が死亡する状況が続いています。
新型コロナウイルス感染症はいつ、どのような形で収束に向かっていくのでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の収束シナリオを論じる前に、基本的な情報共有をし、なぜここまで感染が拡大し、世界中で猛威を振るっているのかを確認しておきたい。
まずその感染力です。1人の感染者が新たに何人に感染させるかという「基本再生産数」が新型コロナウイルス感染症は1.4~2.5とされ、通常の季節性インフルエンザと同程度と考えられています。しかし新型コロナウイルス感染症の厄介なところは、無症状・軽症の感染者が全体の8割程度いるとされており、そうした感染者からも感染する点です。さらに、新型コロナウイルス感染症は症状発現の直前が感染力ピークを迎えているとのデータも報告されており、無症状・軽症の感染者によるウイルス伝播(でんぱ)が今の事態を招いています。加えて、高い重症化率・致死率を持っている点も問題を大きくしています。国ごとにばらつきはあるが、全世界平均でみると致死率は6%前後です。
大規模臨床試験で有効性が証明された治療薬・ワクチンはありません。そのため、感染拡大の制御方法としては、外出規制などヒト・ヒト間の接触を制限するような対症療法的措置しか手段がありません。

 WHOの基準ではウイルスの潜伏期間の2倍の期間、感染者が新たに発生しなければ終息宣言となります。新型コロナウイルスの潜伏期間は2週間とみられていることから、少なくとも4週間、感染者数がゼロにならない限り、ウイルスとの闘いは終わりません。中国共産党をもってしても、感染者数をゼロにするのは至難の業です。21世紀の世界では、人の往来を完全にシャットアウトすることはできません。
 つまり非常事態宣言を出して感染拡大の第1波を乗り越えられたとしても、新型コロナウイルスを完全に封じ込めるには相当長い期間がかかるのは間違いありません。山中教授が「1年は続く」と指摘したのは、感染力の極めて高いSARS-CoV-2ウイルスの本質を見抜いているからです。

 もちろん、バイオテクノロジーを駆使すれば、効果的なワクチンや治療薬も開発できるでしょう。ただ、その未来がやってくるには年単位の時間がかかります。それまでの間、私たちは医療崩壊を防ぎながら、何とかしのいでいくしかありません。山中教授は、ウイルスとの闘いをマラソンに例えました。長期戦で臨むことを覚悟するしかありません。

乳摂取で高齢時、大腿骨近位部骨折起こす

栄養状態が悪い発展途上国では小児期の牛乳摂取は無論、意味があります。しかし先進国で牛乳を1日3杯以上取ることは推奨しない。海外の主要な医学雑誌の一つN Engl J Medでの「牛乳と健康(総説)」という記事で述べている最重要点は次の8点です。

  1. 思春期の牛乳高用量摂取で最終身長が伸びる
  2. 男性の思春期の牛乳摂取はコップ1杯/日ごとに高齢時の大腿骨近位部骨折リスクが9%増加。
    一方、女性では牛乳摂取と大腿骨近位部骨折に相関はないそうです。
    「発展途上国では牛乳は小児に意味があるが、先進国では過剰摂取は利益がなく害がある」ということ。著者の意見では「牛乳を3杯以上飲むことは推奨しない」とのことです。
  3. 高身長は大腿骨近位部骨折、その他の骨折、肺塞栓症、がんを増やす
  4. カルシウム摂取は骨塩量、大腿骨近位部骨折を改善しない
  5. 小児は、低脂肪乳製品で体重が増加する。ヨーグルトは減量に有効かも
  6. 牛乳摂取は前立腺がん、子宮内膜がんと相関
  7. 全死亡率と蛋白源の関係:加工肉>卵>赤い肉>牛乳>魚>鶏>植物
  8. 牛乳不耐性児は豆乳でアレルギー症状が改善する
カルシュウムをたくさん摂取すれば骨折にならないというのは迷信ということになります。
また牛乳の摂りすぎには注意が必要ということですね。

