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2018年2月

チョコレートは健康に良い

チョコレートは健康に良い

フラバノールはポリフェノールの一種で、チョコレートやココアの主原料となるカカオ豆に豊富に含まれています。チョコレートには赤ワインより多くのフラバノールが含まれています。 フラバノール含有量の高いココアを摂取すると、一酸化窒素が増え、血管拡張(血圧低下)、血小板凝集抑制(抗動脈硬化)などにつながることが分かっています。
 また血圧は、フラバノール摂取により、平均、収縮期血圧、拡張期血圧の低下が認められました。脳卒中の死亡率、冠動脈疾患の死亡率、しいては全死因の死亡率のリスクが低減すると推定されています。フラバノールを少なくとも520mg、毎日摂取している高齢者は、認知能力の大幅な改善を示しました。つまり、フラバノールの摂取は認知機能を改善する可能性があるのです。かと言ってほとんどの市販のカカオ製品は、たくさん摂取すると、飽和脂肪酸や糖分により、カロリーの摂り過ぎになります。そして、カカオのプラスの効果を打ち消すほどの、体重増加や血糖の上昇を招きます。カカオ豆を加工したココアパウダーには約3.6%のフラバノールが含まれていますが、成分調整ココアをたっぷり使ったダークチョコレートのフラバノール含有率は、わずか約0.5%です。ミルクチョコレートやホワイトチョコレートには、フラバノールは低いか含まれていません。市販のダークチョコレート(74%ココア)40g摂取の2時間後に、血液中の抗酸化状態の大幅な改善が報告されています。これがチョコレート効果が出る一つの目安でしょうか。
 ちなみに、チョコレートに関する仮説としてもっと有名なものは、国別チョコレート消費量とノーベル賞受賞者数の関係性を調べた結果、摂取量の多い国が人口当たりのノーベル賞受賞者が多かったとの結果が出ています。受験生の夜食にもチョコレートは最適なのかもしれない。
 チョコレートとナッツは相性が良いのですが、2013年にスペインから報告された試験は、1日30gのナッツの摂取により心血管疾患を減少させることが分かった。その他にもナッツ摂取により心血管疾患発症が減少するという報告があります。しかし、心筋梗塞に対しては認められたが、脳卒中に対しては認められないようです。また、ナッツの種類による相違を検討したところ、心筋梗塞に対してはいずれのナッツも発症リスクの減少につながっており、脳卒中に対しては特にクルミが(3コホートの合計ではピーナツも)発症リスクの減少につながっていた。クルミと同様、ピーナツもよいようですが、ピーナツバターではそうした作用がないことが分かっています。ビターチョコレートとナッツの組み合わせは健康に良いようです。

抗インフルエンザ薬の予防的投与について

この冬もインフルエンザが猛威を振るっています。インフルエンザの予防にはシーズン前のワクチン接種が第一ですが、残念ながら、ワクチンを打っていても発症を完全に防げるわけではありません。 入学受験を間近に控えている、大事なプレゼンが迫っているなど、人生の中で「どうしても今だけはインフルエンザにかかりたくない!」という局面は訪れるもの。そんなときに同居する家族がインフルエンザにかかってしまったら、うつるリスクが極めて高くなります。 そうした緊急事態に検討したいのが抗インフルエンザ薬の予防投与です。
インフルエンザの治療に使われる抗インフルエンザ薬は4種類。そのうち、点滴薬のラピアクタを除いた3種類、すなわち、経口薬のタミフル、吸入薬のリレンザ、吸入薬のイナビルは、インフルエンザの予防に使うことが認められています。 抗インフルエンザ薬には、体の中でインフルエンザウイルスが増えるのを抑える作用があります。抗インフルエンザ薬を予防的に使っていると、インフルエンザウイルスに感染しても体の中でウイルスが増えにくくなるため、結果としてインフルエンザの発症を予防できるのです。
 タミフル、リレンザ、イナビルを予防に用いる場合は、いずれも原則として、治療に使う量の半分を、倍の期間使用します。使用期間は薬によって異なり、タミフルは7~10日間、リレンザは10日間、イナビルは1~2日間です。あくまで予防としての使用ですので、ワクチンと同様、公的医療保険は使えず自費診療の扱いとなります。発症を予防できるのは、服用している期間だけです(イナビルは服用開始から10日間)。では、高齢者ではなく、基礎疾患もないけれど、入試の直前に家族がインフルエンザにかかってしまった…など、上記の条件に当てはまらないケースの場合、予防投与は受けられないのでしょうか。
この場合は、薬剤の添付文書に記載されていない使い方(適応外処方)となるため、万一、重い副作用が起こっても「医薬品副作用被害救済制度」の対象とはならず、補償が受けられないというデメリットがあります。また、抗インフルエンザ薬を使い過ぎると、薬への耐性を持ったウイルスが出現する恐れがあります。 このため、個別の事情をどう受け止め、適応外処方の可否を判断するかについては、医師によって考えが異なります。まずはかかりつけの医師に、事情を説明し、相談してください。
ところで、かぜ・インフルエンザ対策を行っている受験生は、対策に注意を払っていない受験生と比べ、第1志望校の合格率が高いという結果があります。薬に頼らず普段から手洗いやうがいなどの対策をしっかりと行いましょう。

