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2010年

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2010年12月

今年も残りわずかになりましたこの地域ではインフルエンザの流行はありませんが胃腸風邪が流行っています。手洗いを励行して下さい。
来年は花粉症が猛威をふるうとの情報が浸透し、すでに年末から早期治療をしておこうとする患者さんも増えてきました。

SAS睡眠時無呼吸を早期に発見しましょう

SAS睡眠時無呼吸を早期に発見しましょう

睡眠中に呼吸が止まり、良質な睡眠を妨げるSAS(睡眠時無呼吸症候群)。心身だけでなく社会に及ぼすリスクも深刻で、正確な知識の普及と対策が求められている。

2003年、新幹線の居眠り運転事故が世間を騒がせた。運転士を襲った急激な睡魔の原因は、SAS(睡眠時無呼吸症候群)。この報道により、SASは身体に悪影響をもたらし社会を揺るがす大事故の当事者になり得る深刻な病気であることが世に広まった。

SASにはいくつか種類があるが、患者数の約9割を占めるのがOSAS(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)で、口蓋垂(こうがいすい)や舌の付け根が気道をふさぎ、睡眠中に呼吸ができない状態が続く。10秒以上空気が通らない状態を無呼吸と呼び、1時間当たり5回以上の無呼吸状態と昼間の眠気やだるさ、頭重感などを感じる場合、あるいは自覚症状がなくても無呼吸状態が1時間に15回以上ある場合にOSASと判断される。特に呼吸に必要な上気道の筋力が衰える高年齢者には身近な病気といえる。

OSAS自体の主な症状はいびきや睡眠中の頻繁な覚醒(かくせい)、浅い眠りなどだが、日中に及ぼす影響も大きい。疲れが抜けず作業能率は落ち、身体が睡眠の量を確保しようとするため、前述の新幹線運転士のように強い眠気が生じやすく、しばしば業務、自動車運転などでトラブルを引き起こす。さらに、高血圧症や高脂血症、糖尿病といった生活習慣病発症のリスクも高まる。怖いのは、睡眠中の体内酸素量低下と中途覚醒による自律神経の高ぶりが悪循環を生み、心臓への負担や血圧の上昇を招き、重大な心血管障害を引き起こす可能性があることだ。また、うつ病やED(男性機能障害)なども健常人に比べリスクが高くなる傾向にある。

OSASと密接な関係にあるのが肥満。余分な脂肪が喉(のど)を狭めることで呼吸を妨げやすくなる。体重が10%落ちると無呼吸は約30%減るというデータもあり、運動などで肥満対策を講じることはOSAS予防の一つの手段である。

睡眠障害による経済損失は多大で、米国では国を挙げての対策が講じられている。日本でも「SAS睡眠時無呼吸発見プロジェクト」など、SASを周知し無自覚な患者が多い状況を改善しようという動きが広まっている。SAS治療ではマウスピースを使った顎(あご)の矯正や、睡眠時に空気を送り込み気道を確保する「CPAP」という医療機器が高い効果を上げている。

睡眠時無呼吸症候群セルフチェック表

設問に2、3項目当てはまればOSASが疑わしいことになり、医師に相談することをお勧めしている。7つ目の設問はOSASの症状そのもの。このチェックは家族や友人に尋ねるきっかけになるはずです。3点以上が病院での診療が必要です。肥満や常習的ないびきなど思い当たる項目があれば早い段階で医師に相談し、検査や治療を受けることをお勧めします。

SASに対する多くの誤解

SASに対する多くの誤解

肥満や日中の眠気などはSASを疑うに足る条件だが、だからといって「やせているから大丈夫、昼間に眠気を感じないから大丈夫」ということではない。SAS患者の約40%は肥満度が正常であり、昼間の眠気に関してはSASの重症患者でも3人に2人程度は感じていないことが分かっている。「1億総睡眠不足」といわれる今の日本でSASを自らのこととして考えるために、さまざまな偏見を排してその正体を正しく知る必要がある。

なかでもいびきへの偏見は、SASの発見を遅らせる要因の一つだ。日本人にはいびきを「よく寝ている証拠」「恥ずかしいもの」という意識が根強い。
だが、いびきは「気道が狭くなっている」と助けを求める声なのだ。身体に大きな負担を与え、常習的になると一晩中休まることがない。

大切なのはいびきの症状に気付くことができるのは、当人ではなく周囲の人たちだということ。周りに異常ないびきをかく人がいたら、ぜひSASの検査を勧めてほしい。
ほかにも、「若いころより体重が増えた」「血圧が高い」「どこでも寝られる」「夜中に2回以上トイレに行く」「寝相が悪い」「起床時に喉が痛い、乾いている」といったことが疑わしさを示す因子だということを知っておいてほしい。

自分の血圧値や血糖値を把握している人は多いが、様々なリスクを高めるSASの重症度を自己認識している人は少ない。
だが、重症患者を治療せずにおけば、12年後に致死的心血管事故を起こす割合は約17%。健常人では約4%なので、リスクは極めて高くなっていることが明らかだ。
後遺症をもたらす心血管事故にいたっては、12年後SASの重症患者の3人に1人程度が発症すると予測されている。

しかし、いずれも「CPAP」で適正な治療を受ければ健常人と同程度の発症率にまで抑えられる。CPAPに関しては「身体が軽く感じ脳がいつもスッキリしている」という使用者の声が寄せられるように、日常生活改善への期待感も高い。
今と未来を健康に暮らすために、早い検査と治療が肝心だ。今は自宅でできる簡易的な検査装置もあり、SASを発見しやすい環境が整っている。

自宅でできるSAS対策としては、抱き枕の活用などが挙げられる。あおむけに寝ると重力で口蓋垂や舌が下がり、気道が狭くなりやすくなる。枕を抱いて横向きに寝ると、気道が確保でき、いびきもかきにくくなる。
また、咀嚼(そしゃく)も大切だ。現代社会で人々の咀嚼回数は減少傾向にあり、今後のSAS患者数が大幅に増加すると指摘されている。SASを発症しやすい顎が細い面長の顔が増えると予測されているからだ。
特にアジア人は白人に比べて骨格が小さく脂肪が付きやすく、白人と同程度の肥満度でもSASの重症度は高くなる。
バランスの取れた食事で咀嚼を多くし、また適度な運動を心がけることが大切だ。