2020-05-14 15:52:41

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2020年4月

マスクがなくても焦らない! 新型コロナウイルス予防で本当に大切なこと

 2019年末に中国の武漢で発生し、既に日本を含む複数の国で患者が報告されている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の今後については、現時点では予測がつきません。
 日本ではマスクの品薄状態は依然として解消されていません。マスクが手に入らないことで、感染への不安は増幅されています。しかしこの状況でも、コロナウイルスがどのように人に感染するのか、その感染経路を知れば、予防できる可能性は大きく高まります。以下に新型コロナウイルス感染症の概要と、今すぐできる予防策をお知らせします。 コロナウイルスは、発熱や風邪のような症状を引き起こすウイルスで、人に感染するものは6種類知られています。なかには、重症急性呼吸器症候群(SARS; 2003年7月に収束宣言)や中東呼吸器症候群(MERS; 2015年12月に収束)といった、重症化を引き起こすウイルスもありますが、それ以外の4種は、一般的な風邪の10~15%を引き起こすに留まります。現時点では、新型コロナウイルス感染症に特化した治療法はありません。症状に合わせて多様な治療が行われ、重症化すれば人工呼吸器も用いられます。 予防対策を考えるために最も重要なのは、新型コロナウイルスがどのようにして人から人へと感染するかを知ることです。一般に、病原体の感染経路として想定されるのは、接触感染、飛沫感染、空気感染、媒介物感染の4つです。 日常生活の中で、新型コロナウイルスで注意が必要なのは、接触感染と飛沫感染です。これはインフルエンザウイルスと同様です。飛沫感染と接触感染を防ぐためには、「ウイルスを含んだ飛沫を浴びない」、「ウイルスが付いたものを触らない」「触った手で口や鼻などの粘膜を触らない」、そして、「こまめに手洗いと消毒をする」ことが重要です。
では具体的に、日常生活での感染予防策を考えていきましょう。

 私たちは、家の外に出れば、様々なものに手を触れざるを得ません。電車やバスのつり革、ドアノブ、スーパーのかごやカート、エレベーターのボタン、エスカレーターのベルト、ATMの画面、人の手から手へと移りゆく紙幣やコインなど、手を触れる全てのものに、感染者の口から飛び出した飛沫が付着している可能性があります。こうしたものに触れた手を、無意識のうちに口や鼻に持っていって触ることで、ウイルスが体の中に入ってしまいます(接触感染)。このような接触感染を防ぐには、こまめな手洗いが大切です。新型コロナウイルスにはアルコール消毒が有効とされています。外出から帰ったら、手をしっかり洗ってアルコール消毒をしましょう。ウイルスを自宅に持ち込まないためには、玄関先で手指だけでも消毒しておくとよいでしょう。靴を脱ぎ、最初に手を洗いに行ったとしても、洗面所のドアのノブや水栓には触れざるをえません。石鹸で手を洗った後にそれらを触れば、ウイルスが手に戻るかも知れません。ウイルスや飛沫が目に見えないからこそ、想像力を十分に働かせる必要があります。外出先でも、消毒用のアルコールを携帯して使用すれば、手荒れはしても、感染リスクは下げられます。

 近くの人から飛び散った飛沫は、自分の髪、顔や手の皮膚、マスク、衣類、スマートフォン、本、バッグなどに付着している可能性があります。イヤフォンやヘッドフォン、ノートパソコンを使用していれば、それらの表面にも飛沫は存在します。それぞれの表面で、新型コロナウイルスがどれくらい感染力を維持しているのかは現在のところ不明ですが、数飛沫が物に付着していた場合、それらが手指を介して眼や鼻、口の粘膜に至らないようにすることが何より大切です。できるだけ速やかに正しい手洗いをすること、その後も、シャワーを浴びるまでは、手で目や鼻をこすらず、食べ物をつまんで口に入れないことを肝に銘じましょう。なお、マスクを着用する人も、捨てるときには十分注意してください。表側のみならずゴムバンドにも、ウイルスを含む飛沫が付着している可能性があります。取り外した後の手洗いを確実に行ってください。

