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2018年

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2018年6月

肺炎は3番目に多い死因・・・誤嚥性肺炎を予防しましょう

近年、人口の高齢化に伴い肺炎による死亡者数が増加し続けている。
わが国における肺炎死亡者の多くは65歳以上の高齢者であり、2011年には脳血管疾患を上回り、肺炎は日本人の死因の第3位となった。
高齢肺炎のほとんどは加齢に伴う嚥下機能低下を背景とした誤嚥性肺炎である。
加齢、身体機能低下に伴う身体活動低下、嚥下機能低下に伴う栄養摂取量低下の結果、全身や嚥下関連筋群のサルコペニアが進行し、サルコペニアによる嚥下障害へと移行する。
肺炎の典型的症状は発熱、咳、痰などであるが、これらの症状がなく、なんとなく元気がない、食欲がない、のどがゴロゴロとなる、などの非特異的な症状のみがみられることが多いのが誤嚥性肺炎の特徴でもある。
誤嚥性肺炎は嚥下障害者に生じる肺炎であり、その診断には肺炎の確認(画像診断や炎症反応、肺炎症状の確認)と嚥下障害・誤嚥の確認が必要である。
しかし、誤嚥のリスクである嚥下障害を認めても、肺炎が誤嚥によって生じていることを直接確認することは困難な場合が多い。

誤嚥性肺炎予防に欠かせない3つの柱・・・ADL維持(活動量確保)と栄養管理、口腔ケア

誤嚥性肺炎は、誤嚥したことだけで発症する疾病ではない。
発症には、誤嚥に伴って呼吸器に侵入した微生物の病原性や量、侵入の深さという侵襲性のほかに、個体の抵抗力が関与する。抵抗力には、誤嚥物の喀出力(咳嗽反射、気道粘膜機能)と免疫力がある。そのため、抵抗力を維持・向上するために栄養状態を良好に保つ努力が必要である。近年考えられている低栄養高齢者に対する栄養管理の基本は、筋肉の量・機能に目を向けることである。

誤嚥性肺炎を発症する高齢者の多くは、筋量減少と筋機能低下です。ADL(日常生活動作)支援や活動量確保と栄養量確保が必要です。誤嚥性肺炎を発症する高齢者の多くに、ADL低下と低栄養を認めるからです。在宅高齢者の介護サービス利用は、ADLを維持するという面から誤嚥性肺炎予防のひとつになります。また、積極的な栄養量確保、栄養指導も同様です。ADL維持や活動量確保という取り組みの第一歩は日中起床である。起床とは、上体を起こし、頭部の重量を首で支えて、嚥下筋筋力低下を防ぐとともに呼吸機能の維持にも重要です。

口腔ケアによって肺炎発症率を下げることができることも実証されています。口腔ケアは誤嚥性肺炎の元となる微生物の量を減らすほか、食べる機能を維持する、という意味も含んでいます。

