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2014年5月

本格的な花粉症シーズンがきました。

今年5月頃と予定されていたスギ花粉症治療に対する舌下免疫療法の
「シダトレン」発売は今年の秋以降に延期されました。期待されていた
方も多いのではないかと思います。今年の秋だと効果が出るのは来年の
花粉症には間に合わないかも知れません。今年はスギ花粉症の方は楽に過ごせたと思います。
 

お酒を飲んで顔が赤くなる人は注意

お酒を飲んで顔が赤くなる人は注意

京都大学の武藤学教授らがまとめた研究などから、お酒を飲んで顔が赤くなるタイプの人は食道がんを発症するリスクが高いことが分かりました。食道は咽頭から胃に至るまでの長さ約25センチメートルの筒状の管で、この内腔の粘膜にできる癌を食道がんと呼びます。武藤教授らは健常者1000人と食道がん330人を比較し、内視鏡検査によって食道がどのくらいダメージを受けているか調べました。調査の結果、食道のダメージは顔が赤くなるタイプで1日4合お酒を飲む人の発症リスクは1721倍になりました。2合でも751倍、1合では30倍でした。顔が赤くならない人は赤くなる人ほどリスクは高くないが、それでも食道のダメージは飲酒量が4合だと516倍になるそうです。アルコールは体内でまずアセトアルデヒドという物質に変わり、酵素の働きで無害の酢酸に分解されます。分解酵素の能力は遺伝子のタイプで異なり、能力が低いと体内に有害物質が長時間とどまり、顔が赤くなります。食道がんの最も大きな原因は飲酒です。飲酒により食道の粘膜が傷つき、ダメージを受けるのです。
 食道がんは国内で年間約2万人が新たに診断され、約1万2千人が亡くなっています。発症は50~60代に多く、女性よりも男性の割合が高い。国立がん研究センターがん対策情報センターによると、がんと診断されてから5年後にどのくらいの人が生存しているかを示す「5年相対生存率」は男性で32%、女性で41%です。これに対し、胃がんは男女とも6割強、大腸がんは7割前後で、食道がんはかなり下回っていることがわかります。
 この理由の一つが、リンパ節に転移する確率が大腸や胃より食道の方が2倍以上高いからです。また、食道の周囲には転移するリンパ節があるとともに肺、気管、心臓、大動脈など重要臓器と接しています。患部を切除する手術では胸と腹を同時に切開する必要があるため体への負担が大きくなる。ただ最近は食道がんの治療成績が向上しており、手術ができた場合、5年後の生存率は約5割になってきています。初期は自覚症状がほとんどない食道がんですが、内視鏡検査などで早期に見つかれば、負担の少ない手術も可能になります。その場合は5年後生存率が9割程度になります。
 抗がん剤や放射線治療も進化しています。がんの進行度によるが、食道を温存しながら治療を進める方法も選べるようになりつつあります。最近は手術、抗がん剤、放射線などの複数の専門医がチームを組んでがんと向き合う例も増えている。患者は自分の意見を医師に伝え、よく相談して病状に合った治療法を選ぶようにしたい。
 飲酒以外では喫煙も発症リスクを高めます。野菜や果物をあまりとらない人も気を付けたい。暴飲暴食を避けることも大切です。そして、食べたり飲んだりする際にしみる、物がつかえる感じがする、食道に何かある感じがする、といった症状が表れた場合は放っておかず医療機関を訪ねてください。