ある患者はひどい疲労感で病院に行き、SASだと分かると同時にそのまま心不全を起こし、意識不明となった。
重症のSASだと分かりCPAPで治療を続けるようになってからはしっかり睡眠もとれるようになり、翌朝に疲労感が残ることもなくなった。
機械のサイズも小さく、寝室で場所を取ることもない。小さなモーター音を発するが、空気清浄機ほどの音で家族も「いびきより静かだ」と歓迎してくれている。

健康の3要素は栄養・休養・運動であり、休養の基本は睡眠である。SASについて正しく知り、またリスクを把握し、当人だけでなく周囲の人がサポートし合うことが睡眠を守ることにつながるのです。

2010-12-01 17:42:00

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2010年11月

運動すると風邪をひきにくくなる・・・罹患日数がほぼ半減

運動すると風邪をひきにくくなる・・・罹患日数がほぼ半減

「子供は風の子、大人は火の子」とは小児の活発な運動による健康増進を勧めることわざの1つだが、大人もよく運動するほど風邪をひきにくくなるようです。18歳以上の成人を対象とした研究で週5日以上運動する人では、ほとんど運動しない人に比べ風邪(上気道炎)の程度が軽いとの前向き疫学研究が発表されました。調査の結果、週5日以上の有酸素運動を行っていた人(215例)では、12週の間に風邪に罹患した日数がほとんど運動しない(週1日以下、341例)人に比べ43%有意に減少していた。健康に対する自己評価が高い人でも、同罹患日数は低い人に比べ46%の有意な低下が確認されました。さらにこれらの人では、風邪の重症度スコアおよび症状スコアも32~41%と大幅に低下していた。以上はすべて年齢、教育レベル、結婚、性、ストレスレベル、BMI、果物の摂取状況を補正して得られた値だという。
風邪の発症には免疫機能の低下や感染リスクを低下させるストレスや睡眠不足などさまざまな要因が関連すると考えられている。一方、運動が免疫低下を抑制し、風邪の罹患リスクを下げることが報告されています。風邪にならないためには健康への自己評価の高さと運動回数が最も重要な因子です。

今年のインフルエンザ

今年のインフルエンザ

インフルエンザが流行し出しました。今年は季節性インフルエンザ(A香港型)が多く報告されています。香港型はここ何年も大きな流行がなく、免疫を持つ人が少ない。予防接種などの対策をとった方がよさそうです。インフルエンザワクチンはインフルエンザにかかりにくくし、もしかかったとしても重症になるのを防ぐ効果がある。1回の接種(13歳未満は2回)で、新型インフルエンザと季節性(A香港型とB型)インフルエンザの3種類のタイプを予防する3価ワクチンの接種が今年の主流です。高齢者や乳幼児、糖尿病などの人は、かかったときに重症になることがあるので受けた方がよい。子どもは学校などで感染する機会が多い。昨年の新型インフルエンザの流行時期には、小学生に比べて中高生は予防接種を受けた人が少なかった。さらに感染者も少なかったので、中高生は免疫を持たない人が多いと考えられます。昨年予防接種を受けた人も新たに接種を受けた方がよい。ある調査で昨年新型インフルエンザのワクチンを接種した人のうち、予防に十分な免疫力がある人は4カ月後では半減していたそうです。時間がたつにつれてワクチンの効果が低下していくという。接種後約2週間で効果が出るので、流行が始まる前に打っておいた方がよい。

インフルエンザにかかっても、早期に治療すればほとんどがよくなる。新型インフルエンザの流行では、日本は欧米などよりも重症者や死亡者が極端に少なかったが、これは早期に治療薬を使ったためと治療薬の効果を指摘する海外の研究論文が相次いでいる。

治療薬はこれまではタミフルとリレンザが主流だったが、今年に入り相次いで新薬が登場し、選択肢が広がった。1月に登場したラピアクタは1回の点滴ですみ、薬の服用が難しい重症者に向いている。肺炎や脳症を起こした重症者にも効果があるとみられ、まず入院患者の使用が中心になる。11月に発売されたイナビルは専用の器具を使い吸入するタイプで、リレンザと使い方が似ている。1回で1週間効果が続くが、幼児は吸引しにくいので、主に小学生以上が適用対象になるとみられる。「イナビル」は、原料の調達から販売まで国内で一貫して行う「純国産」です。新型インフルエンザの流行に応じて柔軟に生産できるため、治療薬不足の予防網にもなる。輸入薬の「タミフル」「リレンザ」は、1日2回、5日間の継続的な服用が必要だったが、イナビルは症状の初期に1回の投与で済む。塩野義製薬の「ラピアクタ」は、有効成分は輸入するが、生産は国内。点滴タイプのため、重症患者や薬が満足に飲めない高齢者や子供向けとして注目を集める。治療薬の在庫は、大流行した昨年の患者数2000万人を大きく上回る2400万人分に達する見通しです。今後は国産のインフルエンザ治療薬が主流になっていくことでしょう。