嚥下機能の評価は耳鼻咽喉科で行っています。
むせることが多いとか度々肺炎になるような方は耳鼻咽喉科で咽喉頭の機能評価をすることをお勧めいたします。

2018-06-05 09:48:11

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2018年5月

脱水症に注意する季節

気象庁によると、2018年4~6月の気温は平年に比べ高くなる見込みです。
今年は春のうちから脱水対策が必要です。季節の変わり目は自律神経のバランスが崩れ、暑さに順応しにくい。今年のような急激な暑さは脱水を招きやすくなります。
脱水とは、体の中の水分と塩分などの電解質が不足した状態。体重の1~2%相当が減るとのどの渇きや尿量の減少がみられ、体重の3~9%分が減ると、全身の倦怠(けんたい)感や頭痛、めまい、血圧の低下などが起こります。脱水が怖いのは、血液の流れる量が減り、心筋梗塞や脳梗塞の原因になることです。特に注意が必要なのが高齢者。加齢により体液の貯蔵庫でもある筋肉量が減り、体に水分を蓄えにくくなる。腎臓の機能も落ち、体内に水分や電解質を留める力も低下します。高齢者は食べる量が減り、のどの乾きを感じにくくなるのに加え、頻尿や失禁を恐れて水分や電解質を十分に摂取しない傾向がある。
一方、乳幼児は大人に比べると多くの水分が必要だが、体重に比べて体表面が大きく、気づかぬうちに水分を失っています。発汗や腎臓の機能が十分に発達しておらず、脱水を起こしやすい。自分ではのどの渇きを訴えられない乳児の場合、機嫌が悪いといったサインを見逃さないことが大切です。 
脱水の最大の予防策は、こまめに水分と塩分をとること。発汗以外に呼気や皮膚から水分が出る不感蒸泄(せつ)は、成人で1日約500~900ml に上る。脱水というと暑い中での作業時に起きる症状というイメージがあるが、エアコンの効いた屋内でも起こります。特に高齢者は、喉が渇かなくても水分補給が必要です。水分補給のタイミングは、就寝や入浴、運動の前後と運動中、外出前や飲酒後です。
 効果的に水分と塩分を吸収するには、経口補水液(大塚製薬OS-1などでいわゆるスポーツドリンクとは違います!)が適しています。適度な塩分とその吸収を促す糖分がバランスよく含まれているからです。いわゆるスポーツドリンクは経口補水液に比べ、塩分が少なく糖分が多く、飲み過ぎないように。食事をしっかりとることも脱水予防につながる。通常、成人が1日に摂取する水分は約2.5リットルで、うち1リットルは食事から取っている。十分な水分を蓄えられる体にするため、適度な運動で筋肉をつけることも大切です。

正しい歩き方で健康寿命を延ばしましょう…股関節の役割

 股関節とは、太ももの付け根にある関節で、上半身と下半身をつなぐ、体の中で最も大きな関節だ。胴体と両脚をつなぐジョイント部分となっている股関節。立ち上がったり座ったりするときの動作の要となり、上体をまっすぐ立てるときの支点にもなっている。この股関節には我々の想像以上の負荷がかかっている。通常の歩行時には、体重の3~4.5倍、ジョギング時には体重の4~5倍、階段の上り下りには体重の6.2~8.7倍という負荷がかかります。ひざや腰の関節にかかる負荷よりも大きく、股関節はそれだけ、ダメージを受けやすい。
女性は妊娠中に大幅に体重が増加しやすく、さらに高齢出産の場合は加齢により股関節の軟骨を傷めるリスクが増える。子どもを抱きかかえる子育てによっても股関節には相当の負荷がかかる。このような理由から、女性は男性よりも変形性股関節症を発症しやすく、当院の患者の男女比率は『女性7:男性1』となっており、圧倒的に女性に多く発症します。股関節に負荷をかける最も大きな要因の一つは、肥満です。体重が重くなるほど股関節にかかる負荷が大きくなり、股関節を傷めやすい。運送業など、日常的に重いものを持ったり運んだりする仕事をしている人も、肥満と同じく股関節に負荷が蓄積されやすい。激しいスポーツもリスクを高める。
大事なのが、日々の歩き方だ。知らず知らずのうちに股関節に負担をかけるような歩き方をしてしまっている場合がある。正しい歩き方とは踵(かかと)から着地して歩くこと。この歩き方によって、足首やひざ関節が連動しながら着地の衝撃をうまく吸収し、股関節にかかる負荷や衝撃を最小限に減らすことができる。正しく股関節を支えるためには、股関節周囲の筋肉を鍛えることが重要です。
また、姿勢よく正しく歩行するためには体幹、上肢の筋力も重要になります。スクワット、腹筋運動、腕立て伏せの3つの筋トレは、誰でもなじみのある基本的なものです。スクワットは、下半身の筋肉を鍛えることによって股関節を安定化させ、足運びを軽くする。腹筋運動は体幹を鍛えることにつながる。腕立て伏せをすると、胸をしっかり広げて姿勢を正すのがスムーズになる。日々運動をして股関節を傷めないようにし、健康寿命を延ばしてください。

