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2014年9月

デング熱・・・ウイルス持つ蚊が媒介 

デング熱  デング熱は、東南アジアや中南米など亜熱帯から熱帯地方で流行している感染症。世界保健機関(WHO)のまとめによると、2014年はこれまでにマレーシアで約5万3千人、フィリピンで約3万5千人の患者が確認されている。ウイルスを持っている「ネッタイシマカ」や「ヒトスジシマカ」などに刺されることで感染する。ヒトスジシマカは国内でも東北地方を北限として分布している。デング熱は1942~45年に長崎、神戸などの西日本で大流行し、太平洋戦争中に東南アジアで感染した人がウイルスを持ち込んだのが原因とみられる。その後、国内での感染報告例はなかったが、地球温暖化とともにヒトスジシマカの分布域が北上し、専門家は警戒していた。デング熱の症状は、3~7日の潜伏期間の後に突然38~40度の高熱が出て激しい頭痛や筋肉痛、関節痛などを伴う。特効薬はなく、解熱剤や点滴による対症療法が中心で5~7日で回復する。適切な治療を受ければ命に関わる病気ではない。ただ、重症型のデング出血熱を発症すると死亡する場合もあるという。国内ではヒトスジシマカは冬になると死ぬため、ウイルスが定着する可能性は低い。ただ、今後も旅行者がウイルスを持ち込み、国内の蚊が媒介する可能性はあります。地球温暖化の影響が亜熱帯でしか流行がなかった感染症が日本でも珍しくない日が来るかも知れません。

熱・のどの痛み・・・ 扁桃炎、風邪と勘違いに注意を 

扁桃炎、風邪と勘違いに注意を  扁桃は体の免疫力をつくり、鼻や口から細菌が気管や肺に侵入するのを防ぐリンパ組織が集まっている。普段、扁桃と呼ぶのは、このうち口の奥の左右両側にある口蓋(こうがい)扁桃という部分だ。細かな溝がたくさんあるために細菌の巣になりやすく、疲れやストレスなどで抵抗力が弱ると感染を広げ、炎症を引き起こしてしまう。うみがたまり口内炎のような白いぶつぶつがたくさんできる。悪化すれば痛みのために、食べたり飲んだりしづらくなる。細菌の種類は黄色ブドウ球菌、溶連菌など様々。軽いうちなら抗生物質の投与で、1週間もあれば治る例が多い。内服薬で効果がなければ点滴をする。今の季節、夏風邪を患う人も多い。扁桃炎と簡単に見分けられるのだろうか。ともにのどが痛み、熱も出るが、扁桃炎は風邪と違い、せきはあまり出ない。ただ症状だけでは判断しづらい場合もある。内科を受診してもなかなか治らないなどの場合は、耳鼻咽喉科でのどを診てもらうとよい。扁桃は幼少期が最も大きく働きも活発で、年齢とともに縮小していく。このため扁桃炎は子供に多いと考えがちだが、近年の受診者は大人が増えている。のどの痛みから口が開けにくくなることがあります。これは扁桃の周囲にまで、うみが広がる扁桃周囲膿瘍(のうよう)を起こしていることが多い。さらにうみが重力によって下へ落ち、扁桃床と呼ばれる部分を突き破って食道周辺や胸部に広がることもあります。市販の風邪薬で治そうと軽く見ないで早めの治療が大切です。

気管支炎や肺気腫、喫煙が一因 

喫煙が一因  高齢社会の到来とともに増えている代表的な病気の一つが慢性閉塞性肺疾患(COPD)だ。慢性気管支炎や肺気腫などを総称したものだ。これらの病気では、せきやたんが長く続いたり、坂道を上るときや動くときに息切れがしたり、呼吸困難になったりする。とてもつらい病気です。慢性閉塞性肺疾患の診断には、胸部エックス線検査やコンピューター断層撮影装置(CT)を使った検査のほか、呼吸機能検査も用いる。口にくわえたマウスピースを通して深呼吸を繰り返し、肺活量などを測定する。慢性閉塞性肺疾患では、息を吸えても、十分に吐き出せない。気管支に炎症があり、息を吐き出すときに気管支が狭まるためです。慢性閉塞性肺疾患の原因の一つが喫煙です。このため患者は長くたばこを吸ってきた高齢者に多い。息切れを感じる場合は、病院を受診し、呼吸機能検査を受けてほしい。そしてすぐに禁煙しなければなりません。発症後も禁煙は有効です。薬物療法もあります。狭くなった気管支を広げる薬や、炎症を抑える薬などを吸入します。体力を維持する運動も重要です。運動不足が続くと体力が衰え、息切れがさらにひどくなりがち。散歩などがお勧めです。腹式呼吸をすることで呼吸困難を防ぐ方法などもあります。 今後は米国と同様に女性患者の急増が見込まれています。これは男性の喫煙率が減少傾向にあるのに対し、女性はほぼ横ばいで、その差は縮まっているからです。女性にとってCOPDが厄介なのは、男性より発症しやすく、かつ重症化しやすい点です。たばこは心臓病や糖尿病のリスクも押し上げます。今吸っている人は「やめられない」と諦めずに、禁煙治療もありますのでぜひ禁煙に取り組んでほしい。