【営業時間】9:00~12:00 15:30~19:00
TEL.059-244-2222

2022年10月

がん検診を受けましょう

この2年余り、新型コロナウイルスの流行でわたしたちは経験したことのない行動制限を強いられました。外出や人との交流が減り、運動不足もあって、健康への悪影響が懸念されています。命を脅かす恐れる病はなにもコロナ感染症だけではありません。
1980年代以降、日本人の死因トップはがんです。不治の病でなくなったのは医学の進歩とともに早期発見・早期治療が社会に根付いてきたからです。それがコロナ禍で検診が減少しました。日本対がん協会によると、60歳以上で2020年度にがんの検診を受けた人はコロナが流行する前と比べ2~3割減りました。症状が進行してから手遅れで見つかるケースが、今後増える恐れがあります。また、コロナの感染が拡大している最中、がんの手術を先延ばしする医療機関もありました。20年度には様々ながんの診断数や切除数が大幅に減っています。胃、肺、大腸、乳房、子宮頸(けい)部の5つのがんの集団検診は市町村が担い手になっています。今年はがん検診を受けるようにしましょう。

繰り返されるワクチン接種

これからはコロナ感染による「重症化」予防から「感染・発症」予防へ舵を切る方向です。12歳以上を対象にしたオミクロン型ワクチンの接種が始まります。「重症化」予防から「感染・発症」予防への大きな方針転換です。政府はこの冬に到来が予想される第8波の流行を少しでも小さくしようと年内までに希望者全員に打ち終えたい意向です。
しかし、新ワクチンこの2価ワクチン(オミクロン対応)の接種を全世代に広げるのは世界でもあまり例のない試みです。欧米などいくつかの国で新ワクチンは薬事承認されてはいますが、日本のように全世代に追加接種を決めた国は米国などわずかです。追加接種に4回目、5回目接種。新型コロナウイルスのワクチンは一体何回打てば終わりを迎えるのでしょうか。
水ぼうそうや帯状疱疹の発症を防ぐ水痘ワクチンは10~20年、破傷風は10年、はしか(麻しん)のワクチンは一度打てば生涯効果が続くと言われています。それに比べて新型コロナワクチンは1年半と短いようです。その理由はよく分かっていません。ワクチンの効果の持続期間に影響するのは、ウイルスではなく私たちの免疫の問題です。一方で、ワクチンを打つことが流行するウイルスの変化に影響しています。良いワクチンができるとワクチンで防御できるウイルスは増えにくくなります。そうすると、その分変異したウイルスが増えやすい環境になり、その結果としてワクチンが効かない変異ウイルスが広がりやすくなる。
そううち変異株の中で病原性の低い、いわゆる“弱毒株”が主流となって、ワクチンなど必要としないただの風邪になると考えられています。
第7波は減少傾向にあるものの、依然として高い水準にあります。感染力は強いものの重症化や死亡のリスクは小さいオミクロン型が主流となり、高齢者などをのぞいては、ほぼインフルエンザと同等の病気となっています。コロナは社会に日常的に存在する病気となりつつあります。欧米やオーストラリアなどもコロナを通常の病気として扱うようになりました。コロナの第8波はインフルエンザと同時流行になることが懸念されています。医療逼迫(ひっぱく)とならないことを祈ります。今年はインフルエンザワクチンの接種も受けましょう。コロナワクチンと同時接種もできます。

コロナ感染後の長引く咳は後遺症か

オミクロン型は後遺症には倦怠感、せきが多く、嗅覚・味覚障害は少ないようです。オミクロン型の後遺症は若い世代の患者が目立つことも特徴です。倦怠感や頭にモヤがかかったような「ブレインフォグ」に苦しむ若い人もいます。仕事に集中できず、休職に追い込まれる人もいます。
コロナが治癒してからも咳が止まらない方がいます。後遺症と思って1ヶ月くらい様子を見ている方もいます。咳が出ると周囲から煙たがられますだけでなく職場復帰もままならない。そのような方は気管支喘息を発症しているかもしれません。コロナだけではなく、一般に風邪を引いた後にはアレルギー体質を持っている方は喘息を誘発することはよくあります。一酸化窒素濃度を測れば喘息であるかどうかはっきりします。長引く咳の方は医療機関の受診を勧めます。