2025/10/01
手術の難易度が高い「食道がん」
一般に、がんは早く見つけて治療すれば、命取りになることは少ない。食道がんも同じです。しかし、発見が遅れ、進行した状態で見つかった場合、食道がんは大がかりな手術になってしまう。食道がんの手術は特に難易度が高く、患者の体への負担も大きいのだ。厄介なのが食道がんには転移が早くまた、舌がん、咽頭がん、喉頭がんや胃がんを併発する(重複がん)こともよくあります。
食道とは「食べるものの通り道」、口から入った飲食物を胃へと送るこの細い通路を、1日約3kg、年間で約1トンという大量の飲食物が通過しています。
食道がんの主な特徴
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早期なら内視鏡で治療可能だが、進行すると大手術になる
・声帯に近い場所だと、手術により声を失う可能性がある
・がんが胸部にあると、手術の難易度が高い - 比較的早い段階から転移しやすい
- 咽頭・喉頭や口腔内、胃などにがんが発症する(重複がん)
- 複数の食道がんが一緒に見つかることが多い(同時性の多発がん)
- 時間を置いて、新たな食道がんが生じることがある(異時性の多発がん)
- 他のがん同様、早期から自覚症状が出ることは少ない
食道がんの主な症状
- 食べ物が飲み込みにくい
- 声がかすれる
- 熱いものがしみる
- 咳が出る
食道がんの主なリスク要因
- お酒
- たばこ: 新型たばこも例外ではない
- 熱いもの・辛いもの
- 胃酸:強酸性の胃酸が逆流し、食道の下部ががん化する
食道がんの2大リスク要因は、「お酒」と「たばこ」
たばこが発がん性の物質であることは、今さら言うまでもないが、たばこの成分によって食道の粘膜が繰り返し刺激され、傷つくと、がんの方向に進んでいく。アルコールが体内で分解され、「アセトアルデヒド」という物質が生じる。このアセトアルデヒドが有害物質で、この分解する酵素の活性が低い人は癌のリスクが高くなる。飲酒により顔が赤くなる、「フラッシャー」と呼ばれる人はリスクが高い。
酒もたばこも継続によりその害が蓄積されます。やめてもリスクが減ることはないのです。最近では、食道がんのリスク要因に逆流性食道炎があります。お酒やたばこが影響するタイプの食道がんとは異なるがん細胞で腺がんと呼ばれるものです。お酒を飲まない人でも発症する可能性があります。