2010-11-01 17:40:00

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2010年10月

10月1日よりインフル予防接種開始 新型と季節性混合ワクチン

10月1日よりインフル予防接種開始 新型と季節性混合ワクチン

今シーズンのインフルエンザの予防接種が1日、スタートしました。今年使われるのは昨年から今年にかけて流行した新型インフルエンザと、季節性のA香港型、B型の計3種類を混ぜたワクチンです。最大約5300万回分と見込まれる需要に対し、5800万回分以上が供給できる見通しで供給量は十分あるようです。昨シーズンの新型ワクチンのように、接種を受ける人の優先順位は付けません。接種費用は自治体ごとに違いますが、津市では各医療機関統一で、生活保護受給者や低所得者らが無料▽高齢者(65歳以上、60歳以上で心臓などに機能障害がある人ら)は1,200円▽それ以外の人は1回目が3,600円、2回目が2,550円。国立感染症研究所によると、全国の定点医療機関から報告されるインフルエンザ患者は依然、流行入りの指標よりもかなり低い水準。ただ、夏の間も学校などで集団発生は散発し、新型やA香港型のウイルスも検出されています。四日市市は30日、市立水沢小の2年生(1組、児童31人)が季節性インフルエンザの集団感染のため、同日から10月1日まで学年閉鎖にしたと発表した。担当課は「季節性の集団感染は例年、11、12月が最も多く、こんな早い時期の感染は珍しい」と話している。市教委によると、2年生31人のうち、7人が38度以上の発熱やせき、鼻水などの症状を訴え、5人(男子3人、女子2人)が欠席したため、校医と相談し、学年閉鎖を決めたという。欠席した5人は簡易検査の結果、「A型」と診断された。
さらに1人の検体を県保健環境研究所で詳しく検査したところ、「A香港型」だった。

昨季は夏場以降、新型が大流行した半面、高齢者が感染しやすい季節性(A香港、Aソ連)は全く見られず、今年は季節性のインフルエンザが流行する可能性が大きい。流行期は、今季は予測できず、春先になる可能性もある。しかし、ワクチンの効果は半年あるとされ、春先にも効果は持続しているので、10月に接種をしておく方がよいと思います。海外に行く予定の人は早めに接種しておいて下さい。インフルエンザ予防接種に心臓発作を予防する効果があり、早い時期に接種するほど効果が高いとする英国の研究報告があります。ただし、ワクチンを受けた人の心臓発作が19%減少したわけではない。インフルエンザ感染が、冠動脈壁のプラーク(動脈硬化で起こる血管病変)の破綻を来す引き金となり心臓発作の原因となること、また感染は体内の炎症レベルを上昇させ、心臓発作の起こりやすい状況をつくることから、予防接種はこれらを防御する有益性が指摘されている。心疾患のある人や心血管障害のリスクの高い人のインフルエンザ予防接種を強く勧めます。

グルコサミンおよびコンドロイチンのサプリメントは有効か

グルコサミンおよびコンドロイチンのサプリメントは有効か

股関節や膝の変形性関節症の痛みを緩和する目的で多くの人がグルコサミンおよびコンドロイチンのサプリメント(健康補助食品)を利用しているが、このようなサプリメントに治癒効果があるとのエビデンス(科学的証拠)は認められないことが、大規模研究の新たな分析によって示され、英国医師会誌「BMJ」オンライン版に掲載された。
これまでにもいくつか今回と同様の報告がされており、研究を率いたスイス、ベルン大学社会・予防医学研究所のPeter Juni博士は「評価した2つのサプリメントのいずれも、患者の疼痛緩和という点で、臨床的に意義のある有益性は認められなかった」と述べている。

この10年間、医師によるグルコサミン、コンドロイチンの処方や、世界中で何百万人という人が市販薬(OTC)としてこれらサプリメントを購入しており、2008年の世界でのグルコサミンサプリメントの売り上げはほぼ20億ドル(約1,700億円)に達し、2003年より60%増加している。
今回の研究では、3,800人強の膝または股関節の関節炎患者を対象とした10件の無作為化臨床試験の結果を分析。いずれの試験もサプリメント使用者群と非使用の対照群を比較したものであり、グルコサミン、コンドロイチンのいずれかまたは両方を使用する患者の疼痛レベルの変化をプラセボ(偽薬)との比較や互いの比較により検討したものであった。

全データの検討の結果、コンドロイチンおよびグルコサミンには、関節痛または関節腔狭小化に臨床的に意義のある効果はないことが判明した。
ただし、もし患者がすでにこのようなサプリメントを使用しており、実際に効果を感じている場合には(疾患の自然経過やプラセボ効果によるものである可能性が高いが)、有害であるとのエビデンスはないことから、積極的に使用を止める理由はないと述べている。他の学者も、このようなサプリメントが役立っていると報告している患者がいることを認めており、使用しても(費用がかかる以外に)害はないだろうとする一方で、サプリメントの製造元による表示内容については、大規模研究でその有効性が認められない限り、見直して精査する必要があると指摘している。
現時点では有効性を認める研究は存在しないのでくれぐれも過信しないで下さい。バランスのとれた食生活が何より重要です。

2010-10-01 17:38:00

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2010年9月

ほとんどの抗生物質が効かない新型多剤耐性菌

ほとんどの抗生物質が効かない新型多剤耐性菌

耐性菌とは、病気治療に抗生物質を多用するうちに、病原菌が生き延びるために抵抗力を持ったものをいう。中でも複数の抗生物質が効かない菌が多剤耐性菌だ。新型は多剤耐性菌のうち、薬の成分を分解する酵素「NDM―1(ニューデリー・メタロ―β―ラクタマーゼ1)」を持つ大腸菌や肺炎の原因菌を指す。
インドで発見された。ほとんどの薬が効かず誰にでも感染して病気を引き起こす可能性がある。
広範囲に感染が広がる潜在的な脅威があり「スーパー耐性菌」とも呼ばれる。帝京大学病院で感染例が見つかったアシネトバクター菌は皮膚や水中にいるが、病気を起こす性質が大腸菌などに比べて弱い。
病気で入院している免疫力の低下した患者間での感染が問題になっている。これに対し、新型多剤耐性菌は健康な人にもうつることがある。
通常の大腸菌でも、体力が衰え抵抗力が低下していると、ぼうこう炎などを起こす。普通なら抗生物質で治療できるが、多剤耐性菌だと薬は効かない。肺炎の原因となる肺炎桿菌(かんきん)の場合も同様だ。
しかし免疫力が弱まっている人に感染し血液中に入ると毒素を出し、敗血症で死に至るケースもある。
今後、国内で感染が広がる恐れは十分にあります。今のところ独協医科大病院で見つかった新型多剤耐性菌では感染の広がりは報告されていない。
健康な人に感染する可能性があるとはいえ、普通に抵抗力があれば心配はない。
現時点で感染拡大の恐れは少なく、一般の人が警戒するような事態ではない。冷静な対応が求められる。
ただ、海外で感染して国内に持ち込む人が続出し、気づかない間に保菌者が増えて病院内などで広まると問題です。
海外では医療費が多少かさんでも、信頼できる医療機関にかかるべきだ。医療関係者や国は、日常的に病原菌の種類や広がりを監視し、患者の隔離などの対策をとれるようにしておく必要がある。
大腸菌と肺炎桿菌はサルモネラ菌や赤痢菌の親せきで、これらと遺伝子をやりとりしやすい。
サルモネラ菌などに新型多剤耐性菌のNDM―1の遺伝子が入ると、重症者が増える恐れもある。
治療は新たな抗生物質の開発を待つしかない。
たとえば多剤耐性菌による膀胱炎を発症した場合に耐性を示している抗菌薬を服用すれば、多剤耐性菌のみが増加して症状が重篤化する恐れがある。
基礎体力を付け、一定の抵抗力を維持する心がけも必要です。