2018-02-07 10:19:01

2018年1月

感染症予防に効果的な正しい手指の洗浄・消毒法

感染症予防に効果的な正しい手指の洗浄・消毒法

 インフルエンザや風邪が流行る時期。様々な予防法のなかでも、子どもから高齢者まで簡単に実践できるのが「手洗い」です。12月から2月にかけて風邪、インフルエンザやノロウイルスによる感染性胃腸炎など患者数が増えます。インフルエンザや風邪の主な感染経路は、くしゃみや咳(せき)による飛沫感染。一方で、ウイルスが付着した物に触れた手で目や鼻、口に触ることで間接的に感染する接触感染もあります。ノロウイルスも飛沫や接触で二次感染を起こします。
 接触感染の予防に欠かせないのが手洗いです。インフルエンザの感染リスクは、せっけんを使った手洗いを1日5回以上すると3割ほど減り、10回以上だと5割程度減るという報告もある。インフルエンザワクチンによる発症防止効果が4割前後といわれていますので外出の後や調理の前後、食事の前、トイレの使用後には手を洗う習慣をつけることが大切となります。加えて正しい洗い方をすることも肝心だ。親指や指先、小指側の側面などに洗い残しが多い。こうした部位もきちんと洗えるよう、洗い方の手順を覚えておこう。手を水でぬらしたあと、手のひらでせっけんをよく泡立てて全体をこする。続いて手の甲や指先、爪や指の間、親指、手首と小指側の側面の順に20~30秒かけて洗う。洗い終わったあとは流水でせっけんをよく洗い流し、手を拭く。「手や指の消毒用のアルコール液やジェル剤での消毒でも同等の効果がある」と話す。アルコール消毒液やジェル剤を使うときは、くぼませた手のひらに500円玉大の量を取り、指先をつけてよくなじませる。その後、手のひら側と手の甲側の全体、指の間、親指、手首と小指側の側面に広げて、すり込んでいく。ただし、ノロウイルスはアルコール消毒が効きにくい。身近に感染者がいるときは、手洗いの回数を増やすなど工夫しよう。

のどの老化と肺炎

かつて日本人の死亡原因は、第1位ががん、2位が心筋梗塞などの心臓疾患、そして3位は脳卒中などの脳血管性疾患だった。しかし、2011年以降、肺炎による死亡者が脳血管性疾患を抜いて第3位になり、その後も3位を維持している。
 だが、医療が進歩した現代社会でなぜ肺炎なのか?肺炎というと、“風邪のような症状がひどくなった感じ”の病気と思われがち。正直なところ、“不治の病”という印象は薄い。
肺炎による死亡者が増えている背景には、「誤嚥性肺炎」で命を落とす高齢者が増えていることがある。誤嚥(ごえん)とは、食べたものや唾液・胃液が食道ではなく気管や肺に入ってしまうこと。高齢になり、「飲み込み力」が落ちると、食べ物が入ってきたとき、適切に気管の入り口が閉じなくなり、誤嚥を起こしやすくなる。そして、誤嚥により食べ物などが肺や気管に侵入し、それがもとで肺に炎症が発生してしまう――これが「誤嚥性肺炎」だ。
 もちろん誤嚥したからといって、全員が誤嚥性肺炎になるわけではない。若い頃なら誤嚥をしても肺炎になることはほとんどないが、高齢者は免疫力・体力が低下しているため、肺炎に発展しやすい。つまり、「飲み込み力」の有無が、肺炎になるかならないかを大きく左右する重要な要因となっている。飲み込み力が衰えないようキープすることにより健康寿命を延ばす大きな因子となる。飲み込むときのタイミングのズレによって引き起こされるのがムセや咳き込みです。ムセや咳き込みは「のどの老化」が始まったサインです。放置すれば徐々に飲み込み力が落ち、誤嚥しやすくなります。誤嚥により、食べ物が気管や肺に入るのは、生命維持に関わります。
 最近では、シニア層の健康意識が高まり、足腰を鍛えるためにウォーキングやジョギングを行う人も着実に増えています。だが、飲み込み力は、全身の筋肉とともに衰えることについてはほとんど意識されていない。体力がない人は誤嚥しやすいのです。高齢者は歩くのがスローペースになったり、しゃべるスピードが遅くなったりするもの。それと同じような老化現象が、のどでも起こっていることを理解すべきです。高齢になると、のど仏の位置がのどの力が衰えるとともに徐々に下がっていきます。これがのどの目に見える老化現象の現れです。飲み込んだものを、空気は気管へ、飲食物は食道へと仕分けする分岐点となるのが喉頭(こうとう)で、のど仏あたりのことを指します。
老化現象を防止するには、よく話し、よく笑う、全身の運動を欠かさない、バランスよく食事をする、正しい姿勢でゆっくり食べることに心がけましょう。食事の際よくムセたり咳が出る症状のある方は耳鼻咽喉科で一度相談を受けるとよいと思います。

