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2008年4月

2008年4月

ごあいさつ 4月号

ごあいさつ 4月号

今年は三重県ではスギ花粉が多く飛ばず、症状が軽かった人が多いのではないでしょうか。
4月からはヒノキ花粉症の方がつらい思いをされます。ヒノキにアレルギーのある方は気をつけて下さい。

また、4月からは保険制度の改変があり、75歳以上の方は後期高齢者医療保険制度になります。保険証が変りますので注意して下さい。
診療報酬点数も変りましたので同じ治療の方でも支払う金額が異なることがあります。ご了承お願い申し上げます。

喉頭癌の治療 4月号

わが国の喉頭癌罹患率は人口10万人あたり3~4人と推定されています。肺癌とともにタバコが原因であります。喉頭癌患者の95%は喫煙者で、Brinkman指数(1日の喫煙本数×年数)が600を超えると高危険群とされています。

喉頭癌は大きく声門型、声門上型、声門下型の3つの型に分けられています。ほとんどの喉頭癌は声門型で声枯れが早期に出現します。次に多い声門上型は早期に症状が出にくく、進行してから発見されることが多い。声門下型はごく少数です。つまり喉頭癌は声帯といって声をつくるところに癌が発生しやすく、早期に声枯れで見つけやすい癌ですが、声帯に発生しなかった癌は見つけにくく発見が遅れるということです。

治療は腫瘍の進展度によって違います。大きく放射線照射(化学療法併用もある)と手術があります。早期がんは放射線治療のみで治せますが進行癌になると手術が選択されます。手術でも音声を残す手術と喉頭を全部とってしまう喉頭全摘出術があります。手術の基本は生命を救うこと、次に術後生活の質を落とさないことを考えて治療します。

早期がんで万が一放射線治療後に再発した例には早期発見であれば喉頭を残す手術(喉頭部分切除)が可能な場合があります。私が行った喉頭部分切除で今までの再発例は幸ながら1例もありません。癌は早期発見と治療後は定期的な観察との再発の早期発見で癌を乗り越えることができます。

ノーベル賞も決まりか 世紀の大発見 4月号

ノーベル賞も決まりか 世紀の大発見

京都大学の山中伸弥教授らが昨年マウスの皮膚からヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)を樹立した。iPSとは人工的に誘導した多能性幹細胞、つまり一つの細胞からいろいろな細胞、組織、臓器に分化できる万能細胞を人工的に作り出したのです。

今まではES細胞といって受精卵から取り出した細胞(これも万能細胞)しかなく、人の細胞で研究に使うには倫理的問題があり、研究の足かせになっていました。そのため、文部科学省はヒトクローン胚研究利用作業部会がヒトクローン胚から作られるES細胞の作成、利用に関する規制が作られていました。クローン胚を作るには卵子が大量に必要となるのです。人間の卵子はそう簡単に手に入りません。倫理的ハードルが高いのです。ヒトの皮膚から作ることができたならこの問題は一挙に解決です。

iPS細胞に反応したのは研究者だけではない。米ホワイトハウスは07年11月、ヒトiPS細胞作成が発表された当日に「倫理的な研究の前進に大変喜んでいる」と異例の声明を出した。ブッシュ大統領は今年1月の一般教書演説で「医学の未開拓だった分野へと広がっていく。資金援助したい」と踏み込んだ。ローマ法王庁(バチカン)も「人(受精卵)を殺さず、多くの病気を治すことにつながる重要な発見」と評価した。いずれも受精卵を壊して作る従来の「胚(はい)性幹細胞(ES細胞)」研究に反対していた。

山中教授は人間の皮膚の細胞に4つの遺伝子を導入することにより、万能細胞がうまれたのです。いったいこの細胞が今後どのように利用されるのかというと、生体移植などがなかなか進まない中で臓器を自由に作り移植できれば理想です。つまり再生医療にとって欠かせない手法なのです。
これからはこの細胞を治療用の細胞に分化させる技術を確立し、臨床に役立ててほしいものです。たとえば糖尿病の人の皮膚からインスリンを作る細胞を作成して体内に移植してインスリンを注射しなくて済むよう糖尿病を治療できたりできます。病気の人から病気の臓器と同じ臓器を作り、新薬候補物質をいろいろ試すこともできます。

薬の開発にも大きく影響するでしょう。日本政府は国を挙げてこの研究に支援をすることになり、今年から5年間に100億円の予算を投じるそうです。この分野で日本が最先端を走れるよう各大学、企業が連携し、多くの特許をとっておきたいものです。

ヤマナカ教授の発見は難病の治療や解明に役立つノーベル賞級の成果であることは間違いありません。

甲状腺の病気 バセドウ病 4月号

バセドウ病は免疫異常による病気で、自分の体の中で甲状腺に対する抗体ができ甲状腺を攻撃するのです。結果、ホルモンが過剰に作られ体に異常をきたすようになります。この病気の症状は動悸や息切れ、体が疲れやすいなど全身にさまざまな体調変化が現れます。

こうした症状はほかの病気でも良く見られる症状ですが、検査をすればすぐにわかります。バセドウ病は新陳代謝が活発になります。通常の作業でも動悸がしたり、息切れ、汗が出やすい。食欲はあるのにやせてきたり、甘いものを多くとるようになり太ることもあります。精神面でも神経が過敏になり、ちょっとしたことでいらだつようになります。身体の症状は眼球突出や甲状腺の腫れ(前頸部の腫脹)ですが、眼球突出も2割ぐらいの人しかおこりません。甲状腺の腫れもはっきりしないこともあります。

毎年20万人が発症しているといわれていて、女性が男性の4倍と多く、中でも20から30歳に多い。妊娠やストレスをきっかけに発症することもあります。治療は甲状腺ホルモンを抑える薬を飲みます。徐々に減量して薬を服用しなくてもよくなることもありますが、再発しやすい病気ですので薬がなくなっても定期的な検査が必要です。

2008-04-01 00:00:00

2008年

 
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