携帯電話による電磁界と腫瘍発生の関連は?

携帯電話による電磁界と腫瘍発生の関連は?

携帯電話は十数年前から本格化し、当初伴って発生する電磁波ががんを発症させるなど健康に有害であるとの風評がありました。
今でこそそのようなことを心配する人は少なくなりました。
電気や電波の利用にともなって発生する電磁界は、熱作用と刺激作用を持つことが知られており、これらの作用による健康影響を防止することを目的として電波防護指針が設定されている。
携帯電話の使用が腫瘍を増加させるのか日本を含む13カ国が参加する国際共同多施設研究として計画、実施された。
これは脳腫瘍に焦点を当て10年間の調査の結果、携帯電話による腫瘍の増加は認められませんでした。
さらなる長期の観察は必要ですが今のところ健康への影響は少ないと思われます。

たばこを吸わなくても肺がんになる

たばこを吸わなくても肺がんになる

芸能リポーターの梨元勝さんが先月21日、肺がんで亡くなった。しかし梨元さんに、喫煙の習慣はなかったという。
たばこを吸わなくても肺がんになるの?日本人の死因のワースト1位はがんだが、その中でも最も年間死亡者数が多いのが肺がんだ。
喫煙が肺がんの危険要因であることはよく知られている。
国立がん研究センター資料によると、日本人を対象にした研究で、喫煙者は非喫煙者に比べ、肺がんになる危険性が男性で4・4倍、女性で2・8倍高い。欧米では、さらに高く20倍以上とされている。
ただ、その一方で、最近は、たばこを吸わない人にも肺がんが増えている。一口に肺がんといっても、顕微鏡で見た時の細胞の形などから、主に4種類に分類される。肺の入り口の太い気管支付近に多い「扁平(へんぺい)上皮がん」と「小細胞がん」は、喫煙との関係が特に深い。
これに対し肺の末梢側(外側)にできる「腺がん」は、肺がんの過半数を占めるとされるが、たばこを吸わない人でもかかることがある。
最近目立つ、非喫煙者の女性の肺がんは、ほとんどがこのタイプだ。末梢側(外側)に出来やすい種類にはこのほか「大細胞がん」がある。
日本胸部外科学会の調査では、全国で1997年に手術した肺がん患者のうち、扁平上皮がんが30%、腺がんが60%だった。
ところが、2007年には扁平上皮がん21%に対し、腺がんは68%。ここ10年のうちに腺がんの割合が増える傾向にある。
たばこを吸わない人の肺がんが増えているのです。肺がんは予後の悪いがんの一つです。早期がんの時期に治療しなければ治癒しません。
しかし初期の段階では症状がありません。単純写真でも心臓の陰に隠れて見つけにくいこともありますのでCT検査が確実です。
治療は手術が基本ですが、放射線治療や化学療法(抗がん剤)を組み合わせます。同じ肺がんでもタイプによって抗がん剤の効果にも差があります。
最近では、がん細胞を取って調べた結果に基づき、抗がん剤を使い分ける治療が進んでいます。
梨元さんの所属事務所によると、梨元さんの肺がんの種類は細胞検査でも判別しなかったという。
本人には喫煙習慣がなくても、受動喫煙の影響があった可能性もある。
非喫煙者のがんが増えていると言っても、喫煙者の方がリスクが高いことは明らかです。
予防のためには、禁煙が重要です。

2010-09-01 17:36:00

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2010年8月

熱中症や脱水症状 盛夏、早めの水分補給・・・真水でなく塩分含む水を

熱中症や脱水症状 盛夏、早めの水分補給 ・・・真水でなく塩分含む水を

今年の夏は特に暑い日が続き、熱中症になる人が増えている。
私が子供の頃には熱中症がこれほどは話題にならなかったように思います。
しかもスポーツドリンクなどもなく、暑いときは水道水や麦茶を飲む程度でした。
脱水症予防には適切な水分補給が大切で、のどが渇いていなくても、30分ごとにコップ半分の水分をとるように。
ただ、真水は体内に吸収されにくいなど、飲料の種類や飲むタイミングによって効果はまちまち。
一般に大人の場合、1日に1~1.5リットルの水分が必要とされる。
食事から約1リットル得られるが、毎日2.5リットルは尿などとして排せつされているからです。
水分が不足すると汗が出なくなり、体の深部温度が高くなる。
37~40度になると、だるさや食欲不振など熱中症の症状が出てくる。
40度以上で意識がなくなるなど神経症状が表れる。
夏場の水分補給はのどが渇いたときだけ飲むだけでは不十分です。
建築現場など屋外の職場で熱中症を起こした患者を調べたところ、水分補給をしていても熱中症になる例が少なくありません。
熱中症にならないためには汗で減った体重と同量の水を飲むのがよい。
ただ、汗の量を正確に把握するのは日常生活では難しい。
特別な運動をしているときでなければ、日中は30分ごとにコップ半分くらいを飲めばよい。
睡眠中は水分補給ができないため、就寝前と起床時はそれぞれコップ1杯ずつ飲むようにする。
脱水症状など熱中症になりかけているときには、体液と近い組成で塩分が入っているものがよい。
スポーツ飲料や0.1~0.2%食塩水なら、飲んでから数分で体内に吸収される。
真水だと吸収に数十分かかり、半分くらいしか吸収されないこともあります。
運動で大量の汗をかく場合も塩分を含む水がよい。
ただ、スポーツ飲料は糖分が多く含まれることもあるため、常時飲み続けていると一過性の糖尿病になったり、太ったりするので注意して下さい。