2018-01-11 10:36:43

2017年12月

ハエの研究から体内時計の仕組み解明…今年のノーベル賞

ハエの研究から体内時計の仕組み解明…今年のノーベル賞

2017年のノーベル生理学・医学賞は米ブランダイス大学名誉教授のジェフリー・ホール氏と同大教授のマイケル・ロスバッシュ氏、ロックフェラー大学副学長のマイケル・ヤング氏の3氏に贈られました。授賞理由は「概日リズムを制御する分子メカニズムの発見」。人を含む動物、植物など多くの生物の体内の生理現象には約24時間周期で繰り返される「概日リズム」があり、一般的に体内時計と呼ばれます。3氏はショウジョウバエを使った実験で、概日リズムを制御する遺伝子やたんぱく質の働きを明らかにしました。ホール氏とロスバッシュ氏は体内時計に関わる遺伝子の機能を解明。その遺伝子によって特定のたんぱく質が夜間に増え、昼間に分解されて減るという周期的な変動を見つけた。さらに、ヤング氏はたんぱく質の増減を調節する遺伝子を特定した。
 体内時計は私たちの睡眠や覚醒(寝つきや目覚め)のタイミングを決定する非常に大事なシステムです。単細胞のバクテリアから人間を含む動物や植物まで、生物には体内時計の機能が備わっており、地球の自転による昼夜のリズムに合わせ、約24時間周期で睡眠やホルモンの分泌など様々な生理現象を調節する。体内時計の存在は古くから知られていましたが、仕組みは謎に包まれていた。このリズムを作るのが時計遺伝子というものだったのです。
 時計遺伝子には数多くの種類が確認されています。時計遺伝子の中で最初に見つかったのが、今回受賞した3人が発見したPeriod(ピリオド)というものです。Periodは現在でも最も重要な時計遺伝子の1つです。さらにマイケル・ヤングはその後Timeless(タイムレス)という別の時計遺伝子も発見しています。ピリオドはタイムレスと対になって働く。Periodの発見以降に体内時計のメカニズム研究が爆発的に進展しました。
 時計遺伝子によって体内時計が保たれる仕組みはどのようなものでしょうか。遺伝子は生物に欠かせないタンパク質を合成するための設計図です。ピリオドによって作られるたんぱく質は夜に増え、昼に分解されて減る。たんぱく質の増減の周期が体内時計のリズムを刻むのです。
 さて、体内時計は1日当たり10分程度ずれます。これを日々24時間リズムに合わせる(同調させる)ために絶対的パワーを発揮しているのは「光」です。朝ごはんを食べたからといって体内時計が朝型になって早寝早起きが楽になるわけではないのです。毎日朝食を摂るように心がければそれまでよりも早起きをしなくてはならず、体内時計を朝型にする朝日をより多く浴びるようになる。
 24時間体制で勤務する事業所も多いが、体内時計は「夜に眠気が強くなる」、「昼に目が覚める」ように常に脳と体に働きかけている。したがって夜間時間帯に効率よく仕事をしようということ自体無理である。体内時計の調整にはかなり時間がかかること。夜勤時間帯に眠気もなく活発に仕事ができるようにするには丸々12時間近くも体内時計をずらす必要がある。夜勤に体内時計を合わせるには3週間程度を要するといわれている。どうすれば安全かつ効率的に夜勤を行えるのでしょうか。まず体内時計は日勤に合わせて固定し、夜勤時の眠気には仮眠やカフェインで対処する。夜勤中の仮眠は重要で、体内時計の時刻を安定化させる効果もある。ただし眠気がとれてもパフォーマンスも向上しているとは限りません。
 一方、睡眠時無呼吸症候群の人は寝ているときに呼吸が止まってしまう病気でよく寝たつもりなのに疲れが抜けない。たびたび呼吸が止まってしまうことで脳や身体に大きな負担がかかり、寝不足状態となる。すると、体内リズムが乱れ、生活習慣病をさらに悪化させてしまいます。
体内時計は睡眠や生活習慣病に関係することがわかっています。規則正しいい生活は朝の光を浴びることから始まります。体内時計に負担をかけない生活習慣を心がけましょう。

2017-12-05 11:26:40

2017年11月

加齢とともにゆっくり進行する難聴…認知症とも関係

加齢とともにゆっくり進行する難聴…認知症とも関係

職場の健康診断で行われる聴力検査は「選別聴力検査」というもので、自覚しにくい難聴のスクリーニング(拾い上げ)を目的としている。「オージオメーター」という機器とヘッドホンを用いて、低い周波数の1kHzの音と高い周波数の4kHzの音を聞き、聞こえたタイミングで正確に応答ボタンを押すことができれば、特に問題のない「所見なし」とされる。選別聴力検査はもともと、常に騒音にさらされている職場での聴覚管理を第一の目的として、定期的な実施が義務付けられたものです。そのため、騒音性難聴の初期で聞こえにくくなるといわれる4kHzの音が設定されています。一方、加齢に伴って起こる加齢性難聴は、8kHz以上の高音域から聞こえにくくなるため、ごく初期では職場健診で見つけるのは難しい。難聴の原因には耳垢がつまる耳垢栓塞(じこうせんそく)、鼓膜炎、急性・慢性中耳炎、滲出性(しんしゅつせい)中耳炎、騒音性難聴、加齢性難聴のほか、突発性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍などが挙げられます。
 ただ、職場健診で見つかることが多いのは、医療機関を受診するような自覚症状がほとんどなく、ゆっくりと進行する難聴です。先述した騒音性難聴、加齢性難聴もこれに当たります。加齢性難聴には、主に3つの特徴があります。1つは、音は聞こえても、言葉が明瞭に聞き取れないこと。例えば、テレビの音は聞こえても、会話が聞き取りにくいため、ボリュームを大きくしていることを、家族などから指摘されるケースがあります。2つめは、高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病があると聞こえが悪化しやすい。3つめは、難聴のなりやすさには個人差があり、遺伝的な要素が関係する。
65歳以上の難聴人口は約1500万人と推計されている。難聴があると認知機能の衰えが進むことが分かってきました。難聴を引き起こすすべてのメカニズムはまだ解明されていません。しかし、難聴の危険因子として最も大きな原因と考えられているのが、騒音です。10代や20代の頃に、大きな音量で音楽などを日常的に聞いていると、60歳を過ぎてから加齢性難聴になるリスクは非常に高くなります。また、大音量に長時間さらされると40歳くらいで難聴が起こることもあります。怖いのは、聴力機能は一度壊れたら元には戻らないということです。スマートフォンの音楽を長時間イヤホンで音楽を聴く習慣のある方は要注意です。今後このような方が増加することが危惧されます。一方、補聴器を使って聴力を補えば認知機能が改善するかどうかは不明です。一方、家族のサポートで補聴器を使うことにより、コミュニケーションが取りやすくなり、認知症に伴う周辺症状が改善される場合もあります。

