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2009年6月

新型インフルエンザ

新型インフルエンザ

新型インフルエンザが発生してからまだ1ヶ月というのに世間ではすでに忘れさられつつあるようです。今後、南半球のインフルエンザシーズンでどのような挙動を取るかが注目されます。現在、オーストラリアでは感染者が急増しており、ヒトからヒトへ感染が進むウイルスの変異に注目しておく必要があります。わが国では、季節性インフルエンザが流行し始める秋から冬にかけて、A型インフルエンザのソ連型(A/H1N1)、香港型、新型インフルエンザの第2波、B型インフルエンザの4種類の流行の可能性が指摘されています。

日本では幸い死者が出ませんでしたが、重症例や死亡例は当初からメキシコに集中しました。弱毒性の見方が強まるものの、わが国ではこうした数値に過度の不安を持つ国民も少なくありません。混合診療のメキシコでは、おもに私立病院で高水準の医療が提供されますが、高齢者や子供が無料で受診できる公立病院では満足な治療が受けられないケースが珍しくないそうです。上気道炎で私立病院に受診し、3日分の抗菌薬などを処方されると1万円ほどになる。メキシコシティーでの平均月収は日本円で4万5,000円程度とされ、国民にとって病院は気軽に受診できる場所でないことがわかる。現地では患者の多くが重症になってから受診しているとの情報もあり、こうした事情が背景にあるのかもしれません。

一方、鶏インフルエンザ(H5N1)のヒト感染例は、5月に入ってからも散発的に続いています。エジプトでは4例の死亡が出ています。ベトナムでも新たな感染者が現れ、死亡者が出ています。まだまだ鶏インフルエンザには注意が必要と考えられます。医療機関における新型インフルエンザ(A/H1N1)ウイルスの感染対策について政府が示している運用指針が、患者数が少数の地域と増加した地域で異なる「1国2制度」の状態です。患者が少数の地域と増加した地域で対応を変えている。例えば、発熱外来について前者では「発熱相談センターに電話のうえ受診」としているが、後者では「一般の患者と交わらない対策が取られた一般医療機関での受診も認める」。また、学校や保育施設については、前者は「市町村単位などでの一斉休業を要請。1週間後に再開検討」、後者は「自治体が個別に判断(季節性インフルエンザと同じ)」としている。このように「1国2制度」状態はおかしいとおもいます。早く統一した「軽度の感染対策」としての位置づけをしていただけるよう望みます。

胃内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)前の禁食、米飯だと10時間必要、パンなら6時間

胃内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)前の禁食、米飯だと10時間必要、パンなら6時間

上部消化管内視鏡の検査前禁食は、日本では前夜9時からが一般的。しかし、米国消化器内視鏡学会(ASGE)のガイドラインでは、禁食時間を固形物で最短6時間、液体は同4時間と規定している。この違いは、パンと米飯の消化時間の違いに由来するようです。米国消化器内視鏡学会でこのたび報告では、パンでは6時間以内に完全に胃内が空になるのに対し、米飯では10時間かかることを確認されました。年齢や性別には関係ないようでした。やはり、検査前日の夜9時からの禁食は正しいようです。当院では、咽頭~喉頭~食道まで診る内視鏡をしており、検査前3~4時間禁食していただけたら、検査できます。

日本脳炎の新ワクチンがついに発売

日本脳炎の新ワクチンがついに発売

日本脳炎の新たなワクチンが、2009年6月に発売された。従来のワクチンが2005年に勧奨中止となってから約4年を経て、ようやく新しいワクチンが医療現場で使用可能となった。マウス脳を用いて製造される従来のワクチンは、ワクチン接種後に重症の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)を発症した例が報告されたことから、2005年5月末に、積極的勧奨を中止するよう厚労省が市町村に勧告していた。この乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン(商品名ジェービックV)は、Vero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来株化細胞)を用いて製造されるため、接種によるADEM発症のリスクは低いと期待されます。現在、日本脳炎の定期予防接種スケジュールは、第1期3回(初回接種2回、追加接種1回)、第2期1回の計4回となっている。今回発売された新ワクチンの生産量は約30万個で、対象者全員の必要量に満たない。また、第2期接種における有効性・安全性はまだ確立されていないことから、現時点では第1期の初回接種のみに使用するように勧められています。2005年の勧奨中止によって接種の機会を逃してしまった対象者にどう対応するかは、今後も継続して検討していくそうです。三重県では厚生労働省の方針にかかわらず積極接種を勧めてきましたので他県と比べこのような方は少ないと思われます。新ワクチンの発売当初は供給が追いつかないことや、安全性の確認などの観点から、同省は現段階では積極的勧奨は差し控えるよう通知しています。

イライラ・無気力・動悸など更年期障害と思われる方は甲状腺の病気の可能

更年期障害と診断された患者さんのうち甲状腺の病気が見つかることが多い。甲状腺の病気には良性・悪性の甲状腺腫瘍、甲状腺ホルモンが過剰に出る機能亢進症(バセドウ病)逆にホルモンの分泌が悪い機能低下症(橋本病など)があります。腫瘍の場合ほとんどがホルモンの異常を示すことが少ないので、更年期障害のような症状は現れません。ホルモンが過剰に出ると体重減少、動悸、息切れ、イライラ感がでてきます。多くは女性ですが、男性もあります。必ずしも目が突出したり、首の腫れがあるわけではありません。逆に甲状腺の働きが悪くなる病気が橋本病です。甲状腺が全体に硬くなりホルモンの分泌が悪くなります。うつ病や認知症などの症状が出現し、血液検査でコレステロールも高くなります。心当たりのある方は一度受診をお勧めいたします。