染色体の末端部は細胞の健康を左右する

染色体の末端部は細胞の健康を左右する

人間の細胞は細胞分裂によって新しい細胞が出来き、古い細胞は消失するという循環を繰り返しています。
テロメア(Telomere)は真核生物の染色体の末端部にある構造。
染色体末端を保護する役目をもつ。ギリシア語で「末端」を意味するテロスと「部分」を意味するメロスから作られた語です。
細胞の遺伝子DNAの分解や修復から染色体を保護し、物理的および遺伝的な安定性を保つ働きをする。
テロメアを欠いた染色体は、細胞によって異常なDNA末端と見なされ、酵素による分解や、変形が起こる。
このような染色体の不安定化は細胞死や発ガンの原因となる。
テロメアは70年前に発見され、「染色体の末端を保護する染色体の要素」です。
テロメアDNAの長さも生物種や組織、系統や個人によって異なる。
がん細胞は正常細胞に比べ短いテロメアをもちます。
染色体の最末端部はテロメラーゼによって延長が行われる。
テロメラーゼがない場合、染色体は複製のたびに短くなる。
テロメアやテロメラーゼは、細胞の老化や不死化と呼ばれる現象に重要な役割を担っており、これを介して生体の恒常性維持やがん化とも密接に関連していると考えられています。
ヒトなどの動物組織細胞は分裂回数が制限されており、一定数の分裂を行うと細胞周期が停止してそれ以上は分裂できなくなる。
この現象を細胞老化と呼ぶ。
これに対して、がん化した細胞などは際限なく分裂することが可能であり、これを細胞の不死化と呼ぶ。
ここでいう「不死」とはその細胞自体が死なないという意味ではなく、細胞がどんどんとどまることなく分裂し永続性を獲得しているという意味である。
テロメラーゼによるテロメアの伸長修復は、染色体を維持することで、永続的な細胞分裂、つまり細胞の不死化に重要な役割を担っている。
癌発症と癌による死亡の関係を、一般集団を対象に前向きに調べる初めての研究を行った結果、テロメア長と癌罹患、癌死亡の間に有意な関係があることがわかりました。
テロメア長が長いグループに比べると、テロメア長が短いグループの癌罹患リスクは約3倍でした。
これらのことは今後癌の予防や治療に生かされるでしょう。

2010-08-01 17:35:00

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2010年7月

社内健診では見つからない! 40代は必ず「がん検診」を

社内健診では見つからない! 40代は必ず「がん検診」を

今や、成人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人が命を落とすといわれている。
初期のがんは自覚症状がまったくない。しかも進行して初めて「急激な体重の減少」や「貧血」といった症状が出る。
残念ながら、がん検診が含まれていない通常の社内健診では、がんはまず見つかりません。
治療すれば治る早期のうちにがんを発見したい。だからこそ社内健診とは別に、自主的に、忘れずがん検診を受けることが大事です。
男性のがんの死亡率トップ3は「肺がん」「胃がん」「大腸がん」。これらのがんの罹患(りかん)率は40代から一気に増えている。
肺がんなど進行の速いごく一部のがんを除いて、がんは早期に発見され、治療を受ければ治るものが多い。
一般的に生活習慣病の発症が増える40代。罹患率の高い肺がん、胃がん、大腸がんの検診は、毎年受けるのが基本。
検診内容は地域や医療機関によって違う。例えば市町村など自治体が行っている胃がんや肺がんはX線検査、大腸がん検診は便潜血検査をする場合が多い。検診は、希望するすべてのがん検診が含まれる病院の人間ドックを利用するのが手っ取り早い。
しかし社内健診と違って、費用も時間もかかる。
一度に受けると経済的負担になるなら、時期をずらして「今年は肺がん検診、来年は大腸がん検診」のように順番に受ければいいだろう。

科学的根拠に基づいたがんを防ぐ8カ条
  1. 喫煙者はすぐに禁煙。吸わない人は副流煙を避ける
  2. 酒は日本酒換算で1日1合(ビール大瓶1本)まで
  3. 野菜、果物は1日400g。野菜は毎日、果物は毎日
  4. 食塩は1日10g未満。塩蔵食品類を控える
  5. 週1回は汗をかく定期的運動を
  6. BMI値は20から27の範囲を維持する
  7. 熱い飲食物は最小限に。熱い飲料は冷ましてから飲む
  8. 肝炎ウイルス感染を検査し、予防や治療をする

眠りすぎはよくない?

眠りすぎはよくない?

睡眠不足が糖尿病などさまざまな病気のリスクを高めることが科学的に証明され、同時に睡眠の取り方は年齢変化や個人差が大きく、それが睡眠トラブルの原因になっていることも分かってきた。
日本人の3人に1人が、睡眠になんらかの問題を抱えているといわれています。睡眠は重要だが長く眠るほど健康的なわけではないようです。
例えば、米国在住の男性1139人を16年間追跡調査し、糖尿病発症について調べた研究では、1日に7時間眠る習慣の人がもっともリスクが少なく、それ以上長くても短くてもリスクが高まることが分かりました。
また、高脂血症のリスクが低いのは6時間台で、それよりも短くても長くてもリスクが高まったという報告もあります。
では、必要にして十分な睡眠を取るためにはどうしたらいいのでしょうか。昼間活動し夜になると眠くなるのも体内時計の働きです。
その働き方は年齢とともに変化するとともに個人差もあります。子どもは成人より睡眠時間が長い。
思春期前には9時間ぐらいが平均的な睡眠時間だが、25歳ぐらいまでに6~8時間へと変化する。
移行期間は、体内時計が非常に不安定で個人差も非常に大きい。
遺伝的な体質により体内時計が強固で、規則正しい就眠時間を必要とする人がいれば、多少、時間が変動しても対応できる人もいることも分かってきた。
頑固な体内時計の持ち主は、日ごろから規則正しい生活を送ることが体調管理に重要です。加齢による体内時計の変化への理解も重要です。中高年以上になると、眠りは浅くなり、夜中に起きたり、朝早く目覚めたりするのが普通。
睡眠不足は、体調を崩す原因になります。耳鼻科領域ではめまいや耳鳴りが起こります。
眠れなくて辛いと感じる日が2週間以上続く場合は、早めにかかりつけ医などに相談して下さい。