2018-05-11 11:01:20

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2018年4月

難聴リスク、若者の耳に迫る 大音量ライブやイヤホン

耳鳴りや、音を大きく感じたら早く耳鼻科受診を
突然大きな音を聞いたり、長く大きな音に暴露されていると起こる音による外傷
いわゆる音響外傷です。耳鳴りや、音を大きく感じる聴覚過敏といった症状が出ます。
 今までは騒音下の環境で働く労働者に多く見られましたが、最近若い世代で難聴になる人が増加しています。かつてより、音楽ライブに積極的に足を運ぶ人が増え、イヤホンで必要以上の音量で音楽を聴くケースが目立つようになったからです。

音楽プレーヤー「1時間以内」を  世界保健機関(WHO)の資料

1日当たりの許容時間
100dB ドライヤー 15分
95dB バイク 47分
85dB 自転車 8時間
80dB 目覚まし時計 25時間

11億人の若者が将来、難聴になる危険がある――。WHOは15年、世界の中所得国以上で暮らす12~35歳のうち、およそ11億人が難聴になる危険があると発表しました。ライブや携帯音楽プレーヤーの増加、クラブなどの施設で大音量で音楽に接する機会が増えていることが理由です。ぴあ総研によると、音楽ライブは2015年、5万6042回で、5年前と比べ約7千回増。ライブへ行く人も4486万人と2千万人近く増えた。日ごろは、ツイッターなど対面しない形の交流サイト(SNS)に慣れ親しんでいる分、時には、同じ場所に集まって顔を合わせるライブなどが新鮮な交流手段として受けているようです。WHOは同年齢の半分近くが、携帯音楽プレーヤーやスマートフォンで日ごろから大音量で音楽を聞いていると指摘。ライブなどのイベントで耳の健康を害するほどの音量にさらされている若者も4割いるという。対策としてWHOは、音楽プレーヤーの使用を1日1時間以内にすることや、騒音が激しいところでは耳栓を使うことなどをすすめる。また、ドライヤーやバイク、自動車などの騒音を例に、1日に聞いてもいい許容基準を示し、注意を促しています。音響外傷は体調も影響するという。疲労や寝不足、アルコールをとった状態では耳へのダメージが大きい。体調を整えるのも予防策のひとつです。電車でイヤホンを使う際は、車内アナウンスが聞こえないほど音量を大きくするのは危険です。周りの音が大きくなれば音量も上げる。これを繰り返すと、音量の大きさに気付くことすらできないので注意必要です。

補聴器、使用率低迷の日本

 補聴器の品ぞろえが増えたことで、需要はじわりと伸びている。日本補聴器工業会によれば、補聴器の国内出荷台数は増加しているそうです。とはいえ、難聴者に対する補聴器の使用率で見ると、英国42%、ドイツ35%、米国30%に対し、日本は14%と低い。日本では補聴器を購入する際の補助金が少ないほか、販売員の公的資格が確立されていないことが関係しています。欧米では補聴器販売業者に公的資格制度があり、医師による診断を経て「オージオロジスト」などと呼ばれる有資格者が聴力検査や耳型採取などを手掛ける。日本では購入に医師の診断は必要なく、認定補聴器技能者と呼ばれる民間資格の保有者の配置も義務づけられていない。インターネットで購入したり、店頭で薦められるままに買ってしまい、「合わなかった」といって使わなくなることがよくあります。
 補聴器が普及するうえで課題となっているのが価格の高さです。日本での補聴器の普及価格帯は片耳あたり15万~20万円。高級品だと両耳で100万円かかる製品もある。日本では補聴器は保険適用にはならず、高度の難聴と診断された身体障害の認定を受けた人だけが支給されます。英国では国が指定する製品であれば、難聴の程度にかかわらず国から無償で提供を受けられる。今後は一律の基準で税控除が受けられるようにするなど、補助制度自体の改善も求められます。

