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2020年2月

 インフルエンザの流行はこれまでのところ、昨シーズンに比べ落ち着いている。暖冬も一因とみられている。小中学生の患者が多いのが今シーズンの特徴で、冬休みが感染の広がりを抑えた可能性があるという。例年シーズンのピークは1月後半です。今シーズンもここにきて患者が増え始めていますが、勢いは限られています。

本物の風邪は受診の必要なし まず3症状(咳、鼻水、のどの痛み)をチェック

 

 風邪はありふれた病気の一つであり、多くは数日から1週間程度で自然に治ってしまう。一方で「汗をかくと風邪が治る」「風邪は抗生物質で治る」など、間違った認識を持っている人も少なくない。風邪とは「自然に良くなる上気道のウイルス感染症」です。上気道とは気道の上の部分に当たる鼻、のどのこと。ここにウイルスが感染することで風邪を発症する。薬などを飲まなくても、放っておいてもやがて治ってしまうことを意味する。
 ライノウイルスやコロナウイルスをはじめ、風邪の原因となるウイルスは200種類以上あります。そのすべてのウイルスに効く薬はありません。
一般に風邪薬と呼ばれる薬は対症療法の薬。「熱を下げる」「鼻水を止める」などの症状を抑える作用があるだけで、風邪の原因であるウイルスを殺すわけではありません。

 

一見「風邪」だが実はちがう 受診すべき6つの症状

1. 38℃以上の高熱が3日以上続く
 風邪をひいて初日に38℃を超える高熱が出ることも少なくない。しかし、風邪による高熱は長くても2日くらいしか続かないことが多い。3日続いたら、ウイルスではなく、細菌による感染症の可能性が高まります。
風邪の3症状である「咳(せき)」「鼻水」「のどの痛み」がまったくなく、38℃以上の熱だけの場合も風邪ではない可能性が高い。

2. いったん良くなりかけてぶり返す
 いわゆる「風邪をこじらせた」状態で、改善傾向にあると思っていたら再び高熱が出る、咳がひどくなる、といったときだ。こういうときは細菌に感染していることも少なくない。風邪のウイルスによって鼻やのどの粘膜が炎症を起こすと、細菌に感染しやすくなってしまうのだ。
例えば鼻水だけがダラダラ出続け、頬(ほお)の片側に痛みがある場合、細菌性副鼻腔炎などが考えられます。こういうときはすぐに耳鼻科に受診してください。

3. 寒くてガタガタ震える
 発熱すると寒さを感じやすくなるもの。それにはランクがあり、最も強いものはガタガタと体が震え、止めようと思っても止まらない「悪寒戦慄(おかんせんりつ)」は細菌感染している可能性があります。高齢者は風邪をひいても気付かないくらい軽くすむことが多い。症状が重いときや、寝汗をびっしょりかく場合(シャツを交換するほど)は要注意と心得て医療機関を受診してください。

4. のどに痛みを感じるのに、つばを飲み込んでも痛くない
 のどが痛いのに、つばを飲んでも痛くない場合は風邪ではない可能性が高い。つばを飲み込むだけというとても簡単なチェックなので、ぜひ実行してほしい。

5. 咳をすると胸が痛い、痰(たん)に血が混じっている
 風邪をひくと粘膜が炎症を起こして細菌に感染しやすくなる。成人の場合、最も多いのは肺炎です。細菌性の副鼻腔炎や中耳炎を起こすこともある。

6. 咳が2週間以上続いている
 咳が2週間以上続いているときは肺がん、咳喘息(ぜんそく)、結核などの病気になっている可能性があります。そのほか、後鼻漏(鼻水がのどに流れる)や胃食道逆流症(胃液が食道に上がってくる)によって咳が続いていることもあります。

家庭でのウイルス対策

〇手洗いこそウイルス対策の基本
手洗いこそウイルス対策の「基本中の基本。様々な物に付着したウイルスを洗い流すことで「接触感染」を防げるからだ。1日に11回以上手洗いをする人は、風邪のリスクを半分以下にできることが複数の研究で示されているという。

〇水うがいで風邪のリスク4割減
のどに付着したウイルスはうがいで洗い出す。1日3回水でうがいすれば、風邪にかかる割合を4割程度減らせるという研究結果もある。
マスクを装着すれば、せきやくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛沫感染」を防げる。うがいやマスクにはのどを潤す効果があることも見逃せない。鼻と口の粘膜は乾燥すると傷ついて、ウイルスがつきやすくなる。予防のためにも、積極的に取り組みたい。