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2025年9月

耳がかゆい…もしかして真菌症(カビ)かも

外耳道真菌症は、外耳道に真菌(カビ)が感染することで起こる病気です。外耳道とは耳の外側から鼓膜までの部分で、通常は乾燥していて清潔です。しかし、湿り気や外的要因により真菌が繁殖しやすい環境が整うと、外耳道真菌症が発症します。特に水泳や湿った気候の影響を受けやすく、耳掃除などで耳内を傷つけることもリスクを高めます。早期に発見し、適切な治療を受けることで、快適な耳の健康を取り戻すことができます。
原因菌は、アスペルギルスやカンジダが関与することが多い。これらの真菌は、皮膚や粘膜に自然に存在することがあり、通常は害を及ぼしません。しかし、湿度が高い、熱い、または傷がある場所では、これらの真菌が増えやすくなります。特にプールや温泉などの水が多い環境、あるいは耳に水が入りやすい状況で感染リスクが高まります。また、外耳道に傷や炎症があると、真菌が侵入し、感染の要因となります。さらに、免疫力が低下している人や糖尿病の患者も、外耳道真菌症にかかりやすい傾向があります。このため、外耳道を清潔に保ち、乾燥した状態を維持することが予防に重要です。

主な症状は、かゆみ、耳痛、耳垂れ、不快感です。かゆみは特にひどい場合があり、掻くことでさらに炎症を引き起こすことがあります。また、耳垢の増加や、耳の中での液体の流出が見られることもあります。外耳道の炎症により、耳が詰まっているように感じると、不快です。重症化すると、聴力が低下することもあり、日常生活に支障をきたすことがあります。
外耳道真菌症は自己判断で治療を行うことが難しいため、症状が現れた場合は早めに医療機関を受診することが推奨されます。正確な診断と適切な治療が重要です。治療法としては、抗真菌薬を使用することが一般的で、これには局所的に使用するクリームや点耳薬が含まれます。また、重症の場合や慢性化している場合は、外来にて薬品による頻回な処置が必要です。

予防は外耳道の湿気を防ぐことが重要です。水に入る際には耳栓を使用したり、外耳道を乾燥させるために、シャワー後にタオルで優しく拭いたりすることが勧められます。生活習慣の改善として、耳掃除の頻度を下げたり、過剰な耳かきを避けたりすることも有効です。なお、治療中は医師の指示を遵守し、自己判断での中断や変更を避けることが大切です。特に、症状が軽減したとしても、治療を最後まで続けることが再発防止につながります。
原因の大部分は、頻回なる耳掃除による皮膚の保護作用が破壊し、知覚鈍麻が生じ,炎症を起こさせる。それにより耳かきにカビの胞子がそこに付着し,真菌症に陥る場合が多い。多くの症例ではかゆみの出現からまた頻回の耳触りが生じ触ると余計に炎症が助長され,ますます症状が悪化するという悪循環に陥る。もともと外耳道後壁は迷走神経であるために精神的安定のために耳掃除を行っている場合もあり,単純にこれをやめることが難しい場合もあります。慢性的な刺激の因子としてイヤホン,補聴器のイヤーモールドなどの耳栓類の影響も受けている場合もある。
外耳道真菌症の治療期間は、症状の進行具合や使用する抗真菌薬の種類によりますが、通常は数週間から1ヵ月程度です。早期の治療が重要です。