2018-04-05 09:32:00

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2018年3月

受動喫煙・・・加熱式たばこも注意

喫煙は発がん原因のトップで史上最大の人災です。国立がん研究センターが家庭や職場などでの受動喫煙がある人は、肺がんにかかるリスクが約1.3倍に高まると発表しました。同センターは、これまで受動喫煙による肺がんのリスク評価を「ほぼ確実」としてきましたが、今回の研究結果を受けて「確実」に引き上げました。「日本人のためのがん予防法」でも「他人のたばこの煙をできるだけ避ける」から「できるだけ」の表現を削り「煙を避ける」と修正しました。能動喫煙と肺がんの関連は、多くの研究によりリスク要因であることが明らかで、日本では肺がんによる死亡者のうち、男性で70%、女性で20%は喫煙が原因と考えられています。肺がん以外の多くのがんとの関連もはっきりしており、がん死亡者全体のうち、男性で40%、女性で5%は喫煙が原因と考えられています。しかし、受動喫煙については、能動喫煙より発がん作用が小さいため、これまで個々の調査では、対象者数が限られるなどの理由から確実なリスクとは断定できませんでした。今回、受動喫煙が肺がんのリスクを高めることが確実となりました。労働安全衛生法が改正され、昨年6月からすべての職場で受動喫煙防止対策をとることが「努力義務」となりました。しかし、国際的には、公共施設や飲食店など、市民が集う屋内の場では禁煙を義務づけるのが主流です。日本の受動喫煙対策は世界の中で最低レベルにあります。東京五輪を契機に屋内完全禁煙を実施する取り組みが始まりました。04年のアテネ五輪以降、五輪開催都市では罰則付きの法令を定めるなどの対応をとっています。東京都も20年が大きな転換点になることを期待します。今、新型たばこが急速に広がっています。紙に巻いた葉タバコを燃やす従来のたばことは異なるもので「非燃焼・加熱式たばこ」と「電子たばこ」に大別されます。
 非燃焼・加熱式たばこは葉タバコを加熱し、ニコチンを含むエアロゾル(浮遊性微粒子)を発生させて、吸引します。電子たばこは液体を加熱して気化させます。液体にはニコチンを含むものと含まないものがありますが、含む液体を加熱するタイプの電子たばこは、日本では医療機器として取り扱われるため、一般には流通していません。日本で普及し始めているのは非燃焼・加熱式たばこです。「アイコス」「プルームテック」「グロー」などがあります。20世紀後半、紙巻きたばこの害が明らかになり、種々の規制が設けられてきましたが、その規制に対応するように製品を進化させたのが新型たばこといえます。しかし、新型たばこでもヘロインやコカイン以上の依存性を持つニコチンの量はほぼ同じです。なお、ニコチンは葉を食べられないようにナス科の植物のタバコが作り出した毒です。確かに、一部の発がん物質については、新型たばこは通常のたばこより少ないことが分かっています。しかし、未知の成分もあり得ますし、個々の成分ではなく、混合物の吸入行為として全体的に評価する必要があります。体内で発生したがん細胞が発見できる大きさになるには20年といった長い時間が必要ですから、新型たばこの危険性を評価できるのはずっと先です。さらに、新型たばこの使用者の多くが以前から喫煙しているため、新型たばこそのものの影響を検証できるのは次の世代になってからになります。新型たばこは煙を出しませんから、煙からの受動喫煙はありません。しかし、人が吸い込んだ空気の3分の1程度はそのまま吐き出されます。喫煙者の吐いた息によって、発がん物質を含んだエアロゾルの「受動吸入」は間違いなく起こります。喫煙者が禁煙のつもりで代替品として使い、臭いが少ないために周りも容認する傾向もみられます。ますます禁煙が困難になります。困ったことです。

老化を食い止め、健康長生き! 最新アンチエイジング術
コーヒー・ココア・お茶…老化を食い止める飲み物は?