「喫煙者は重症化リスク3倍」 新型コロナで米医学誌

 世界保健機関(WHO)が「新型コロナ感染した場合の重症化リスクを高める」として禁煙を呼び掛けている。中国の患者の調査で、死亡したり、人工呼吸器による管理が必要になったりするリスクが、喫煙者は非喫煙者に比べ3倍も高いとのデータが示された。29日死去したタレントの志村けんさんも、かつてはヘビースモーカーとして知られていた。喫煙歴が長いと肺機能は徐々に低下し、新型ウイルスに限らず肺炎のリスクが高くなる。受動喫煙でも呼吸器感染症に対する免疫機能への悪影響が考えられる。屋内の喫煙室は密閉構造で人が集まりやすく、クラスター(集団感染)が発生しやすい場所の条件に当てはまる。このため名古屋駅前の大名古屋ビルヂングなどの商業施設では喫煙室を当面閉鎖する動きもある。 紙巻きタバコや電子タバコを使用している人は、非喫煙者よりも、インフルエンザなどの 感染により病状がずっと重くなる。 電子タバコ使用者は呼吸器感染症にかかりやすく治りがおそいことも分かっている。動物実験と細胞実験によって、ヒトの気管支の粘液 繊毛運動が抑制され、肺炎リスクが 高まると報告されている。電子タバコを使用すると、生来持っている免疫システム の幅広い能力が損なわれる。喫煙はコロナ肺炎の悪化と死亡原因の中で群を抜く高いリスクを示している。どうかコロナ感染を防ぐカギとして、紙巻きタバコと 電子タバコを止め、受動喫煙をなくそうと叫んでほしい。 地域にとっても、企業にとっても、家庭にとっても、今が電子タバコを含む禁煙を法律と ルールを通じてなくす活動を前進させ、非喫煙者に対する受動喫煙と電子タバコエアロゾルばく露をなくし、喫煙者の禁煙を促進する好機である。

2020-04-02 11:17:03

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2020年3月

肺炎は実地臨床でよく遭遇する一般的なよくある病気の一つであると同時に、死亡率も高い重要な疾患です。肺炎の原因となる病原体は数多くあります。ウイルス感染症の診断法の進歩に伴い、肺炎におけるウイルスの重要性が注目されてきました。

肺炎に関与する多くのウイルス

 

ウイルス性肺炎を病態でみると、気道に親和性を有する呼吸器系ウイルスが上気道に感染し下気道に感染が拡大していく場合と、ウイルス血症を伴う全身性ウイルス感染症の肺病変としてみられる場合に分けることができます。前者には、インフルエンザウイルス、ヒトRS ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、SARS ウイルス、などが挙げられます。後者には、サイトメガロウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス、麻疹ウイルス、などがあります。

市中肺炎全体の24.1%に呼吸器系ウイルスが検出され、下気道検体が得られた研究に限定すると、その頻度が44.2%にのぼるとされています。肺病変の形成にどのようにウイルス感染が関与しているのかについては今後の検討課題でありますが、従来考えていたよりも、市中肺炎におけるウイルス感染の関与は大きいということが示されてきました。近年、実地臨床におけるウイルス感染症の診断は迅速化され、ウイルス感染による肺炎を臨床的にリアルタイムに捉えることが可能となってきました。臨床上重要な呼吸器系ウイルス感染症の抗原検出キットが臨床応用されています。日本では、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ヒトRS ウイルス、ヒトメタニューモウイルスの抗原検出診断キットが市販され、ベッドサイドでのウイルス感染症診断が可能となっています。

 

ウイルス性肺炎の治療戦略について

肺炎に関与するウイルスで最もよくその病態が理解されているのはインフルエンザウイルスです。インフルエンザに伴う肺炎では、ウイルス感染そのものによる純粋なウイルス性肺炎と、細菌性肺炎を合併したもの、ウイルス感染が軽快した後に細菌感染を合併する場合があります。
インフルエンザによる肺炎の治療にはノイラミニダーゼ阻害作用を有する抗インフルエンザ薬が適応となり、できるだけ早期から抗インフルエンザ薬を投与することが推奨されます。水痘・帯状疱疹ウイルス感染の臨床診断は特徴的な皮疹を確認することがまず重要となります。サイトメガロウイルス感染は臨床像と血中サイトメガロウイルス抗原検出や血中ウイルス量の定量に基づいて臨床診断を行います。水痘帯状疱疹ウイルスや単純ヘルペスウイルスではアシクロビルの投与、サイトメガロウイルス感染ではガンシクロビルやフォスカルネットの投与が適応となります。その他の呼吸器系ウイルス感染症に対する抗ウイルス薬の治療はいまだ確立されていません。コロナウイルスも同じです。

