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2022年11月

次の8波に備えて

新型コロナの感染者数は全世界で6億人を超え、600万人以上の死者を出した。ワクチンの普及などで新規感染者数は減少傾向にある。しかし、新たな変異ウイルスが登場する懸念は高く、収束するまでには至っていません。
日本や米国などで現在、感染の主流となっているのはオミクロン型の派生型「BA.5」だ。ワクチンを3回、4回接種した人も感染事例が続出し、既存ワクチンの効果は大幅に低下しているとされる。ワクチンや中和抗体薬は、ウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」を標的としている。このためスパイクが変異すると有効性が弱まる欠点がある。BA.5に対応したワクチンが今月から接種可能ですので期待したいものです。
毎年のように流行する種類が変わるインフルエンザに対し、「タミフル」などの抗ウイルス薬が有効な抗ウイルス薬は、ウイルスが体内で増殖に必要な酵素などを阻害するため、表面のたんぱく質が変異しても有効性は低下しにくい。今回のコロナ禍でも改めて抗ウイルス薬の重要性が認識されています。しかし。抗ウイルス薬の開発は難しく、実用化に成功した事例は限られる。
実用化されたモルヌピラビルやパクスロビドも、副作用などから使用対象には制限がある。このため新しい抗ウイルス薬の開発が急がれる中で、世界では600以上の臨床試験(治験)が進んでいる。特に盛んなのは症状が軽いうちに、患者が簡単に服用できる経口タイプの薬です。経口薬ができると新型コロナを季節性インフルと同程度のリスクとして扱えるようになります。日本では塩野義製薬が開発中のゾコーバは第3相試験中で期待したいものです。

夜に眠れない日本人が多い

日本の睡眠不足が国力をむしばんでいるという研究結果があります。睡眠時間が米欧中など主要国平均より1時間近く短いことや、睡眠の「質」の低さがパワハラやミスの温床との指摘もあります。
コロナによるパンデミック明けで人手不足のため、見積書作成などの業務は勤務時間外でこなさざるを得ず、睡眠時間を圧迫している。夜中に目が覚めてしまい、眠りが浅くなってしまう「質の低下」もあります。
2020年の日本人の平均睡眠時間は先進国で最も短く、睡眠に満足している割合も低いことが分かっています。世界の研究では、むしろ短い睡眠時間は集中を妨げ、逆効果になるとのことです。睡眠時間が慢性的に足らず、ミスを誘発する状態は「睡眠負債」と呼ばれ、近年注目を集めています。日本生産性本部によると、2020年の日本の就業者1人あたりの労働生産性は7万8655ドルと38カ国中28位と低く、主要7カ国(G7)で見れば最下位になっています。睡眠を削って頑張った結果が企業としての成果につながっていないのです。
怒りの発生源も睡眠。睡眠不足の上司ほど侮辱的な言葉を使う。自己コントロールができずパワハラの原因にもなる。2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務の導入が広がった。通勤が減り、睡眠に充てられる時間が増えると期待されたが、新たな問題として動画配信コンテンツ視聴やオンライン会議など、デジタル化の弊害が浮上しました。スマホを見すぎてしまうとブルーライトをたくさん浴びてしまい、眠りの質を下げるといわれています。
睡眠の質を高めるための技術や製品を指す「スリープテック」に熱い視線が注がれています。スマホやウエアラブル端末が進化し、睡眠状態を簡単に計測することができるようになりました。ストレス緩和や睡眠の質向上をうたうヤクルト本社の乳酸菌飲料「Y1000」は一時、スーパーの店頭で品薄が続いた。普段から使う寝具やパジャマを研究して快適な睡眠につなげる。体圧を分散し快適な睡眠のための寝姿勢を維持するマットレスや通気性を高めた枕のネット販売もあります。入眠直後の身体内面の熱を放散させ、睡眠の質が向上するとのことです。
メンタルヘルスと睡眠は密接につながっており、睡眠障害と精神状態は互いに悪影響を及ぼし合うとされる。良い睡眠は肉体的にも精神的にも重要です。