コーヒーに含まれるクロロゲン酸など、コーヒー・ココア・茶葉のポリフェノールの健康効果が注目されている。アンチエイジングを支える最も重要な働きが「抗酸化」。活性酸素や糖化産物の蓄積による酸化ストレスは、生活習慣病をはじめとする加齢性疾患を引き起こす最大の要因とされるからだ。 抗酸化成分として、いま世界的に注目されているのは植物に含まれるポリフェノール類。コーヒーのクロロゲン酸や、ココアのフラボノイド、茶葉のカテキンなどがその代表だ。これらを多くとる人ほど酸化ストレスと、その結果としての老化が抑えられることが分かってきた。例えば、コーヒー消費量と肌の色素沈着の関係を調べた日本の研究。コーヒーを多く飲む人ほどポリフェノール摂取量が多く、肌の色素沈着が少ないことが分かった。フラボノイド豊富なココアを毎日飲んでもらった韓国の研究では、肌の弾力やシワの改善に効果があった。
 緑茶やコーヒーが心血管病や脳卒中のリスク低下に役立つことも明らかになっている。コーヒーはメタボ発生リスクを57%、紅茶は49%それぞれ低下させることがイタリア人を対象にした研究で明らかになっています。

2018-03-07 12:34:54

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2018年2月

チョコレートは健康に良い

チョコレートは健康に良い

フラバノールはポリフェノールの一種で、チョコレートやココアの主原料となるカカオ豆に豊富に含まれています。チョコレートには赤ワインより多くのフラバノールが含まれています。 フラバノール含有量の高いココアを摂取すると、一酸化窒素が増え、血管拡張(血圧低下)、血小板凝集抑制(抗動脈硬化)などにつながることが分かっています。
 また血圧は、フラバノール摂取により、平均、収縮期血圧、拡張期血圧の低下が認められました。脳卒中の死亡率、冠動脈疾患の死亡率、しいては全死因の死亡率のリスクが低減すると推定されています。フラバノールを少なくとも520mg、毎日摂取している高齢者は、認知能力の大幅な改善を示しました。つまり、フラバノールの摂取は認知機能を改善する可能性があるのです。かと言ってほとんどの市販のカカオ製品は、たくさん摂取すると、飽和脂肪酸や糖分により、カロリーの摂り過ぎになります。そして、カカオのプラスの効果を打ち消すほどの、体重増加や血糖の上昇を招きます。カカオ豆を加工したココアパウダーには約3.6%のフラバノールが含まれていますが、成分調整ココアをたっぷり使ったダークチョコレートのフラバノール含有率は、わずか約0.5%です。ミルクチョコレートやホワイトチョコレートには、フラバノールは低いか含まれていません。市販のダークチョコレート(74%ココア)40g摂取の2時間後に、血液中の抗酸化状態の大幅な改善が報告されています。これがチョコレート効果が出る一つの目安でしょうか。
 ちなみに、チョコレートに関する仮説としてもっと有名なものは、国別チョコレート消費量とノーベル賞受賞者数の関係性を調べた結果、摂取量の多い国が人口当たりのノーベル賞受賞者が多かったとの結果が出ています。受験生の夜食にもチョコレートは最適なのかもしれない。
 チョコレートとナッツは相性が良いのですが、2013年にスペインから報告された試験は、1日30gのナッツの摂取により心血管疾患を減少させることが分かった。その他にもナッツ摂取により心血管疾患発症が減少するという報告があります。しかし、心筋梗塞に対しては認められたが、脳卒中に対しては認められないようです。また、ナッツの種類による相違を検討したところ、心筋梗塞に対してはいずれのナッツも発症リスクの減少につながっており、脳卒中に対しては特にクルミが(3コホートの合計ではピーナツも)発症リスクの減少につながっていた。クルミと同様、ピーナツもよいようですが、ピーナツバターではそうした作用がないことが分かっています。ビターチョコレートとナッツの組み合わせは健康に良いようです。