原因不明の体の痛み…線維筋痛症

米国の人気歌手、レディー・ガガさんが活動休止を発表し、「線維筋痛症と闘病中だ」と明かしました。線維筋痛症とは、全身の激しい痛みが特徴的な病気です。痛みは急に発症し、慢性化する。患者の痛みの訴えは「筋肉がひきつれるような」「骨が裂けるような」「全身をガラスの破片が巡っているような」などと表現され、重症な場合には、「痛みで失神してしまう」「布団が背中に当たるのが痛くて、1年も横になって眠れていない」「ものを飲み込むと喉が痛くて食事がとれない」といったケースもあるそうだ。骨格筋だけでなく、内臓なども含めて、深いレベルまで全身の筋肉がけいれんのようにひきつれるため、胃腸障害や月経困難症、排尿障害、血流不全など全身に不調をきたします。痛み以外にも、慢性的な疲労感、眠れない、しびれ、こわばり、口の渇き、頭痛、光がまぶしいなど多彩な症状が見られ、うつ病、強迫性障害など精神疾患の合併もあります。線維筋痛症の原因はまだはっきりとは解明されていないが、脳の痛みを感じるシステムに何らかの異常があるのではないかと考えられています。この疾患の発症には、最初の段階として、何らかの身体的外傷(手術、事故などの外傷、オーバーワークによる肉体的負荷など)や心的外傷(虐待やショックな体験によるトラウマなど)を負っていること。2つ目の段階が、過去の外傷からある程度経過した後に、新たな外傷やストレスが加わること。自分の体に負荷をかけ続ける行動パターンになりやすい「過剰な几帳面さ」「強迫性」「完璧性」といった気質の方が多いとされています。逆に言うとこの病気は活動性の低い人には起こりません。患者には共通して、厳しい世界で完全性を求めたり、運動などでも徹底的に鍛えるといった、完璧主義で活動性が高い一面があります。これらのことを念頭に一般的な鎮痛薬が効かない、といったことがあったら、早めに受診してください。診療科はリウマチ専門医がよいかと思います。

2017-11-08 09:40:00

2017年10月

良質な睡眠をとるために

良質な睡眠をとるために

 涼しくなり夜は寝やすい季節となりました。特にCPAP治療を受けている方はマスクがしやすくなり、継続するにはよい季節です。睡眠時無呼吸の方だけでなく、睡眠不足や質の低下は、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めます。脂肪が燃焼しやすい、肥満や生活習慣病になりにくい体をつくるには、しっかり睡眠を取ることが必要です。大人の睡眠の場合には、寝はじめの3時間が最も深い睡眠になり、その期間に成長ホルモンが集中して分泌されるので、この時間帯は途中で目覚めることなく、深い眠りに入っていることが重要になります。
そのためには
① 寝る直前の「糖質」摂取は控える
ご飯やラーメン、パンやうどんといった糖質を多く含む食べ物を摂取すると血糖値が急上昇して、上がった血糖値を抑えようと大量のインスリンが分泌されます。インスリンが血中に多くあると、成長ホルモンの分泌が抑えられ、深く眠れないだけでなく体脂肪を蓄えやすい体をつくってしまいます。肉や魚、卵といった動物性たんぱく質に加え、豆類などの植物性たんぱく質は疲労の回復にも役立つ成長ホルモンをつくる材料となり、脂肪の分解を促すことにつながります。
② 夕方以降はカフェインの摂取を控える
覚醒作用のあるカフェインは、交感神経を刺激して気分を高揚させたり、集中力を高めたりする働きがあります。カフェインは摂取してから4~6時間は作用が持続するため、夕方以降に飲むと、夜の眠りに影響を及ぼします。
③ 寝酒を睡眠薬代わりに使わない
アルコールには睡眠導入作用があるため、お酒を飲むと眠くなります。しかし、体内に入ったアルコールは代謝の過程でアセトアルデヒドを生成します。このアセトアルデヒドは覚醒物質なので、睡眠途中で目が覚めたり、眠りが浅くなります。眠りの質を高めるなら寝酒をしないのが鉄則です。

入浴後に就寝する際、体の表面から熱が放射され、体の中心の温度である『深部体温』が下がります。人間の体は深部体温が下がるタイミングで眠くなるので、スムーズに深い眠りにつくことができます。入浴のタイミングは、就寝の1時間前。湯船の温度は、通年で38~40度とややぬるめに設定するのが良いです。熱すぎると、かえって体に負担をかける原因にもなります。
このほか、寝る直前まで、スマホやパソコンのディスプレーを見るのも熟眠を妨げる行為なので、習慣になっている人はやめましょう。スマホやパソコンのディスプレーから発せられるブルーライトの刺激を受けると、目の網膜を通じ、脳が「朝」と認識し、交感神経が刺激されて覚醒してしまうためです。

