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2012年6月

今年のスギ、ヒノキの花粉飛散量

今年のスギ、ヒノキの花粉飛散量

東京都の今春のスギ・ヒノキの花粉飛散量が、過去10年の平均値の3割程度にとどまったと発表した。
1985年以降で2番目に多かった昨年と比較すると、1割程度だったという。飛散量が少なかった理由について、「昨年が非常に多かったため、2年続けて大量の花粉を作る力が木になかったのでは」としています。

今シーズンのスギ、ヒノキともに花粉の飛散は終息したが、5月からはカモガヤなどイネ科の花粉が飛び始めています。今後は夏にかけてイネ科花粉に注意が必要です。

子どもの夏かぜが流行り出しました。今月はスタッフが夏かぜの一つである手足口病について書いていただきました。ヘルパンギーナもそうですが口の中が荒れると痛いですね。突然の高熱や咽頭痛は夏かぜかも知れません。

総合医とは何か

総合医とは何か

「お腹が痛ければ、消化器の病気だろう」「胸が痛ければ、循環器の病気かもしれない」と考え、それぞれの臓器別専門医を受診します。しかし、消化器、あるいは循環器の病気ではないこともしばしば起きます。「症候」から考えられた「診断」が、受診した医師の専門分野から外れると、なかなか診断が付かず、患者さんにデメリットが生じることがあります。
つまり第一は、専門性にこだわらず、全体的な視点から問題点の仕分けが的確にできる医師を総合医と呼ぶようになってきました。

私の卒業した防衛医科大学では設立した当時から総合臨床医を養成することが目的になっていましたので今更何をという感じです。大学を卒業後の2年間の初任実務研修では外科、内科を半年、選択でそれ以外の科を3つ選んで合わせて半年、さらに将来自分が進みたい科を半年、研修する制度でした。卒業後耳鼻咽喉科を選択した私は他大学で卒後耳鼻咽喉科に入局した人より専門を学ぶ機会が少なく、焦りを感じたものです。
しかし、このとき得た内科や外科の知識、経験は貴重なものと思えるようになっています。30年も前のことです。

昨秋から開始した厚生労働省の専門医に関する検討会では、総合医の問題が取り上げられ、改めて総合医への関心が高まっているようです。その理由は高齢社会にあって、数多くの病気を持っている人が、ますます増えていること。地域医療という視点から捉えた場合、医師が扱うべき疾患や健康問題の幅広さ、多様さに対応できることが求められること。臓器別専門医を増やすよりも総合医を増やす方が、より効果的な医療提供が可能になること・・・が挙げられます。今回の東日本大震災の被災地では、臓器別の専門医よりも、幅広い診療能力を身につけた医師の方が対応できる問題が多かったことは、いろいろな場面で指摘されています。

専門医も、その領域内でますます専門特化、細分化してきている。自分の専門の仕事をするためには、それ以外の患者をスクリーニングし、自分の専門の患者のみを回してくれる医師が欲しいわけです。これが成り立つには、非常に多くの総合医が必要になります。また、どこまでを総合医が診断、治療し、どこから専門医が治療するのかの線引きも難しい問題です。理想は専門医として活躍できる総合医がいれば他の専門医へ紹介もしやすく専門領域の治療にも専念できるのではないでしょうか。専門医が名医というのが今の世の中ですが、本来なら総合医が名医と呼ばれる世の中になって欲しいものです。