正しい「咳エチケット」を知っていますか?

 通常の風邪やインフルエンザと同じく、新型コロナウイルスについても、「咳エチケット」と「手指の衛生」が2大対策となる。

マスク着用の注意点
 日本では感染症の予防策としてマスクをつけている人が多いが、マスクは、咳やくしゃみなどの症状がある人が飛沫をまき散らさないようにするために使うか、症状がある人と近距離で接する人が使うのがいい。マスクを着用する際は、きちっと口や鼻を覆う、針金状の物が端に入っているタイプのマスクの場合は、それを曲げて鼻に沿わせる、といったことも重要だ。
 もう一つ気をつけたいのはマスクを「外す時」。マスク表面にはウイルスが付着している可能性があるため、マスクの中央を不用意に持つようなことはせず、ゴムヒモ部分だけを持って耳から外し、そのまま表面には触れずにゴミ箱に捨てることが重要だ。できればマスクを取った後に手を洗うとベストです。

アルコールはたっぷりと手全体に
 感染症対策のもう一つの柱「手洗い」は、「せっけん」を使って洗い、「流水」で洗い流すこと、そして「アルコール」も有効です。 せっけんの泡を付けて手のひらや甲、指と指の間などをこすり、こする時間の目安は15~20秒。水で洗い流す時間も含めて30秒はかけるのが理想です。
 アルコールについては、「量」がポイント。「指先などに少しだけ使うのではなく、手の指の間からこぼれ落ちるくらいたっぷり手に取り、手全体をアルコールで覆うように使うのがコツです。

中国の新型コロナ患者の8割は軽症、死亡者の多くが高齢者または持病あり
7万人超のデータを分析、致命率は2.3%

 世界中を揺るがせている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で、2月17日、これまでで最大規模となる7万人超の患者の分析データを中国疾病対策予防センタ−(中国CDC)が発表しました。新型コロナウイルスの感染が確定した患者の8割は軽症で、致命率(患者数に対する死亡者数の割合)は2.3%、死亡者の多くが60歳以上の患者か、併存疾患(心血管疾患、高血圧、糖尿病など)のある患者でした。

 分析対象は、中国で新型コロナウイルス感染が確認された確定例4万4672人。30~60代の患者が8割を占め、10代までの若年層は患者数、致命率ともに低かった。重篤な患者(肺での呼吸がうまくいかない呼吸不全が発生、感染症による炎症が全身に及び低血圧が持続するショック状態が発生、多臓器不全が発生する)の致命率は非常に高く(49%)、ほぼ2人に1人が死亡していました。 併存疾患がなかった患者の致命率は0.9%で、併存疾患のある患者、特に心血管疾患(心筋梗塞、狭心症、脳卒中など)を抱えていた患者の致命率は10.5%と高くなっていました。

 日に日に知らないうちに感染している例が増加しています。健康で合併症のない方は恐れる必要はありません。何某らかの合併症を抱えている高齢者は感染しないよう心がけましょう。

2020-03-04 12:48:43

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2020年2月

 インフルエンザの流行はこれまでのところ、昨シーズンに比べ落ち着いている。暖冬も一因とみられている。小中学生の患者が多いのが今シーズンの特徴で、冬休みが感染の広がりを抑えた可能性があるという。例年シーズンのピークは1月後半です。今シーズンもここにきて患者が増え始めていますが、勢いは限られています。

本物の風邪は受診の必要なし まず3症状(咳、鼻水、のどの痛み)をチェック

 

