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2010年12月

2010年12月

今年も残りわずかになりましたこの地域ではインフルエンザの流行はありませんが胃腸風邪が流行っています。手洗いを励行して下さい。
来年は花粉症が猛威をふるうとの情報が浸透し、すでに年末から早期治療をしておこうとする患者さんも増えてきました。

SAS睡眠時無呼吸を早期に発見しましょう

SAS睡眠時無呼吸を早期に発見しましょう

睡眠中に呼吸が止まり、良質な睡眠を妨げるSAS(睡眠時無呼吸症候群)。心身だけでなく社会に及ぼすリスクも深刻で、正確な知識の普及と対策が求められている。

2003年、新幹線の居眠り運転事故が世間を騒がせた。運転士を襲った急激な睡魔の原因は、SAS(睡眠時無呼吸症候群)。この報道により、SASは身体に悪影響をもたらし社会を揺るがす大事故の当事者になり得る深刻な病気であることが世に広まった。

SASにはいくつか種類があるが、患者数の約9割を占めるのがOSAS(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)で、口蓋垂(こうがいすい)や舌の付け根が気道をふさぎ、睡眠中に呼吸ができない状態が続く。10秒以上空気が通らない状態を無呼吸と呼び、1時間当たり5回以上の無呼吸状態と昼間の眠気やだるさ、頭重感などを感じる場合、あるいは自覚症状がなくても無呼吸状態が1時間に15回以上ある場合にOSASと判断される。特に呼吸に必要な上気道の筋力が衰える高年齢者には身近な病気といえる。

OSAS自体の主な症状はいびきや睡眠中の頻繁な覚醒(かくせい)、浅い眠りなどだが、日中に及ぼす影響も大きい。疲れが抜けず作業能率は落ち、身体が睡眠の量を確保しようとするため、前述の新幹線運転士のように強い眠気が生じやすく、しばしば業務、自動車運転などでトラブルを引き起こす。さらに、高血圧症や高脂血症、糖尿病といった生活習慣病発症のリスクも高まる。怖いのは、睡眠中の体内酸素量低下と中途覚醒による自律神経の高ぶりが悪循環を生み、心臓への負担や血圧の上昇を招き、重大な心血管障害を引き起こす可能性があることだ。また、うつ病やED(男性機能障害)なども健常人に比べリスクが高くなる傾向にある。

OSASと密接な関係にあるのが肥満。余分な脂肪が喉(のど)を狭めることで呼吸を妨げやすくなる。体重が10%落ちると無呼吸は約30%減るというデータもあり、運動などで肥満対策を講じることはOSAS予防の一つの手段である。

睡眠障害による経済損失は多大で、米国では国を挙げての対策が講じられている。日本でも「SAS睡眠時無呼吸発見プロジェクト」など、SASを周知し無自覚な患者が多い状況を改善しようという動きが広まっている。SAS治療ではマウスピースを使った顎(あご)の矯正や、睡眠時に空気を送り込み気道を確保する「CPAP」という医療機器が高い効果を上げている。

睡眠時無呼吸症候群セルフチェック表

設問に2、3項目当てはまればOSASが疑わしいことになり、医師に相談することをお勧めしている。7つ目の設問はOSASの症状そのもの。このチェックは家族や友人に尋ねるきっかけになるはずです。3点以上が病院での診療が必要です。肥満や常習的ないびきなど思い当たる項目があれば早い段階で医師に相談し、検査や治療を受けることをお勧めします。

SASに対する多くの誤解

SASに対する多くの誤解

肥満や日中の眠気などはSASを疑うに足る条件だが、だからといって「やせているから大丈夫、昼間に眠気を感じないから大丈夫」ということではない。SAS患者の約40%は肥満度が正常であり、昼間の眠気に関してはSASの重症患者でも3人に2人程度は感じていないことが分かっている。「1億総睡眠不足」といわれる今の日本でSASを自らのこととして考えるために、さまざまな偏見を排してその正体を正しく知る必要がある。

なかでもいびきへの偏見は、SASの発見を遅らせる要因の一つだ。日本人にはいびきを「よく寝ている証拠」「恥ずかしいもの」という意識が根強い。
だが、いびきは「気道が狭くなっている」と助けを求める声なのだ。身体に大きな負担を与え、常習的になると一晩中休まることがない。

大切なのはいびきの症状に気付くことができるのは、当人ではなく周囲の人たちだということ。周りに異常ないびきをかく人がいたら、ぜひSASの検査を勧めてほしい。
ほかにも、「若いころより体重が増えた」「血圧が高い」「どこでも寝られる」「夜中に2回以上トイレに行く」「寝相が悪い」「起床時に喉が痛い、乾いている」といったことが疑わしさを示す因子だということを知っておいてほしい。

自分の血圧値や血糖値を把握している人は多いが、様々なリスクを高めるSASの重症度を自己認識している人は少ない。
だが、重症患者を治療せずにおけば、12年後に致死的心血管事故を起こす割合は約17%。健常人では約4%なので、リスクは極めて高くなっていることが明らかだ。
後遺症をもたらす心血管事故にいたっては、12年後SASの重症患者の3人に1人程度が発症すると予測されている。

しかし、いずれも「CPAP」で適正な治療を受ければ健常人と同程度の発症率にまで抑えられる。CPAPに関しては「身体が軽く感じ脳がいつもスッキリしている」という使用者の声が寄せられるように、日常生活改善への期待感も高い。
今と未来を健康に暮らすために、早い検査と治療が肝心だ。今は自宅でできる簡易的な検査装置もあり、SASを発見しやすい環境が整っている。

自宅でできるSAS対策としては、抱き枕の活用などが挙げられる。あおむけに寝ると重力で口蓋垂や舌が下がり、気道が狭くなりやすくなる。枕を抱いて横向きに寝ると、気道が確保でき、いびきもかきにくくなる。
また、咀嚼(そしゃく)も大切だ。現代社会で人々の咀嚼回数は減少傾向にあり、今後のSAS患者数が大幅に増加すると指摘されている。SASを発症しやすい顎が細い面長の顔が増えると予測されているからだ。
特にアジア人は白人に比べて骨格が小さく脂肪が付きやすく、白人と同程度の肥満度でもSASの重症度は高くなる。
バランスの取れた食事で咀嚼を多くし、また適度な運動を心がけることが大切だ。

ある患者はひどい疲労感で病院に行き、SASだと分かると同時にそのまま心不全を起こし、意識不明となった。
重症のSASだと分かりCPAPで治療を続けるようになってからはしっかり睡眠もとれるようになり、翌朝に疲労感が残ることもなくなった。
機械のサイズも小さく、寝室で場所を取ることもない。小さなモーター音を発するが、空気清浄機ほどの音で家族も「いびきより静かだ」と歓迎してくれている。

健康の3要素は栄養・休養・運動であり、休養の基本は睡眠である。SASについて正しく知り、またリスクを把握し、当人だけでなく周囲の人がサポートし合うことが睡眠を守ることにつながるのです。

2010-12-01 17:42:00

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