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2018年8月

熱中症・夏バテ予防に…意識したい「糖質+ビタミンB1」

熱中症とは、暑い環境に体が順応できず、脱水や深部体温(脳や内臓の温度)の上昇によって生じる心身の異常全般をさす。めまい、頭痛、吐き気、倦怠(けんたい)感などで始まり、ひどい発汗(逆に汗が出なくなることもある)や頻脈が出現する。症状が強いと筋肉の痛みやけいれん、失神、意識障害に陥る。重症になると内臓への血液循環が悪くなり臓器不全が起こり死に至る病気です。
暑くなると食欲が落ちるもの。しかし食事をきちんととらないと、夏バテを起こしてしまう。夏バテで体力が落ちると熱中症にもなりやすくなります。食事や睡眠がしっかりとれていれば、重度の熱中症になることはほとんどありません。特に、食が細くなりがちな高齢者は意識してバランスよくしっかり食べることが必要。必要な栄養素をきちんととって夏バテを防ぐことは、熱中症予防にもつながります。
夏はどうしてもサッパリとした麺類などに偏りがちになってしまうが、麺類は糖質の多い食品。糖質は大切なエネルギー源ですが、ビタミンB1を一緒にとらないと糖質をうまくエネルギーに変えることができず、夏バテしやすくなってしまいます。ビタミンB1は、豚肉、ウナギ、玄米、大豆、そら豆、モロヘイヤなどに多く含まれる。更に効果的なのはB1の吸収を良くするアリシンと一緒にとること。アリシンとは、ニンニク、ネギ、ニラなどに含まれるイオウ化合物で、調理するときはすりおろしたり細かく刻んで摂取した方が良い。例えば刻んだネギを載せた冷ややっこや、豚肉とニラの炒め物などです。ご飯や麺などの糖質を食べるときは、ビタミンB1を含むタンパク質である豚肉、大豆などを一緒にとりましょう。
さらに熱中症対策として、水分の補給は基本です。夏の1日に必要な水分は体重(キログラム)×30mLが目安とされています。体重60キロの人なら1,800mLとなります。 熱中症予防にスポーツドリンクを飲む人もいますが、糖分や塩分が多く含まれています。熱中症になったときは体内に素早く水分を取り込めるので有効ですが、予防として日常的に摂取することは健康な人にはあまり好ましくありません。麦茶やミネラルウォーターなど、無糖のものを選びましょう。

iPS医療、パーキンソン病で治験 京大の計画

iPS細胞から神経細胞のもとをつくり、パーキンソン病患者に移植する京都大の医師主導臨床試験(治験)計画を国が了承したことが話題になっています。パーキンソン病は脳で神経伝達物質のドーパミンを分泌する神経細胞が失われる難病。体が震えたり筋肉がこわばったりする。体の震えや歩行障害から始まり、衣類の着脱・食事・寝がえりなど、すべての動作に支障をきたすようになります。次第によだれや食事をうまく飲み込めなくなる。幻覚・幻聴・うつ症状・記憶力の低下・不眠などの症状が現れます。どもるなどの言語障害が進みます。半数に認知症が現れることがあります。最後は日常生活が全面的に困難となり、生活の基本がベッドになります。移動には車いすを使用し、自力歩行はほぼ不可能となってしまします。症状を和らげる飲み薬などの治療では神経細胞の減少を止められず、根本的な治療法はありません。そこで健康な人の細胞から作製し備蓄するiPS細胞を活用。神経細胞を作製して約500万個を患者の脳に移植し、失われた機能を補う。移植した細胞の一部が脳に定着し、症状が改善して飲み薬の効果も高まると期待されています。
iPS細胞は体のあらゆる臓器や組織に変化できる細胞のことです。「万能細胞」と呼ばれます。皮膚など体の細胞に遺伝子を導入して作ります。京都大学の山中伸弥教授が作製法を開発し、2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。iPS細胞は病気や事故で失った体の機能を取り戻す再生医療の切り札といわれます。iPS細胞から目の網膜や心筋など様々な細胞の組織に変化させ、患部に移植します。組織が定着して機能すれば、難病を克服できると期待を集めます。今回の治験では、iPS細胞から神経細胞をつくって、パーキンソン病患者の脳に移植して、体の震えなどを治すことを目指します。これだけでこの難病が治癒するか不明ですが治療の一つの選択肢がふえ、患者さんには朗報といえます。