抗インフルエンザ薬の予防的投与について

この冬もインフルエンザが猛威を振るっています。インフルエンザの予防にはシーズン前のワクチン接種が第一ですが、残念ながら、ワクチンを打っていても発症を完全に防げるわけではありません。 入学受験を間近に控えている、大事なプレゼンが迫っているなど、人生の中で「どうしても今だけはインフルエンザにかかりたくない!」という局面は訪れるもの。そんなときに同居する家族がインフルエンザにかかってしまったら、うつるリスクが極めて高くなります。 そうした緊急事態に検討したいのが抗インフルエンザ薬の予防投与です。
インフルエンザの治療に使われる抗インフルエンザ薬は4種類。そのうち、点滴薬のラピアクタを除いた3種類、すなわち、経口薬のタミフル、吸入薬のリレンザ、吸入薬のイナビルは、インフルエンザの予防に使うことが認められています。 抗インフルエンザ薬には、体の中でインフルエンザウイルスが増えるのを抑える作用があります。抗インフルエンザ薬を予防的に使っていると、インフルエンザウイルスに感染しても体の中でウイルスが増えにくくなるため、結果としてインフルエンザの発症を予防できるのです。
 タミフル、リレンザ、イナビルを予防に用いる場合は、いずれも原則として、治療に使う量の半分を、倍の期間使用します。使用期間は薬によって異なり、タミフルは7~10日間、リレンザは10日間、イナビルは1~2日間です。あくまで予防としての使用ですので、ワクチンと同様、公的医療保険は使えず自費診療の扱いとなります。発症を予防できるのは、服用している期間だけです(イナビルは服用開始から10日間)。では、高齢者ではなく、基礎疾患もないけれど、入試の直前に家族がインフルエンザにかかってしまった…など、上記の条件に当てはまらないケースの場合、予防投与は受けられないのでしょうか。
この場合は、薬剤の添付文書に記載されていない使い方(適応外処方)となるため、万一、重い副作用が起こっても「医薬品副作用被害救済制度」の対象とはならず、補償が受けられないというデメリットがあります。また、抗インフルエンザ薬を使い過ぎると、薬への耐性を持ったウイルスが出現する恐れがあります。 このため、個別の事情をどう受け止め、適応外処方の可否を判断するかについては、医師によって考えが異なります。まずはかかりつけの医師に、事情を説明し、相談してください。
ところで、かぜ・インフルエンザ対策を行っている受験生は、対策に注意を払っていない受験生と比べ、第1志望校の合格率が高いという結果があります。薬に頼らず普段から手洗いやうがいなどの対策をしっかりと行いましょう。

