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2012年12月

師走となり何かと忙しいうえに風邪がはやってきていますのでご注意下さい

師走となり何かと忙しいうえに風邪がはやってきていますのでご注意下さい

今月はスタッフがインフルエンザについて書いていただきましたが、散発的にみられますが未だ流行の兆しはありません。しかし、ノロウイルスによる感染性胃腸炎やRSウイルスによる感冒が流行っていますので日常生活での体調管理には十分気をつけていただきたいものです。「風邪を引きました」と言って受診される人が多いのですが、「風邪」は医師が診断する病名ではありません。患者さんが「風邪でしょうか」と質問されても返答に困ることがあります。一見同じような風邪の症状でも、原因や経過が異なる複数の病気に分かれていてそれぞれの病名があるからです。「風邪」に対する日常的にできる対策はやはり「マスク」「手洗い」「うがい」です。普段からよく食べて睡眠をとるといった健康管理も欠かせません。マスクは、せきやくしゃみなどで感染が広がるインフルエンザなどの病気が拡大するのを防ぐのに役立ちます。手洗いは感染性胃腸炎を起こす病原体を洗い流して体内に入るのを防ぎます。うがいはのどや口の中にある病原体を洗い流したり、保湿をしたりする働きがあります。水分補給効果は少ないものの、粘膜の炎症の原因となる口内の異物や病原体の数を少なく保てる。外出から帰ったときなど、一日に数回行いたいものです。予防的なうがいは水道水で十分です。ただ、うがいだけではウイルス感染を防ぐことはできません。市販の風邪薬は原因のウイルスや細菌をやっつける治療薬ではありませんので注意が必要。症状が軽くても3日たってよくならなかったら、すぐに医療機関を受診しましょう。

副鼻腔炎と喘息

副鼻腔炎と喘息

喘息は年齢に関わらず、発作的に咳やゼーゼーいう喘鳴、呼吸困難を繰り返す病気です。もちろん適切な治療で回復しますし、軽い症状だったら自然に治まってしまう場合もあります。慢性的に気管の炎症が起きていて、例えば家の中にいるダニだとか、犬や猫などの動物、インフルエンザなどの感染症、台風が近づいてきている時や急に冷え込んだ時などの気候の変化、それから受動喫煙が誘発します。たばこを吸うのも悪いですけど、そばにいて煙を吸い込むというのもよくありません。そういう危険因子がもともとアレルギー体質の人に気管が狭くして起きる病気です。小児の場合は約6%、成人の方では約3%の方が何らかの喘息の症状を持っているといわれています。喘息で亡くなられている方もお年寄りの方を中心に今でも全国で2500人位います。治療は、発作が起きている時に気管支を広げるお薬や吸入ステロイドなどを使う場合もあります。また、症状がない時にも治療が必要で、吸入ステロイドであるとか抗アレルギー剤といわれる飲み薬を中心に症状を出さないように予防して治していくことが必要です。ところで喘息は副鼻腔炎が非常に密接な関係があります。アレルギー性鼻炎というのは、くしゃみとか鼻水、鼻づまりというのが三大症状ですが、気管支喘息とはいわゆるアレルギー性疾患の仲間なので非常に密接な関係があります。実際に喘息の方でアレルギー性鼻炎を合併している頻度は70%以上です。アレルギー性鼻炎の方から見ましても、喘息を持っておられる方が約10~20%あるといわれています。鼻炎の治療をすることで喘息の症状も良くなることをよく経験します。鼻炎は鼻で、喘息は気管の病気ですが、鼻と気管は繋がっています。そのアレルギー性鼻炎が引き金で喘息が悪化することもあります。さて、副鼻腔炎というのは一昔前までは蓄のう症いわれていました。鼻腔、さらに鼻の周辺である頬の裏や額の裏に、実は左右に4つ空洞があり、その空洞を副鼻腔と称し、鼻腔と繋がっています。感冒やアレルギー性鼻炎の悪化で鼻炎を起こすとその炎症が副鼻腔の方までいきます。風邪を引いた時に、副鼻腔炎との自覚はなくても結構なっていることがあります。副鼻腔炎もいわゆるアレルギー性の副鼻腔炎と風邪から起こる感染性の副鼻腔炎と、大きく分類されます。特に問題になるのが感染性の慢性副鼻腔炎です。喘息患者の約40~50%の方が、この副鼻腔炎が合併しているといわれております。通常の喘息の治療のうえに、抗生剤の内服が必要です。喘息の患者さんできちんとした治療を受けているのに、咳や喘鳴がなかなか良くならない方は、鼻も悪いのではないか、と考えたほうがよい。

このように喘息と鼻炎は非常に関係が深いのですが、喘息は症状ですぐにわかりますが、特に副鼻腔炎は気がつかずにおられる方も結構います。喘息の治療がうまくいってない時に、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の可能性があります。逆に鼻が悪くて咳が出ている方は鼻が原因で咳が出ている場合(いわゆる気管支炎)もありますが、喘息が隠されているケースがよくあります。子供の咳で困られて受診される方が多いのですが喘息を併発されていても鼻内の膿性鼻汁を徹底的(普通に掃除しただけではダメ)に吸引してあげると咳がかなり改善されます。