 風邪はありふれた病気の一つであり、多くは数日から1週間程度で自然に治ってしまう。一方で「汗をかくと風邪が治る」「風邪は抗生物質で治る」など、間違った認識を持っている人も少なくない。風邪とは「自然に良くなる上気道のウイルス感染症」です。上気道とは気道の上の部分に当たる鼻、のどのこと。ここにウイルスが感染することで風邪を発症する。薬などを飲まなくても、放っておいてもやがて治ってしまうことを意味する。
 ライノウイルスやコロナウイルスをはじめ、風邪の原因となるウイルスは200種類以上あります。そのすべてのウイルスに効く薬はありません。
一般に風邪薬と呼ばれる薬は対症療法の薬。「熱を下げる」「鼻水を止める」などの症状を抑える作用があるだけで、風邪の原因であるウイルスを殺すわけではありません。

 

一見「風邪」だが実はちがう 受診すべき6つの症状

1. 38℃以上の高熱が3日以上続く
 風邪をひいて初日に38℃を超える高熱が出ることも少なくない。しかし、風邪による高熱は長くても2日くらいしか続かないことが多い。3日続いたら、ウイルスではなく、細菌による感染症の可能性が高まります。
風邪の3症状である「咳(せき)」「鼻水」「のどの痛み」がまったくなく、38℃以上の熱だけの場合も風邪ではない可能性が高い。

2. いったん良くなりかけてぶり返す
 いわゆる「風邪をこじらせた」状態で、改善傾向にあると思っていたら再び高熱が出る、咳がひどくなる、といったときだ。こういうときは細菌に感染していることも少なくない。風邪のウイルスによって鼻やのどの粘膜が炎症を起こすと、細菌に感染しやすくなってしまうのだ。
例えば鼻水だけがダラダラ出続け、頬(ほお)の片側に痛みがある場合、細菌性副鼻腔炎などが考えられます。こういうときはすぐに耳鼻科に受診してください。

3. 寒くてガタガタ震える
 発熱すると寒さを感じやすくなるもの。それにはランクがあり、最も強いものはガタガタと体が震え、止めようと思っても止まらない「悪寒戦慄(おかんせんりつ)」は細菌感染している可能性があります。高齢者は風邪をひいても気付かないくらい軽くすむことが多い。症状が重いときや、寝汗をびっしょりかく場合(シャツを交換するほど)は要注意と心得て医療機関を受診してください。

4. のどに痛みを感じるのに、つばを飲み込んでも痛くない
 のどが痛いのに、つばを飲んでも痛くない場合は風邪ではない可能性が高い。つばを飲み込むだけというとても簡単なチェックなので、ぜひ実行してほしい。

5. 咳をすると胸が痛い、痰(たん)に血が混じっている
 風邪をひくと粘膜が炎症を起こして細菌に感染しやすくなる。成人の場合、最も多いのは肺炎です。細菌性の副鼻腔炎や中耳炎を起こすこともある。

6. 咳が2週間以上続いている
 咳が2週間以上続いているときは肺がん、咳喘息(ぜんそく)、結核などの病気になっている可能性があります。そのほか、後鼻漏(鼻水がのどに流れる)や胃食道逆流症(胃液が食道に上がってくる)によって咳が続いていることもあります。

家庭でのウイルス対策

〇手洗いこそウイルス対策の基本
手洗いこそウイルス対策の「基本中の基本。様々な物に付着したウイルスを洗い流すことで「接触感染」を防げるからだ。1日に11回以上手洗いをする人は、風邪のリスクを半分以下にできることが複数の研究で示されているという。

〇水うがいで風邪のリスク4割減
のどに付着したウイルスはうがいで洗い出す。1日3回水でうがいすれば、風邪にかかる割合を4割程度減らせるという研究結果もある。
マスクを装着すれば、せきやくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛沫感染」を防げる。うがいやマスクにはのどを潤す効果があることも見逃せない。鼻と口の粘膜は乾燥すると傷ついて、ウイルスがつきやすくなる。予防のためにも、積極的に取り組みたい。

2020-02-05 16:43:00

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