自律神経の乱れや睡眠不足と関係がある耳の病気

自律神経の乱れや睡眠不足と関係がある耳の病気

 ある日突然、回転性のめまい、激しい嘔吐などとともに、難聴や耳鳴り、耳詰まり感が起きる。この発作は数時間続く。内耳で内リンパ水腫が起きることが原因だが、詳しい機序は不明。治療を受けずにいると、再発を繰り返し、そのたびに症状が増悪し、聴力が低下します。
  耳の構造は複雑で機能も繊細なため、突発性難聴、低音部型難聴、メニエール病のいずれも詳しい発生機序は分かっていない。しかし、背景に寝不足、疲れ、ストレスがあるのは間違いない。これらが脳の自律神経の働きに影響を与え、発症に関わっていることが研究で明らかになってきました。難聴は耳の病気だが、もとをたどれば脳のトラブルといえます。疲れやストレスを感じると、自律神経は戦闘モードの交感神経が優位に。常にストレスを感じているとリラックスモードの副交感神経への切り替えがうまくいかず、交感神経の緊張が続いてしまう。それによって脳全体も興奮し、心臓の動悸が激しくなるなど臓器にも負荷をかけることになります。
  本来ならこれは異常な事態。しかし、ストレスが日常化している人にとってはこの異常が当たり前として恒常性を保とうとする。突発性難聴、低音部型難聴、メニエール病も、この無理によって引き起こされる。病気の改善には、適切な治療を受ける一方、心と体をリラックスに導くようにストレスを調節するなど、生活習慣の改善が重要です。
  最近、気圧の変化を察知する『気圧センサー』が内耳に存在することが分かった。それが自律神経、特に交感神経に影響を及ぼすことで痛み、めまいなどの症状が表れる。日ごろストレスで不眠になるなど自律神経が乱れやすい人は、気象病になりやすい。雨の前や台風が近づくとめまいがひどくなったり、耳鳴が起こりやすくなります。めまいの治療は起こった背景も考慮して治療する必要があります。

2017-10-05 10:38:16

2017年9月

基本的に時間がないときの眠気・疲れ対策・・・パワーナップ

基本的に時間がないときの眠気・疲れ対策・・・パワーナップ

 時間がないが疲れてたまらない時の休息法としてパワーナップは短時間で睡眠をとるのに非常に優れた方法です。短い休息であっても仕事の作業効率を少しは回復させることができます。パワーナップによって蓄積された疲労を回復させておくことで、時間が限られている状況下でも効率的に体力を回復させましょう。
 時間が足りないビジネスマンや学生の方は、時間がなくても疲労で落ちた作業効率を上げる効果的な方法と思います。仕事中でも15分から30分程度の時間なら何とか作れますし、同じ非効率でもパワーナップを行うか行わないかでは雲泥の差があるのです。仕事や勉強中に、疲労で脳のパフォーマンスが落ちて効率が悪くなったらパワーナップを行いましょう。パワーナップをするときは、ただ目を閉じてぼーっとするだけで構いません。眠れても眠れなくても大丈夫です。
ただし初めてから必ず30分以内に切り上げる!
 これだけ守っておけばかなり違ったことになるはずですが、眠り過ぎだけは本当に注意が必要です。寝過ごしてしまわないようにめざましか何かを用意して、できれば始める直前にカフェインを含んだものを摂取しましょう。このように事前にコーヒーや紅茶などを飲んでから行うパワーナップをカフェインナップと呼ぶらしいです。カフェインは目を覚ます作用があり、口に入れてから30分後くらいに効き始めるので、カフェインナップするとより楽に目を覚まして活動を再開することが出来ます。
 夕方以降のうたた寝を防ぐにも、“パワーナップ”と呼ばれる昼寝法が効果的。昼間にいったん疲労を解消することで、眠気のピークを就寝時間のタイミングに合わせていく。環境が許すならランチ後の眠気は我慢せず、積極的に実践してください。
 パワーナップと昼寝の違い・・・それは深い眠りに入るか入らないかです。
パワーナップは睡眠の効率が良いため、「深い眠りにあえて入らない」ことがポイントなのです。浅い睡眠状態で休息を取ることで効率的に疲労や睡眠を取ることができるからです。
 ではパワーナップを行うときにはどのようにすればよいのでしょうか? そのために大切なのは、何よりも深く眠りすぎないようにすることです。深く眠りすぎるとそれはただの仮眠になってしまい、場合によっては余計に疲労を感じてしまう逆効果なども生まれます。
そういった困った事態を防ぐためには、簡単なパワーナップを行う上でのルールを守るだけで良いのです。

パワーナップのポイント
● 時間を25分以上にしない
● 眠りが深くなり過ぎないよう横にならない(座って寝る)
● 自分を過信しない、ちゃんとアラームをセットする
● 正午から15時までの間に
睡眠を効率よくとるとうつ病などの心の病気もよくなります。

がん治療の民間療法とは

がん治療の民間療法とは

 小林麻央さんは、がんの標準治療を行わず、民間療法を受けられていたということが、6月29日に発売された週刊新潮に載せられました。手術や抗がん剤治療、放射線治療、ホルモン療法などを組み合わせて行う、いわば「がんの標準治療」をがんが見つかった段階ですぐに行わなかったそうだ。
 その理由については、謎ではあるが、噂では麻央さんは女性として乳房は残しておきたいという希望があったからなのではないかといわれています。また、週刊新潮では、麻央さんは民間療法である「気功療法」を受けられていたのではないかと言及していたが、それは夫である市川海老蔵さん経由で取り入れられたのではないかと言われている。他にも「水素水」や「温熱免疫療法」などの民間療法を受けていたという話もありますが、まったく根拠のない治療です。もちろん、標準医療を受けたからといって治らない人もいます。
 手術や、抗がん剤の副作用などを考えると、“副作用のない治療”を選びたくなるのは当然の心理。特に、女性にとって乳房を切るということに抵抗がないという人はいないはず。
ただ、がん細胞が発見されてからも「民間療法」を選択し続けていたのはなぜでしょう。セカンドオピニオン、サードオピニオンを早めにしておく重要性を感じた人は多いはずです。
 乳がんは、がんのなかでは比較的タチのよい部類に入ります。「全国がんセンター協議会」の集計データによると、乳がんの5年生存率は全体で92.9%です。ステージ2の患者だけでは95.2%、かなり進行したステージ3では79.5%です。膵臓(すいぞう)がんではステージ1でも40.5%ですから、乳がんがいかに治りやすいタイプであるかが分かります。
 標準治療とは簡単にいえば、現時点での「最善・最良の治療」のことです。標準治療は、がんのタイプや進行度をもとに、手術、放射線治療、薬物療法を適切に組み合わせて治療していくものです。がんの専門医が使う診療ガイドラインにも標準治療が優先して記載されています。
 乳がんでは、部分切除と放射線治療を組み合わせた「乳房温存療法」が標準治療の代表ですし、全摘が必要な場合でも再建手術を保険で受けることもできます。
 がんの治療は後悔のないよう、標準治療を選択することが基本です。

