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2010年6月

めまいのプライマリーケアとしての耳鼻科医

めまいのプライマリーケアとしての耳鼻科医

めまいは昔から一般によく遭遇する病気の症状です。
病院でも頭痛や咳、発熱などと並ぶ代表的な訴えになっています。
そのため内科を受診することが多い。
しかし内科ではめまいの患者が訪れると眼振(めまいの症状が起きているときには目の揺れが観察される)も聴力検査もせず、メニエール症候群あるいは頭位性めまいなどとすぐに病名をつけてしまうことが多いのが現実です。
めまいの中には薬を処方しても放置しておいても自然に改善する場合もあるため見かけ上何事もなかったように過ぎてしまいます。
しかし、めまいの中には重大な疾患が多数含まれていることが多いのです。
救急外来でも当番の医師が眼振の観察をすることなく直ちに脳のCTを撮り、問題がないときに耳鼻科に受診するように勧められます。
CTを撮る前に眼振の有無を確認するだけで耳(末梢)から来るめまいか脳(中枢)から来るめまいか診断ができることが多い。
ですからめまいが起きたときにはまずは耳鼻科に見てもらうことが肝要かと思います。
めまいの多くが耳(内耳)が原因となっているからです。
内耳から来るめまいは大きくメニエールかその他の内耳性めまいかのどちらかです。
内耳性めまいの一部の人には内耳のリハビリテーションが有効な症例があります。そのような見極めができるのはめまいのプライマリーケアとしての耳鼻科医の役目です。
最初から明らかに中枢性(脳神経疾患)であれば内科や脳神経外科でも良いのですが、そうでなければ是非耳鼻科に相談下さい。
そのほかに「めまい」には気を失いそうになったり、頭がふらつく、目の前が暗くなって気が遠くなる、冷や汗をかくなど循環器疾患や心因性の疾患などもあります。
多くは問診でめまいの原因が判断できることが多いのです。

咳嗽、喘鳴とも夜間中心のコントロールが肝要

咳嗽,喘鳴とも夜間中心のコントロールが肝要

小児疾患のなかでも呼吸器疾患は、患児本人だけでなく、そのケアに携わる保護者のQOLも低下させることから、症状を適切にコントロールすることが求められる。
喘鳴や咳嗽の病態を解説し、未就学児の呼吸器症状に関するアンケートの結果から、就寝後から深夜、明け方にかけて症状が悪化しやすくなるため、夜間のコントロールがQOLの改善を含めた治療に重要であると認識が必要である。
喘息は、笛性喘鳴を伴う呼吸困難を繰り返す主要な呼吸器疾患の1つであり、小児に発症しやすく、その罹患率は年々上昇しています。
小児喘息を発症、悪化させる主な因子として、アレルゲン、ウイルス、たばこなどが挙げられ、それらの因子が気管支炎の慢性化、気道過敏性の亢進、可逆性の気道狭窄をもたらし、喘鳴や咳嗽といった症状を呈する。呼吸器症状が悪化する季節では、乾性、湿性咳嗽、鼻汁・鼻閉いずれに関しても、冬~春先にかけてと梅雨時や秋に、悪化する割合が高い。

咳嗽(乾いた咳、痰がからんだ咳)や喘鳴が悪化する時間帯は、就寝後、深夜、明け方、起床時が多い。
症状によって困ることは患児の状態については、「夜眠れなくなる」「食欲が低下する」「症状で朝方、目を覚ます」「ストレスがたまる」などがある。
他方、保護者自身については、「介護のために夜眠れない」「病院・医院に頻回に通わなければならない」「ストレスがたまる」こととなり、患児も保護者も、症状によってQOLを低下させています。
これらの慢性咳嗽の原因疾患として、喘息や鼻疾患など、アレルギー性疾患が多く見られます。
このために一年中薬を使う必要があるかは各個人によって異なるといますが、これが医師の裁量になるかと思います。
もちろん咳で困られるのは最近では大人でも増加傾向を認めます。

水疱瘡が流行っています・・・まだ罹患していなければ早めにワクチン接種

水疱瘡が流行っています・・・まだ罹患していなければ早めにワクチン接種

小児に水痘を起こす水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)は、水痘感染発症後長期にわたって神経節に潜伏し、加齢、ストレス、疲労などを契機に再活性化して帯状疱疹を起こす。
帯状疱疹は経過中にさまざまなレベルの疼痛を伴うが、一部の患者は皮疹治癒後も長期間疼痛に苦しめられることがあり、帯状疱疹後神経痛(PHN)として知られている。
この痛みは通常の鎮痛剤では抑えられず、かなりの苦痛を伴います。
初感染で水痘を起こした後、全身の神経節に潜伏感染します。
その再活性化により年間1,000人に4.15人の頻度で帯状疱疹を発症するといわれています。
患者の多くは高齢者で、70歳台では1,000人に8人、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験することが明らかになっているが、小児や若年の患者もまれではありません。
このようにならないためにワクチン接種は必要です。