2010-07-01 17:34:00

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2010年6月

めまいのプライマリーケアとしての耳鼻科医

めまいのプライマリーケアとしての耳鼻科医

めまいは昔から一般によく遭遇する病気の症状です。
病院でも頭痛や咳、発熱などと並ぶ代表的な訴えになっています。
そのため内科を受診することが多い。
しかし内科ではめまいの患者が訪れると眼振(めまいの症状が起きているときには目の揺れが観察される)も聴力検査もせず、メニエール症候群あるいは頭位性めまいなどとすぐに病名をつけてしまうことが多いのが現実です。
めまいの中には薬を処方しても放置しておいても自然に改善する場合もあるため見かけ上何事もなかったように過ぎてしまいます。
しかし、めまいの中には重大な疾患が多数含まれていることが多いのです。
救急外来でも当番の医師が眼振の観察をすることなく直ちに脳のCTを撮り、問題がないときに耳鼻科に受診するように勧められます。
CTを撮る前に眼振の有無を確認するだけで耳(末梢)から来るめまいか脳(中枢)から来るめまいか診断ができることが多い。
ですからめまいが起きたときにはまずは耳鼻科に見てもらうことが肝要かと思います。
めまいの多くが耳(内耳)が原因となっているからです。
内耳から来るめまいは大きくメニエールかその他の内耳性めまいかのどちらかです。
内耳性めまいの一部の人には内耳のリハビリテーションが有効な症例があります。そのような見極めができるのはめまいのプライマリーケアとしての耳鼻科医の役目です。
最初から明らかに中枢性(脳神経疾患)であれば内科や脳神経外科でも良いのですが、そうでなければ是非耳鼻科に相談下さい。
そのほかに「めまい」には気を失いそうになったり、頭がふらつく、目の前が暗くなって気が遠くなる、冷や汗をかくなど循環器疾患や心因性の疾患などもあります。
多くは問診でめまいの原因が判断できることが多いのです。

咳嗽、喘鳴とも夜間中心のコントロールが肝要

咳嗽,喘鳴とも夜間中心のコントロールが肝要

小児疾患のなかでも呼吸器疾患は、患児本人だけでなく、そのケアに携わる保護者のQOLも低下させることから、症状を適切にコントロールすることが求められる。
喘鳴や咳嗽の病態を解説し、未就学児の呼吸器症状に関するアンケートの結果から、就寝後から深夜、明け方にかけて症状が悪化しやすくなるため、夜間のコントロールがQOLの改善を含めた治療に重要であると認識が必要である。
喘息は、笛性喘鳴を伴う呼吸困難を繰り返す主要な呼吸器疾患の1つであり、小児に発症しやすく、その罹患率は年々上昇しています。
小児喘息を発症、悪化させる主な因子として、アレルゲン、ウイルス、たばこなどが挙げられ、それらの因子が気管支炎の慢性化、気道過敏性の亢進、可逆性の気道狭窄をもたらし、喘鳴や咳嗽といった症状を呈する。呼吸器症状が悪化する季節では、乾性、湿性咳嗽、鼻汁・鼻閉いずれに関しても、冬~春先にかけてと梅雨時や秋に、悪化する割合が高い。

咳嗽(乾いた咳、痰がからんだ咳)や喘鳴が悪化する時間帯は、就寝後、深夜、明け方、起床時が多い。
症状によって困ることは患児の状態については、「夜眠れなくなる」「食欲が低下する」「症状で朝方、目を覚ます」「ストレスがたまる」などがある。
他方、保護者自身については、「介護のために夜眠れない」「病院・医院に頻回に通わなければならない」「ストレスがたまる」こととなり、患児も保護者も、症状によってQOLを低下させています。
これらの慢性咳嗽の原因疾患として、喘息や鼻疾患など、アレルギー性疾患が多く見られます。
このために一年中薬を使う必要があるかは各個人によって異なるといますが、これが医師の裁量になるかと思います。
もちろん咳で困られるのは最近では大人でも増加傾向を認めます。

水疱瘡が流行っています・・・まだ罹患していなければ早めにワクチン接種

水疱瘡が流行っています・・・まだ罹患していなければ早めにワクチン接種

小児に水痘を起こす水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)は、水痘感染発症後長期にわたって神経節に潜伏し、加齢、ストレス、疲労などを契機に再活性化して帯状疱疹を起こす。
帯状疱疹は経過中にさまざまなレベルの疼痛を伴うが、一部の患者は皮疹治癒後も長期間疼痛に苦しめられることがあり、帯状疱疹後神経痛(PHN)として知られている。
この痛みは通常の鎮痛剤では抑えられず、かなりの苦痛を伴います。
初感染で水痘を起こした後、全身の神経節に潜伏感染します。
その再活性化により年間1,000人に4.15人の頻度で帯状疱疹を発症するといわれています。
患者の多くは高齢者で、70歳台では1,000人に8人、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験することが明らかになっているが、小児や若年の患者もまれではありません。
このようにならないためにワクチン接種は必要です。


 

2010-06-01 17:33:00

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2010年4月

今年は花粉症の症状が軽くすんでいる方が多いと思います。4月に入ってからはヒノキ花粉症の症状で来院される方が多くなってきました。鼻の症状だけなら花粉症と診断がつきやすいのですが、咽頭痛、咳などだけの方もいます。このような症状が長く続く方は是非受診して下さい。