2017-09-06 11:13:00

2017年8月

マインドフルネス瞑想で「心の筋肉」を鍛える

マインドフルネス瞑想で「心の筋肉」を鍛える

最近耳にすることが多くなった「マインドフルネス」。
一体何のことかと思っている方も少なくないだろうが、簡単に言うと、マインドフルネスとは、瞑想の手法をベースにして「集中力」を高めたり、自分の気持ちをコントロールできるようにする、いわば“心の筋トレ” のこと。これを実践することで、集中力が高まり、ここぞというときにベストパフォーマンスを発揮できるようになったり、仕事を効率良く進められるようになる。さらにはストレスを除くのにマインドフルネスが注目されていて、先月の院内新聞に記載した長寿遺伝子のテロメアが伸びたという研究成果があります。
新しいアイデアの創造、ダイエット効果もあるといわれる。あのスティーブ・ジョブズが瞑想を実践していたことは有名な話です。さらにマインドフルネスは、ビジネス界だけでなくスポーツ界も導入。欧米のオリンピックチームで取り入れているところもある。
今世紀に入って、不安やストレスの軽減効果が科学的に実証されたことからさらに注目を浴びるようになりました。2013年には多くの被験者データを対象に分析がなされ、マインドフルネスは心理的な問題、特に不安、うつ、ストレスの減少に効果があるという研究が報告されています。

では具体的にはどのようなことをするのでしょうか。
日本マインドフルネス学会によると、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、 評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義されています。
簡単にいえば “今を大切にする” ということです。私たち人間は、過去の嫌な出来事を思い出して病気になったり、まだ分からない未来のことを思い煩っては病気になったりするもの。ストレスをわざわざ自分でためてしまうわけです。幸せに生きるには、そうした過去や未来のしがらみから離れることが大切です。私たちは、たとえば仕事上の問題で悩ましい時期が続いていても、好きな趣味に没頭している間は、そんな悩みも忘れてしまう。それと同じように、私たちの注意を今の時点に集中させることができれば、過去の失敗も未来への不安も浮かんでこなくなります。 今、成果を出すべきことがあったときに、余計なことを考えず、今ここにうまく注意を戻すことができたなら、そんな素晴らしいことはない。そして、それを実現に近づけてくれる手法がマインドフルネスなのです。
マインドフルネスを実践する方法はいろいろありますが、そのなかでも実践しやすいのが「呼吸瞑想」です。時間があるときに1日5~10分行うだけでもよいのです。呼吸瞑想は、「自分の呼吸に意識的に注意を集中する」瞑想の方法です。

【呼吸瞑想の方法】
① 背筋を伸ばしてイスに座る。
  足を肩幅に開き、肩の力を抜く。
② 視線を斜め前に落とす、または目を閉じる。
③ 自然に呼吸し、注意を呼吸に向ける。
  いわゆる呼吸法をする必要はなく自然に呼吸し、息を吸ったときに、お腹の皮が上がって、
  皮膚が少し引っ張られる感覚を感じる。吐いたときにそれが緩む感覚を感じる。
  (そこにある感覚を味わう感じ)。
④ 注意がそれたことに気づいたら、何に注意がそれたのかをそっと心にメモして、
  注意をまた呼吸に戻す。
(※ ①~④を最初のうちは5~10分ほど繰り返す)

呼吸に意識を集中しているつもりなのに、やがて仕事や家族のことなど、さまざまな雑念が湧いてくるだろう。そのたびに、呼吸に意識を戻すのです。
マインドフルネス瞑想を1回やったからといって、すぐに結果が出ません。筋トレと同じく継続が大切です。マインドフルネス瞑想は1回に45分間ほど続けるのが理想的だが、まずは時間のあるときに5分でも10分でも行ってみてください。大きなストレスに身を置いている人ほど、効果を感じるそうです。
最近では、マインドフルネスを体験できる各種イベントが各地で開催されているほか、マインドフルネス瞑想をサポートするスマートフォンのアプリもあります。興味がある人はそういったものを活用してみてください。

2017-08-04 10:07:14

2017年7月

「命の回数券」テロメアを守れ 運動や睡眠が重要

運動や睡眠が重要

人間の細胞の中にある染色体(DNA)。健康長寿の鍵とされるのは、その端にある「テロメア」と呼ばれる部分です。正体は、塩基という化学物質。染色体を保護する役割を担っています。しかし、細胞が分裂するたびに少しずつ数が減り、テロメアは短くなっていきます。どんどん減って最終的には細胞がこれ以上分裂できなくなる「細胞老化」と呼ばれる状態に陥ります。細胞分裂を繰り返すたびに短くなっていくのです。これが老化と深い関わりを持つと考えられてきました。 テロメアが減ると新たな細胞ができなくなるため、命の回数券とも呼ばれています。テロメアの状態が、がんや動脈硬化といった様々な病気に関係しており、生活習慣を見直すことでテロメアの状態を良好に保てることも分かってきました。健康で長生きするためテロメアとどうつきあえばいいのでしょうか。

