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2015年4月

耳を触る・言葉遅い・反応鈍い…中耳炎かも 、気づかず放置、難聴の恐れ

耳を触る・言葉遅い・反応鈍い…中耳炎かも 、気づかず放置、難聴の恐れ 風邪やインフルエンザが流行する季節は、子供の中耳炎も増える。耳の痛みや違和感を言葉にしにくい子供では治療が遅れることも多い。特に、痛みや発熱などを伴わないタイプは気づかず放置してしまうこともあり、難聴になることもあります。
 中耳炎は、鼓膜の奥の部分である中耳に何らかの原因で炎症が生じる病気です。中耳は耳管で口や鼻とつながっています。耳管は大人に比べて子供は平らで短い。このため鼻やのどに入った細菌やウイルスが奥に到達し、中耳にも届きやすい。大人より子供が発症しやすいのです。子供の中耳炎は風邪を引いたときなどに急に起こるのが急性中耳炎です。肺炎球菌などの細菌やウイルスの感染によって中耳に急性の炎症が起き、鼓膜が赤くはれ上がる。耳の痛みがあり、発熱や耳からウミが出ることもあります。急性中耳炎は1年以内に何回もくり返す場合、特に反復性中耳炎と呼ばれる。さらに慢性の中耳炎になることもあります。
 もう一つが滲出性中耳炎です。中耳に滲出液と呼ぶ水がたまる。量が多くなると鼓膜の動きが弱くなるなど聞こえが悪くなる。3~6歳児を中心に多く、子供の難聴の原因として最もよくみられます。このタイプの約半分は急性中耳炎の後に続いて起きることが多い。耳の痛みなどの症状があまりないため、見逃されるケースも多い。就学前児童の90%が一度は罹患し1歳までの罹患率は50%以上、2歳までに60%以上の児が罹患します。多くは3ヶ月以内に自然治癒しますが3~40%で再発し、5~10%は治癒まで1年以上を要します。いずれのタイプも抗菌薬を使ったり手術をしたりして治療する。滲出性中耳炎の治療については2015年診療ガイドライン(指針)が作られました。ガイドラインの特徴は治療ではまず抗菌薬や消炎剤を使うなどし、3カ月間経過観察して効果がないと判断したら手術を検討するという手順を示しています。手術は鼓膜に直径2~3ミリメートル程度の小さなチューブを挿入します。鼓膜を少し切開して入れたチューブの穴から常に空気の出入りができるようにする。中耳を乾燥させて中耳の粘膜の炎症が改善するのを待つのです。手術は乳幼児では1泊程度入院して実施する例が多いが、年長になると入院しないで外来で実施できます。チューブを入れるとすぐに聞こえるようになります。チューブには1年以上つけておくタイプと、半年から1年の短期間タイプがあります。日常生活に特に不便はなく、入浴も問題ない。ただ、水泳では、耳栓などを使い水が入らないよう注意しなければならない。乳幼児期に耳の聞こえが悪くなると言葉の発達などに影響が出る恐れもある。中耳炎はだれでもなる病気。言葉の発語が遅い場合や反応が鈍いなと感じたら、原因のひとつとして滲出性中耳炎を疑ってみたほうがよい。

電子たばこの危険性

電子たばこの危険性 電子たばことは、ニコチンを含んだ微量の溶液を数ボルトの電圧で加熱して蒸気化させ、それを吸引することで紙巻きたばこと同様な満足感を得ようという製品。紙巻きたばこと似たような蒸気の「煙」が出るが、葉たばこの燃焼に伴う有害なタールなどは含まれず、ニコチンのみを吸入できるとうたわれた。さらに吸引する溶液に、キャンディーやチョコレートといった多様な香料(フレーバー)が加えられるようになった。
 入手や公共の場での使用に関する規制も当初はなかったことから、欧米での普及は早かった。急速な普及の一方で問題も顕在化してきました。その1つが未成年への浸透です。青少年が電子たばこの常習によってニコチン依存となり、より強い刺激を求めて喫煙に移行してしまう可能性だけでなく、一度禁煙した人が電子たばこの使用をきっかけに喫煙状態に戻ってしまう可能性も指摘されています。そこで欧米では、相次いでたばこ製品に準じた規制を導入し始めました。急速に普及した理由は、電子たばこは紙巻きたばこより健康への害が少ないとふれこみのためです。確かに紙巻きたばこの煙に比べれば有害物質は少ないと想像できるし、電子たばこによって禁煙や節煙が可能という研究結果も発表されています。一方、一部の電子たばこの蒸気から、健康に問題となる量のアルデヒド類が検出されています。ニコチン中毒の観点からはどちらも同じということを理解すべきです。日本も電子たばこの具体的な規制を早くすべきと思われます。