2018-02-07 10:19:01

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2018年1月

感染症予防に効果的な正しい手指の洗浄・消毒法

感染症予防に効果的な正しい手指の洗浄・消毒法

 インフルエンザや風邪が流行る時期。様々な予防法のなかでも、子どもから高齢者まで簡単に実践できるのが「手洗い」です。12月から2月にかけて風邪、インフルエンザやノロウイルスによる感染性胃腸炎など患者数が増えます。インフルエンザや風邪の主な感染経路は、くしゃみや咳(せき)による飛沫感染。一方で、ウイルスが付着した物に触れた手で目や鼻、口に触ることで間接的に感染する接触感染もあります。ノロウイルスも飛沫や接触で二次感染を起こします。
 接触感染の予防に欠かせないのが手洗いです。インフルエンザの感染リスクは、せっけんを使った手洗いを1日5回以上すると3割ほど減り、10回以上だと5割程度減るという報告もある。インフルエンザワクチンによる発症防止効果が4割前後といわれていますので外出の後や調理の前後、食事の前、トイレの使用後には手を洗う習慣をつけることが大切となります。加えて正しい洗い方をすることも肝心だ。親指や指先、小指側の側面などに洗い残しが多い。こうした部位もきちんと洗えるよう、洗い方の手順を覚えておこう。手を水でぬらしたあと、手のひらでせっけんをよく泡立てて全体をこする。続いて手の甲や指先、爪や指の間、親指、手首と小指側の側面の順に20~30秒かけて洗う。洗い終わったあとは流水でせっけんをよく洗い流し、手を拭く。「手や指の消毒用のアルコール液やジェル剤での消毒でも同等の効果がある」と話す。アルコール消毒液やジェル剤を使うときは、くぼませた手のひらに500円玉大の量を取り、指先をつけてよくなじませる。その後、手のひら側と手の甲側の全体、指の間、親指、手首と小指側の側面に広げて、すり込んでいく。ただし、ノロウイルスはアルコール消毒が効きにくい。身近に感染者がいるときは、手洗いの回数を増やすなど工夫しよう。

のどの老化と肺炎

かつて日本人の死亡原因は、第1位ががん、2位が心筋梗塞などの心臓疾患、そして3位は脳卒中などの脳血管性疾患だった。しかし、2011年以降、肺炎による死亡者が脳血管性疾患を抜いて第3位になり、その後も3位を維持している。
 だが、医療が進歩した現代社会でなぜ肺炎なのか?肺炎というと、“風邪のような症状がひどくなった感じ”の病気と思われがち。正直なところ、“不治の病”という印象は薄い。
肺炎による死亡者が増えている背景には、「誤嚥性肺炎」で命を落とす高齢者が増えていることがある。誤嚥(ごえん)とは、食べたものや唾液・胃液が食道ではなく気管や肺に入ってしまうこと。高齢になり、「飲み込み力」が落ちると、食べ物が入ってきたとき、適切に気管の入り口が閉じなくなり、誤嚥を起こしやすくなる。そして、誤嚥により食べ物などが肺や気管に侵入し、それがもとで肺に炎症が発生してしまう――これが「誤嚥性肺炎」だ。
 もちろん誤嚥したからといって、全員が誤嚥性肺炎になるわけではない。若い頃なら誤嚥をしても肺炎になることはほとんどないが、高齢者は免疫力・体力が低下しているため、肺炎に発展しやすい。つまり、「飲み込み力」の有無が、肺炎になるかならないかを大きく左右する重要な要因となっている。飲み込み力が衰えないようキープすることにより健康寿命を延ばす大きな因子となる。飲み込むときのタイミングのズレによって引き起こされるのがムセや咳き込みです。ムセや咳き込みは「のどの老化」が始まったサインです。放置すれば徐々に飲み込み力が落ち、誤嚥しやすくなります。誤嚥により、食べ物が気管や肺に入るのは、生命維持に関わります。
 最近では、シニア層の健康意識が高まり、足腰を鍛えるためにウォーキングやジョギングを行う人も着実に増えています。だが、飲み込み力は、全身の筋肉とともに衰えることについてはほとんど意識されていない。体力がない人は誤嚥しやすいのです。高齢者は歩くのがスローペースになったり、しゃべるスピードが遅くなったりするもの。それと同じような老化現象が、のどでも起こっていることを理解すべきです。高齢になると、のど仏の位置がのどの力が衰えるとともに徐々に下がっていきます。これがのどの目に見える老化現象の現れです。飲み込んだものを、空気は気管へ、飲食物は食道へと仕分けする分岐点となるのが喉頭(こうとう)で、のど仏あたりのことを指します。
老化現象を防止するには、よく話し、よく笑う、全身の運動を欠かさない、バランスよく食事をする、正しい姿勢でゆっくり食べることに心がけましょう。食事の際よくムセたり咳が出る症状のある方は耳鼻咽喉科で一度相談を受けるとよいと思います。

2018-01-11 10:36:43

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