一方、生物はテロメアを再生する働きも備えています。テロメラーゼという酵素です。皮膚や血管、血液など細胞の種類によって条件は異なるが、細胞分裂による「引き算」とテロメラーゼの働きによる「足し算」でテロメアの長さが決まります。例えば皮膚がんや肺がんの場合。日光を浴び過ぎたり、たばこを吸い過ぎたりすると、紫外線や有害物質の作用で細胞が傷つきます。細胞は新しくなるため活発に分裂するようになり、これに伴ってテロメアが短くなります。テロメラーゼの働きが追いつかないと、細胞の中では染色体がテロメアを失って不安定になり、他の染色体とつながってしまったりします。こうしてがんのリスクが高まります。アルコール性肝炎から肝硬変、肝臓がんへと進行するときもこうしたことが起こります。

テロメア研究の業績で2009年にノーベル生理学・医学賞を受賞したエリザベス・ブラックバーン博士らが、生活習慣とテロメアの関係についての研究成果をまとめました。それによると、「心理ストレスにさらされていないか」「睡眠を十分にとっているか」「適度な運動をしているか」「健全な食事をとっているか」といったこととテロメアの状態の関係が深いということです。睡眠に関しては、毎日5~6時間しか眠っていない高齢者のテロメアは短い傾向がありますが、7時間以上睡眠をとっている高齢者の場合は、中年の人と同じかそれ以上の長さでした。運動については、過去10年間、運動習慣のある人は、そうでない人と比べてテロメアが長い傾向にありました。喫煙もテロメアを短くします。特に強調しているのが、ストレスとの関係。ストレスを除くのにマインドフルネスと呼ばれる瞑想(めいそう)が注目されていて、テロメアが伸びたという研究成果もあります。適度な運動や適切な食生活、良質な睡眠、ストレスをためないことなどはいずれも健康・長寿の秘訣とされてきました。テロメアに注目することで生活習慣と健康状態や病気との関係をより科学的に証明したのです。テロメアの長さで寿命が完全に決まるわけではありません。例えばテロメアが短いけれども、長生きの人っていうのが分かっています。健康を決める要因というのは、他にもたくさんあり、テロメアというのは、その指標の1つでしかありません。テロメアを伸ばす酵素「テロメラーゼ」の分泌を体内で促すというサプリメントが売られています。しかし、こうしたサプリは長期使用性成績がありません。テロメラーゼが過剰になると害もあるのです。テロメラーゼは心臓病や認知症などの病気のリスクを低下させるのですが、残念ながら(過剰になると)逆に、特定のがんのリスクを高めてしまうのです。テロメラーゼがあり過ぎると、いろんな形の悪い染色体がたくさん出来ることが分かっていてこれも問題なのです。

2017-07-01 20:33:00

2017年6月

5月31日は世界禁煙デー

5月31日は世界禁煙デー

 5月31日は世界禁煙デーです。世界保健機関(WHO)がたばこの害を訴えるのが目的。WHOは30日、喫煙による死者は世界で年間700万人以上に達し、その8割以上が低・中所得国に集中していると発表した。喫煙は健康被害などをもたらし、貧困を生む原因になっていると警告しています。健康被害に伴う医療費などで1兆4千億ドル(約155兆円)の経済損失を与えていると指摘。たばこの課税強化と値上げが有効としています。吸い殻には発がん性物質を含む7千以上の有毒化学物質が含まれますが、1日に販売される150億本のうち100億本以上がそのまま廃棄されている。また、WHOは喫煙関連の医療費は1人当たり約56ドルで、家計や各国の財政に大きな負担になっていると報告しています。世界保健機関(WHO)のアサモア・バー事務局次長は厚生労働省を訪れ、2020年の東京五輪・パラリンピックを契機に飲食店を含む公共の建物内での完全禁煙を実施するよう厚労相に要請しました。
 厚労省が3月に公表した受動喫煙防止に向けた規制強化案では、飲食店は原則禁煙としながらも喫煙室の設置を認め、小規模店は規制の対象外にするとしている。日本は現在、受動喫煙対策の評価で最下位のグループと言われ、厚労省案でも不十分と指摘されています。喫煙室を設けても煙が漏れるなどして受動喫煙の被害は完全に防げず、抜本的な規制強化が必要です。
 たばこを吸っている方はニコチン依存症=病気です。保険で若い方にも禁煙治療が受けられるようになりました。今は喫煙される方は本当に煙たがられているのです。ぜひ禁煙しましょう。

肝機能に異常がある人にウコンはよくない?

肝機能に異常がある人にウコンはよくない?

 ウコンといえば、肝臓に良い漢方と思っていませんか。飲み会前にウコンのサプリを飲んでいる人は多いかもしれません。だが、このウコン、脂肪肝の人などは悪影響が出る可能性があるという。日本肝臓学会が10年ほど前に、民間薬や健康食品など“病院でもらった薬ではない”ものによる薬物性肝障害の調査を実施しました。薬物性肝障害とは、文字通りクスリなどを摂取したことにより肝臓がダメージを受けることです。この調査の結果では、多種多様な原因があったのですが、原因の中で一番多かったのがウコンだったのです。ウコンによる薬物性肝障害は全体の4分の1と最も高い結果となりました。肝機能を高めると信じて飲んだはずのウコンが薬物性肝障害の原因の一つになっていたのです。ウコンのサプリには比較的多量の鉄を含むものがあります。しかし、鉄の含有量が記載されていないものがあるのです。鉄は一部の肝臓に悪影響を及ぼすことがわかっています。その代表が、C型肝炎や脂肪肝です。貧血予防に効果があることで知られる鉄ですが、摂取過多で肝臓に蓄積すると、フリーラジカル(活性酸素)を発生させ、肝細胞を傷つけ、炎症を悪化させます。線維化が進んで肝臓が硬くなれば、肝硬変や肝がんになる可能性も高まります。このため、脂肪肝の人にはウコンは制限した方がいい。同じく鉄を含むシジミなども同様です。鉄分は多く摂取した方がいいと思っている方が多いと思いますが、それは女性の話です。月経のある女性は鉄分を補給する必要がありますが、男性は鉄不足なることはまずありません。中でも日常的にアルコールを常飲する習慣のある方や脂肪肝の方は鉄過剰の傾向があるので注意が必要です。肝機能障害がない健康な人が、市販のドリンク剤をたまに飲む程度であれば、心配する必要はないようです。

