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2026年3月

近年急増する花粉食物アレルギー症候群
スギ花粉症の方に多いトマトアレルギー

 花粉症患者が増えた原因として、温暖化のほか、大気汚染の影響など環境要因も指摘されていま 。大気汚染物質が症状を悪化させる原因になっている可能性も指摘されています。球環境が変わると、花粉の飛散傾向や有病率などにもさまざまな影響が及ぶようです。温暖化により杉の休眠打破に影響が及び、 開花時期が早まり、飛散も早くなっています。さらに飛散時期が延びることで飛散量の増加につながり、患者さんには辛い時期が長引いてしまいます。スギ・ヒノキ花粉の 飛散量については、植林後の樹齢なども大きく関係します。政府は国を挙げた花粉症対策として「発生源対策」「飛散対策」「発症•曝露対策」の3つの柱を掲げていますが、適切な森林資源管理についても積極的な取り組みが必要です。花粉症による経済的損失が一日当たり2300億円と言われています。花粉症(アレルギー性鼻炎)の有病率は増加傾向にあります。日本でも同様の傾向がみられ、年齢とともに上昇しています。

花粉一食物アレルギー症候群(PFAS)

 PFASの主な症状は口やのどがかゆくなったり、イガイガしたりといった症が現れることが多い。花粉と食物に含まれるアレルゲンが似ていることが原因とされています。よって、花粉症の患者さんが増えるにつれて PFASの患者さんも増加しています。特に若年の花粉症患者が増えているのですが、さまざま な食べ物でアレルギー反応が出てしまう小児患者さんが増えています。

 PFASは根本的な治療法がなく、いったん発症してしまうとなかなか治療が難しい。花粉症を早期からしっかり抑えて いくことがより重要になります。もともと食物アレルギーがある患者さんがPFASを発症するのではなく、花粉症の患者さんがPFASを発症するとされています。PFASを発症するのは、花粉症の患者さんの1割以上というデータがあります。

 スギ花粉症の有病率は国民の約4割とされます。 それを踏まえると、相当数の花粉症患者さんがPFAS を発症していることになります。PFASを引き起こす原因食物はさまざまですが、花粉症の中でもハンノキやシラカンバなどの カバノキ科の花粉症では、リンゴやモモなどのバラ科の食物と交差反応が比較的多いことが知られています。

 スギ・ヒノキ花粉症の場合は、一般的にはトマトなどナス科のもので反応が出やすいといわれていますが、実際にスギ花粉症の方でトマトを食べてPFASの症状が出る方はあまり多くありません。スギだけではなく、カバノキ科など複数の種類の花粉に感作されている方は、さまざまな食物に反応してしまう。スギ•ヒノキ花粉症でPFASの症状がある場合は、シラカンバやハンノキなどカバノキ科の花粉に も感作されているケースが多いように思います。

 このように花粉症でPFAS症状がある場合、スギ・ヒノ キ花粉症以外にほかの花粉症が隠れている可能性があります。最近、スギ 花粉症でPFAS症状を訴える患者さんに原因食物に 先ほどのモモやトマトのほか、メロンやキウィ、パイナップルがあります。

 症状の多くは口腔、咽頭に限られていますが、ごく稀に消化器症状(嘔吐、下痢等)やアナフィラキシーショックといった重篤な場合もあるので注意が必要です。しかし、過度の心配はいりません。不安があれば受診してください。