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2010年3月

Oneairway,onedisease(鼻から気管支まで一つの病態)

One airway, one disease(鼻から気管支まで一つの病態)

より良く喘息をコントロールしていくために、鼻炎のコントロールを考えることは、大きなポイントとなります。気管支粘膜と鼻粘膜は基本的な組織構造はきわめて似通っています。さらにもうひとつ大きなポイントは、解剖学的につながっているということです。
アレルギー性鼻炎も喘息も風邪によって増悪することです。インフルエンザのような非常に強い気道組織障害を伴う感染ばかりでなく、一般的なライノウイルスや小児のRSウイルス感染のような、気道上皮組織に障害を起こすウイルス感染が、喘息や鼻炎の症状を増悪させることが知られています。
気管支喘息とアレルギー性鼻炎の相互の関連を理解し、Oneairway,onediseaseという概念による総合的なアプローチが試みられています。スギ花粉に対して過敏性をもつ喘息患者の30~35%は、花粉の飛散期に喘息症状が増悪するといわれています。喘息患者がアレルギー性鼻炎を合併している割合は、国内外共にほぼ70%~80%と報告されています。また、逆に鼻炎患者さんが喘息を合併している割合は、ほぼ10~40%といわれます。スギ花粉に対して過敏性をもつ喘息患者の30~35%は、花粉の飛散期に喘息症状が増悪するといわれています。
アレルギー性鼻炎に副鼻腔炎を合併し、喘息も合併している場合があります。喘息に合併する慢性副鼻腔炎は、多発性のポリープ、強い鼻閉や嗅覚障害で、手術をしても再発が多く、きわめて難治性です。成人喘息に起こってくる副鼻腔病変でも、ポリープがたくさんあり、非常に難治で、手術が必要になります。再発も非常に多く、術後管理を半永久的にする必要があります。そういう意味で気管支喘息と非常に似ています。
耳鼻咽喉科医も鼻の所見だけ診ていてはいけないと考えます。耳鼻咽喉科医からみると鼻の所見でかなり気道全体の所見を推定できます。最近では喘息の患者さんが多くなってきています。気道全体を診ることがより良い治療効果を得ることができます。当院では額帯鏡と聴診器は常にセットです。

コーヒーを飲む人は脳卒中になりにくい

コーヒーを飲む人は脳卒中になりにくい

以前からもこのような報告がされています。コーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて脳卒中を発症するリスクが29%も低いことが2万人規模のコホート研究によって示されました。コーヒー嗜好以外の生活習慣や年齢・性別などの影響は認められず、コーヒー自体になんらかの好ましい作用がある可能性があるという。調査対象はコーヒーを飲む人は約1万7800人、飲まない人は約4500人であり、飲む人の平均摂取量は3.1±2.2杯でした。これらの人々に対する平均12年の追跡の結果、計855件の脳卒中の発生が報告された。摂取量別の解析では、コーヒーを1日2杯、もしくは3~4杯程度飲む人で低く、1日1杯だけ飲む人や5杯以上飲む人では若干高くなる「Uカーブ」が認められた。また、コーヒー摂取者におけるHRの低下は、レギュラーあるいはインスタント、カフェイン入りあるいはカフェイン抜きの別にかかわらず認められた。 
報告をまとめると、中高年の男女におけるコーヒーの摂取は、既知の脳卒中危険因子や生活習慣とは独立して、脳卒中のリスクを約30%も低下させることが示されました。その機序については不明ですが、コーヒーに含まれる成分は糖代謝に好ましい影響を与え、神経保護的に働く可能性が動物実験で示唆されています。カフェイン以外のコーヒー含有物が脳卒中リスク低下に寄与すると考えられる。コーヒーの抗酸化性質が炎症を抑制し、血管機能を改善する可能性が考えられています。また、臨床的にもコーヒーの摂取は強力な脳卒中危険因子である2型糖尿病を抑制することが報告されています。一日3杯のコーヒーは健康に良いようです。