軽度のいびきに口閉じテープ

軽度のいびきに口閉じテープ

 いびきがひどい方に多い息が止まる閉塞型睡眠時無呼吸症候群ですが、この患者さんに極めて有効な治療法がCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)です。これは鼻マスクを利用して空気を送り込み、圧力をかけ、気道を閉じないようにする治療です。このとき口呼吸すると鼻に送られた空気が口から漏れてしまい治療できません。このようなときに口にテープを貼って漏れないようにすることがあります。今までは怪我などでガーゼを固定するためのロールになったテープを切って使用していましたが専用テープが発売されています。口閉じ専用テープ「ネルネル」や「ナイトミン」があります。しっかりと固定されるようですのでついつい口呼吸する方は使ってみてはいかがでしょう。鼻閉がある方は使えませんのでご注意を。軽いいびきの方なら有効かも知れません。ただ、専用テープはやや高いのが欠点です。

2017-06-06 11:27:57

2017年5月

良質な睡眠のための自律神経を整えましょう

良質な睡眠のための自律神経を整えましょう

 自律神経とは、心臓や腸、血管などの体の機能を、自分の意思とは無関係にコントロールしている神経系。交感神経と副交感神経から成ります。これらは1日のうちでも変動があり、健康な体では、朝から日中にかけて交感神経が活発にはたらき、アクティブで活動的な状態になる。副交感神経は夕方から夜にかけて活発にはたらき、リラックスしている状態に切り替わる。車に例えれば、交感神経がアクセルで、副交感神経がブレーキの役割に近い。自律神経は特に血管系に作用して血流をコントロールしており、いわばカラダのライフラインのような存在です。60兆個といわれるの体全体の細胞一つひとつに、いかに血流を行き渡らせるかが健康のカギを握ります。どんなに立派な骨や筋肉を持っていても、自律神経がはたらかなければ健康は保てません。血管は交感神経が優位にはたらくと収縮して、副交感神経がはたらくと拡張する。イライラしてどなったりすれば、交感神経が上がって血管が収縮し、血圧も心拍数も上がる。交感神経が過度に緊張していると、頭が痛くなったり倒れたりすることもある。
 ストレスがかかると交感神経が優位になって、血管が細くなり、血流が減少して、さまざまな不調につながります。本来なら交感神経と副交感神経がバランスよくそれぞれ高いレベルではたらくのが理想ですが、現代の日本人は9割方、“交感神経過緊張型”です。
 ストレスは自律神経だけでなく、内分泌系や免疫系などいろいろなところに障害をもたらす。ストレスがかかっても、ある程度は恒常性を維持しようとする機能がはたらくのだが、耐えきれずに破綻をきたすとさまざまな病気の発症につながります。自律神経のはたらきは、気候や気圧などの環境条件、時間や数字に追われる緊張感、怒りや嫉妬などの感情によっても変動し、日々、知らない間にそのバランスが乱されている。また、自律神経は加齢と共に乱れやすくなる。男性は30代、女性は40代から副交感神経のはたらきが急降下することがデータでも明らかになっています。
 睡眠も自律神経との関連が深い。現代のストレス社会では、日中の過剰なストレスで夜になっても副交感神経が高まらず、交感神経が優位なまま寝ている人が多いのです。このような人は血流が悪い状態で寝ているため、疲れがとれず蓄積されてしまいます。現代人の睡眠時間は年々減少傾向にあるなかで、加齢やストレスといったさまざまな要因により、交感神経優位になりがちで、逆にリラックス状態になりにくい状況を引き起こしています。副交感神経を上げることで交感神経とのバランスをとることが大切です。自律神経を安定させると血流も改善し、質の良い睡眠がとれます。「体が疲れている」と感じることは、その疲れの正体は、実は「脳の疲れ」だという。仕事や運動などで疲労を感じるのは、自律神経の中枢と呼ばれる部分で、生体アラームとして疲労が体に現れる。どのようにケアすれば効率よく脳の疲れが取れるのか。デスクワークをすると目が疲れたり、肩が凝る。ジョギングやサイクリングをすれば足や腰の筋肉が痛くなる。実はどちらも「脳が、“これ以上仕事や運動などの作業を続けると体に害が及ぶ”という警報(生体アラーム)として疲労を感じていると言われています。疲労とは、医学的には“痛み”や“発熱”と並ぶ生体アラームの一つなのです。

質の良い睡眠をとるには?
寝る前にしっかりと副交感神経を優位にすることが大切です。
1.少なくとも睡眠30分前くらいからは、脳を興奮させやすいパソコンやテレビは控えるようにしましょう。
2.しっかりお風呂に入ること
シャワーだけでは副交感神経亢進に必要な血流が十分に促進されません。
3.腹式呼吸
まずおへその下約十センチのところにある「丹田」に意識を集中させ、鼻から息を五秒くらいかけて吸い込み、口から十秒くらいかけてゆっくり息を吐き出します。
4.ストレッチ
最も手軽に血流を促進でき、かつ筋肉の柔軟性が増すことにより、普段から血流の良い状態を作ることが出来るのでオススメです。
ほんの少し意識することで、自律神経のバランスを整えることはできます。

2017-05-10 11:36:56

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