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2019年7月

梅雨時の咳や痰、原因は「ホコリに潜むカビ」かも

 

喘息の人は特に注意、アレルギー性肺アスペルギルス症の怖さ
カビの棲みかは浴室や台所だけではない
 カビはお風呂場などのジメジメとした湿度の高い場所に生える、と誰もが思うもの。しかし、実はリビングや寝室のようなごく普通の居住空間にも、たくさんのカビが棲んでいる。
 浴室やトイレ、台所にいる“水回りのカビ”と、リビングや寝室にいる“ホコリのカビ”の性質は全く違います。水回りのカビは湿気が大好きで、湿度90%くらいの環境に生えます。それに対し、比較的湿気がなくても生きていけるのがホコリに潜むカビで、ホコリと一緒に空気中を漂っています。
 水回りのカビが原因で起きる病気には、喘息や副鼻腔炎などのアレルギー疾患や、夏型過敏性肺炎などがあります。夏型過敏性肺炎は、古い木造家屋の腐った木や浴室、トイレなどに発生する、トリコスポロンという真菌を吸い込むことで引き起こされる肺炎。肺を破壊することもある病気で、頻度としては非常に少ない。
 むしろ怖いのは、ホコリのカビの1つ、アスペルギルス・フミガタス(以下、フミガタス)が引き起こす、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症です。われわれは、浴室ではなく、リビングや寝室のホコリを吸う機会のほうがずっと多いのです。
 アスペルギルスには250~300もの種類があり、中にはまったく無害のものも存在する。たとえば、アスペルギルス・オリゼーは、日本人には馴染みの深いコウジカビです。オリゼーは塩麹や醤油、味噌などの旨み成分を出してくれるありがたいカビだが、フミガタスは違う。 フミガタスを吸い込むと、アレルギー反応を起こし、気管支炎や肺炎を引き起こすことがあるのだ。これが、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(以下、アスペルギルス症)で 、治療が遅れると、肺の組織が破壊され、呼吸不全を招きかねない、怖い病気だ。国内に20万人もの患者がいると推測される。 アスペルギルス症は、7~8年も診断がつかないことがよくある。アスペルギルス症は咳や痰などのありふれた症状が多く、風邪や気管支炎、通常の喘息と紛らわしいからだ。また、ここ数年、「長引く咳=咳喘息の可能性が高い」という認識が医師の間に広がってきたこともあって、咳喘息の診断を受け、治療していたのに、実は咳喘息ではなくアスペルギルス症ということもあります。
カビの多い環境に住んでいると、誰もがアスペルギルス症になってしまうわけではありません。カビに対するアレルギー反応を起こすかどうかには体質が大きく影響する。一番注意が必要なのは喘息を持っている人です。もちろん、喘息がなければ大丈夫、というわけでもない。
 アスペルギルス症を診断するには、スギやダニのアレルギーと同じように、血液検査でフミガタスに対するアレルギーの有無(抗体価の上昇の有無)を調べる。治療は、抗真菌薬に加え、喘息の薬も用いるのが基本。アレルギーと感染症の両面があるため、この2つを併用すると効果が高いとされている。
 しかし、根本的な解決のためには、環境対策が第一だ。アスペルギルスは 屋内に潜む可能性が極めて高く、無害なタイプならどの家にも100%存在する。有害なフミガタスでさえ、2~5割で存在する。
アスペルギルス・フミガタス対策として
湿度の低い部屋に移るか、湿度が50%以下になるよう調整する。
 できるだけ風が通りやすく、東と南に窓がある部屋
が良い。
・カビをまき散らさないよう、エアコンの管理を徹底する
 喘息の人など、カビアレルギーが気になる場合は、専門業者にクリーニングを頼むなどの予防策が必要です
空気清浄機があるから大丈夫、と過信しない 。
 部屋全体のカビを除去するほどの機能はないのが現実
です。
加湿器もカビの温床になりやすい。
 夏のエアコン同様、冬に活躍する加湿器もカビの温床になりやすく、選ぶ際は注意が必要だ。
 加湿器には、超音波とスチームの2つのタイプがありますが、カビアレルギーを避けるなら従来のスチームタイプが無難。 
梅雨の湿気の多い時期にはできるだけカビが生えにくい環境づくりで快適な夏を過ごそう。

ゲーム障害は「病気」 依存症で生活に支障、WHOが位置づけ

WHOは今年6月に公表した新しい国際疾病分類ICD-11に、
「ギャンブル障害」と並ぶ形でゲーム障害を入れた。30年ぶりの改訂です。

(1)ゲームをする時間や頻度を制御できない
(2)ゲームが他の関心事や行動に優先する
(3)問題が起きても続ける
(4)個人、家庭、学業、仕事などに重大な支障が出ている
――の4つが12カ月以上続く場合にゲーム障害とみなす。

ゲームの時間確保が最優先で生活が乱れる。
食事、睡眠、排せつといった生きていくうえで必要な行為すら二の次になる。単なる「ゲーム好き」ではなく、依存症で、病気ととらえるべきだという。
厚生労働省の推計では、インターネット依存の中高生は17年度に約93万人にのぼる。
適度に楽しみながらゲームと共存できる方法を探る必要があります。