そのいびき大丈夫?…睡眠時頭は起きた状態に、あごの小ささも原因になります

そのいびき大丈夫?・・・睡眠時頭は起きた状態に、あごの小ささも原因になります

いびきは睡眠中の呼吸がうまくできていない場合に起きる。酸素が足りず息苦しくなると、むりやり一気に吸い込んだ大量の空気が狭くなった気道に流れ込み、音が出る。気道が狭くなればなるほど、吸い込む空気が増えれば増えるほど、いびきは大きくなる。「いびきをかいているときは頭が起きている」からやっかいだ。人間の体は睡眠中に副交感神経が主に働いてリラックス状態にあるが、いびきをかいているときは一生懸命呼吸をしているため、日中と同じように交感神経が活発になる。いびきが大きいと自律神経のバランスがより崩れ、血管が収縮しやすい方向に働き、高血圧になりやすい。米国の疫学調査では、高血圧症のなりやすさは毎日いびきをかく人はそうでない人と比べ男性で1.9倍、女性で3.2倍という結果になった。高血圧症が何年も続くと、心筋梗塞や脳梗塞といった血管系疾患の発症リスクを高める。軽い脳血管障害や脳卒中からいびきにつながるケースもある。神経機能がうまく働かず、気道を広げられなくなったり、呼吸のタイミングをコントロールできなくなったりして、変な呼吸になっていびきにつながるという。「いびきは体の不健康のサイン」と言うように、ほかにも潜む病気がある。アレルギー性鼻炎など鼻の病気だ。アレルギー性鼻炎になると、鼻がつまって鼻呼吸が難しくなり、就寝中に口で息をするようになる。口は鼻よりも大量の空気を吸い込むためいびきが出やすい。花粉症の人の中には今の季節だけいびきをかくという人もいる。

いびきで注意しなくてはいけないのが睡眠時無呼吸症候群だ。JR西日本の新幹線の運転士が「居眠り運転」していた問題でも有名になった。同症候群は睡眠中に10秒以上呼吸のない状態が断続的に続く。十分な睡眠時間をとっているつもりでも無呼吸状態が熟睡を妨げ、日中の睡眠不足を招く。ひどいと相手と会話をしたまま寝てしまうということもある。脳血管障害の人は睡眠時無呼吸だった人が多いという海外データもある。日本人の罹患(りかん)率は2~4%と欧米とほぼ同レベル。太った人に多いのですが、あごが小さい人にも多い。あごの形状は親子で遺伝するといわれており、親がいびきをかくと子も受け継ぐことが多いようだ。いびきは疲れているときやお酒を飲んだときに、気道を支える筋肉のゆるみから一時的に発生することもある。慢性的ないびきでなければそう心配することはありません。

まずは自分がいびきをかいているかどうか調べてみること。一人暮らしの人は録音機を使うとよいだろう。毎日のようにひどいいびきが続く場合は、耳鼻咽喉科や睡眠外来で一度診てもらうようにしましょう。専用の器具やマスクを使うと今までの体調の悪さが嘘のように改善します。

ジェネリック医薬品を上手に使ってみよう

ジェネリック医薬品を上手に使ってみよう

医師から処方される薬には、新薬とジェネリック医薬品の2種類があります。研究開発に莫大なお金と長い時間がかかる新薬に対して、新薬の特許が切れた後に作られたジェネリック医薬品は、価格が安いのがメリット。ジェネリックは有効成分、内用量、効能・効果は新薬と同じです。しかし、有効成分は全く同じでも、作る会社が違えば、製品としては微妙に違うものになります。あるいは、飲みやすくするために工夫している場合もあり、錠剤を小さくしたり、イチゴ味やリンゴ味等、子ども好みの味に変更しているものもあります。注意喚起のために包装を工夫したものもあります。薬によっては、ジェネリック医薬品が無いものもありますので、必ずしも全ての新薬をジェネリックに変更できるわけではありませんが、患者さんの意思を確認することが求められます。では、実際にどれくらいジェネリック医薬品が使われているのか。日本には約15000種類の医療用の医薬品があります。そのうち約半分がジェネリック医薬品です。ジェネリック医薬品は徐々に種類が増えていますし、置いていない薬局も減ってきています。また、ジェネリック医薬品に対して不安がある方もいらっしゃいます。当院ではジェネリックでも効果が変わらない薬を選択しています。また粉薬は味見もして飲みやすい薬のみ採用しています。医師の指示どおりにしていただくことが病気を治す上で重要です。長く使う薬はできるだけ安くて良い薬がよいと思います。長くお薬を飲まれている患者さんでは自己負担額はかなり違います。

2010-05-01 17:31:00

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2010年3月

Oneairway,onedisease(鼻から気管支まで一つの病態)

One airway, one disease(鼻から気管支まで一つの病態)

より良く喘息をコントロールしていくために、鼻炎のコントロールを考えることは、大きなポイントとなります。気管支粘膜と鼻粘膜は基本的な組織構造はきわめて似通っています。さらにもうひとつ大きなポイントは、解剖学的につながっているということです。
アレルギー性鼻炎も喘息も風邪によって増悪することです。インフルエンザのような非常に強い気道組織障害を伴う感染ばかりでなく、一般的なライノウイルスや小児のRSウイルス感染のような、気道上皮組織に障害を起こすウイルス感染が、喘息や鼻炎の症状を増悪させることが知られています。
気管支喘息とアレルギー性鼻炎の相互の関連を理解し、Oneairway,onediseaseという概念による総合的なアプローチが試みられています。スギ花粉に対して過敏性をもつ喘息患者の30~35%は、花粉の飛散期に喘息症状が増悪するといわれています。喘息患者がアレルギー性鼻炎を合併している割合は、国内外共にほぼ70%~80%と報告されています。また、逆に鼻炎患者さんが喘息を合併している割合は、ほぼ10~40%といわれます。スギ花粉に対して過敏性をもつ喘息患者の30~35%は、花粉の飛散期に喘息症状が増悪するといわれています。
アレルギー性鼻炎に副鼻腔炎を合併し、喘息も合併している場合があります。喘息に合併する慢性副鼻腔炎は、多発性のポリープ、強い鼻閉や嗅覚障害で、手術をしても再発が多く、きわめて難治性です。成人喘息に起こってくる副鼻腔病変でも、ポリープがたくさんあり、非常に難治で、手術が必要になります。再発も非常に多く、術後管理を半永久的にする必要があります。そういう意味で気管支喘息と非常に似ています。
耳鼻咽喉科医も鼻の所見だけ診ていてはいけないと考えます。耳鼻咽喉科医からみると鼻の所見でかなり気道全体の所見を推定できます。最近では喘息の患者さんが多くなってきています。気道全体を診ることがより良い治療効果を得ることができます。当院では額帯鏡と聴診器は常にセットです。

