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2023年8月

歳をとると中途覚醒が増える

睡眠時間は個人差があります。最低限どのくらい確保すべきでしょうか。必要な睡眠時間は人によって違いますが、1日6時間以下で問題なく過ごせる人はめったにいません。睡眠負債がたまれば日中のパフォーマンスは落ちますし、糖尿病など生活習慣病のリスクも高くなります。1日1回、長時間眠ることが必要です。夜中に6~7時間の睡眠を取ることで、体に必要な深い睡眠(ノンレム睡眠)から浅い睡眠(レム睡眠)までをフルコースで取ることができる。このような“ひとまとまり”の睡眠こそ、本当の意味での「質のいい睡眠」ということになる。3時間ずつ1日2回に分けて眠った場合、合計の睡眠時間は同じ6時間でも睡眠の質を考えると良くありません。

中高年齢層になると、眠れないことに悩む人が増えてくる。なかでも多くの人を悩ませるのが、睡眠の途中で目を覚ます「中途覚醒」です。朝までに何回も目が覚め、いったん目が覚めると再び眠るのが難しくなる。若い頃はいったんベッドに入れば途中で目を覚ますなんてことはほとんどないが、歳をとるにつれ、睡眠の途中で目が覚めやすくなったり、トイレに起きたりすることが増えています。高齢になると、基礎代謝が減り(エネルギー消費量が減り)、以前のような睡眠が必要なくなるのです。8時間以上眠れるのは中学生くらいまで、70代になったら6時間程度しか眠れないようになります。高齢になると深い睡眠が減るので、ちょっとしたことで目が覚めやすくなるのです。睡眠の質が変化し、高齢者が夜中に目を覚ますようになるのは、シワや白髪が増え、体力が落ちるのと一緒で、加齢現象の1つと考えます。

睡眠習慣を治して中途覚醒を減らす方法
1.早寝をやめること…早寝とは眠れそうもない時間に眠ろうとすること。
2.眠れないまま長時間ベッド(布団)の上で過ごさない。
3.昼寝は短く・・・昼の仮眠は20~30分以内にとどめたい。仮眠を取るなら15時までに。

早朝覚醒を改善するには
日光を浴びる時間によって体内時計は前後にシフトする。具体的には、午前中に光を浴びると体内時計が朝型に、夕方以降に光を浴びると夜型にシフトする。早朝覚醒が気になる人は、朝日を浴びないようにするのが良い。

その他に以下の病気が考えられます
・周期性四肢運動障害・・・睡眠中に手足が動くことで目が覚めやすくなる。
・むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)・・・脚部の異常感覚のためによく眠れない、ぴくつきが起こりやすくなる。この背景に、鉄不足や血管障害が見つかることがあります。
・睡眠時無呼吸症候群(SAS)・・・睡眠中にしばしば呼吸が止まるため睡眠が浅くなり、体内の酸素が低下することで目が覚めてしまう。睡眠が浅くなるだけでなく、トイレで目が覚めることも多くなります。
・膀胱や腎臓など泌尿器系の病気・・・腎臓が悪い人は横になることで腎臓の血流が良くなり、昼間よりも尿量が増えます。

体に原因がある場合、その原因を解決すれば中途覚醒は解消できるので、心当たりのある人は医師に相談してください。