コーヒーを飲む人は脳卒中になりにくい

コーヒーを飲む人は脳卒中になりにくい

以前からもこのような報告がされています。コーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて脳卒中を発症するリスクが29%も低いことが2万人規模のコホート研究によって示されました。コーヒー嗜好以外の生活習慣や年齢・性別などの影響は認められず、コーヒー自体になんらかの好ましい作用がある可能性があるという。調査対象はコーヒーを飲む人は約1万7800人、飲まない人は約4500人であり、飲む人の平均摂取量は3.1±2.2杯でした。これらの人々に対する平均12年の追跡の結果、計855件の脳卒中の発生が報告された。摂取量別の解析では、コーヒーを1日2杯、もしくは3~4杯程度飲む人で低く、1日1杯だけ飲む人や5杯以上飲む人では若干高くなる「Uカーブ」が認められた。また、コーヒー摂取者におけるHRの低下は、レギュラーあるいはインスタント、カフェイン入りあるいはカフェイン抜きの別にかかわらず認められた。 
報告をまとめると、中高年の男女におけるコーヒーの摂取は、既知の脳卒中危険因子や生活習慣とは独立して、脳卒中のリスクを約30%も低下させることが示されました。その機序については不明ですが、コーヒーに含まれる成分は糖代謝に好ましい影響を与え、神経保護的に働く可能性が動物実験で示唆されています。カフェイン以外のコーヒー含有物が脳卒中リスク低下に寄与すると考えられる。コーヒーの抗酸化性質が炎症を抑制し、血管機能を改善する可能性が考えられています。また、臨床的にもコーヒーの摂取は強力な脳卒中危険因子である2型糖尿病を抑制することが報告されています。一日3杯のコーヒーは健康に良いようです。

2010-03-01 17:27:00

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2010年1月

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。開院して8年が経ちました。
昨年は新しいエコーが入り、鮮明な画像とともに腫瘍の硬さまで分かるようになり頭頸部の腫瘍の診断に威力を発揮しています。
今年はレントゲンのデジタル化を導入し、常に綺麗な画像で患者さまに情報を提供できるものと考えています。器械の進歩だけではなく、多くの患者さんに支ええられ、私自身も治療技術が開院時と比べると進化しています。また、新しい薬が出てくるとともに古くても良い薬があります。そのような薬はジェネリック(後発薬)を使用してきました。例えば喘息に使う抗アレルギー薬であるオノンという先発品は長期に使うにもかかわらず高額です。しかしジェネリックにすると約半額になり、剤形も錠剤(先発はカプセル)と飲みやすくなっています。薬代を安くしても治らなければ意味がありません。治らないからといって病院をいくつも変えられている患者さんがいます。そのようなことがないように当院で治せる病気は早期に、治せない病気は他院へ紹介、治療するのがモットーです。医療関係者(医師、看護師)に支持されていることが大きな励みになっています。今年も的確な診断と丁寧な処置に勤めてまいりますのでよろしくお願い申し上げます。

鼻は呼吸器系の病気の鏡

鼻は呼吸器系の病気の鏡

鼻の中を観察すればアレルギー、炎症の有無が容易に分かります。アレルギーの中でも特殊な好酸球増多性疾患の有無も分かります。咳をしていたら炎症性なのか、アレルギー性なのかの判断が出来ます。もちろん聴診もしますし、レントゲンも必要に応じて撮ります。鼻が悪いだけでも咳が多くなり、小さな子供では発熱することがあります。のどの調子が悪いときもアレルギーが関与していることも多くあります。神経症と診断されている方も多いように思います。内科で治らなかったことがすぐに良くなるケースが多々ありました。もちろん喉頭がんであった方もありましたがそのためにも耳鼻咽喉科への受診を勧めます。ただし、診断力は医師によって異なります。

2010年のスギ・ヒノキ科花粉飛散予測

2010年のスギ・ヒノキ科花粉飛散予測

新年が明けると花粉症患者さんにとって憂鬱な季節になります。2010年のスギ・ヒノキ科飛散動向について、例年(過去10年の平均)並みか、やや下回る飛散量が見込まれています。ただし、例年の平均飛散量は、それ以前の10年に比べて多いことから、今年の飛散量は決して少なくありません。また、飛散開始が早まる可能性があります。スギ・ヒノキ科花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響します。スギでは、7月中旬~下旬の気温や8月中旬までの日照時間、ヒノキ科花粉の場合は前年8月の平均気温と降水量が大きく影響し、前年春の花粉飛散量にも左右されます。昨年7、8月の平均気温は全国的に低く、長梅雨の影響で降水量が多めであり、日照時間が少なかった。昨年の飛散量は多かったことを考慮したうえで、気象条件からの予測では、今年のスギ・ヒノキ科花粉の飛散量は全国的に今年よりも少ない地域が多くなることが考えられる。

ただし、全国的に昨年と比べて減少、また例年(過去10年間の平均値)に比べて少ないとの予想としても、飛散量が多いとされる2,000個/cm2/season(以下、個)の地域が半数以上との予測に注意が必要である。静岡県以西の多くの地域では例年と大差なく、半数以上の地域で予測飛散量が2,000個を超えることが見込まれています。2000個を超えると重症者がでます。例年と変わらず警戒が必要です。

2010-01-01 17:26:00

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