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2015年8月

天気の変化で不調…気象病

天気の変化で不調…気象病
 気象病にはうつやイライラ、肩こり、めまいなど、「不定愁訴」と呼ばれるものが多い。その中で、片頭痛、関節痛、治ったはずの古傷が痛むなど、痛みを伴うものを「天気痛」と呼びます。気象病の引き金は気圧、気温、湿度の変化など。特に影響が大きいのが気圧の低下です。関節痛などを持つ人に減圧室で過ごしてもらうと、痛みが増すことが確認されています。日ごろストレスで不眠になるなど自律神経が乱れやすい人は、気象病になりやすい。原因不明の痛みは天気痛の可能性があります。低気圧と高気圧が交互に通過する梅雨どきや台風シーズンなどは、気象病が出やすい季節です。代表的症状のめまい、頭痛、関節痛です。低気圧が近づくとぼんやりしたり、ふらついたりする症状には内耳が関係している。
気圧が変化すると、内耳の内リンパ液と外リンパ液の間に波のズレが生じる。それによって、脳は“体のバランスが崩れた”というサインをキャッチするが、実際には体のバランスは崩れていないため、目からの情報と内耳からの情報に食い違いが起きる。結果、脳が混乱して自律神経が乱れ、交感神経が興奮。内耳の血流が低下し、それによってめまいが起きる。
片頭痛も高気温と低気圧に関連しています。これはアメリカからの研究発表ですが、Neurologyという大変有名な雑誌にのっています。その内容は医療機関受診前24時間の気温で5℃上昇すると頭痛のリスクが7.5%上昇する。受診前48-72時間前の低気圧も頭痛のリスクを上昇する、という報告がなされています。気温・湿度・気圧によって片頭痛発作がおこしやすいことを医者ならびに片頭痛患者さんは経験的に知っているわけですが、それが科学的に証明されました。
気象病の予防には、気象の変化に負けない体作りをすることが大切です。日頃から規則正しい生活をこころがけ、十分な睡眠や正しい食生活、適度な運動などを心がけて、強い体を作ってください。
  

長く続く咳の患者が増えています

長く続く咳の患者が増えています 夜になるとせき込んで眠れない日が続き不安になる人が増えている。ひょっとすると「せきぜんそく」と呼ぶ聞き慣れない病気かもしれない。治療を受けないと、本格的なぜんそくに進む可能性があるので、早めに専門医を受診し、治療を受けることが大切だ。花粉症などアレルギー患者が増えていることも、せきぜんそくの増加につながっています。せきぜんそくの人には、小児ぜんそくだった人も含まれます。小児ぜんそくの約4~7割はよくなるが、2~3割程度がぜんそくを再発するとされています。せきぜんそくにかかるのは平均すると40~50歳代が多いが、70歳以上の高齢者を含めすべての年齢層で発症する。
通常のぜんそくは空気の通り道である気道に炎症が起きて狭くなり、呼吸をするときにヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴(ぜんめい)と呼ばれる音が出たり、呼吸困難になったりする。
せきぜんそくのせきも、気道に炎症が生じて起きる。夜間から明け方に悪化することが多い。喘鳴や呼吸困難になったりすることはないが、就寝後にせき込んで、しばしば目を覚ますなどぜんそくとの共通点もあります。
夜間にせきがひどくなるのは、昼間に活発に働いている交感神経の活動が、夜になると弱まり、逆に副交感神経の働きが強くなって、気道を締め付け、刺激を受けてせきが出やすくなるという。枕など寝具についたダニなどのアレルゲンもせきを誘発しています。
せきぜんそくの疑いがあるのは、風邪が治ったと思ったのに、せきだけ続くときです。春や梅雨どき、秋になると決まって空ぜきが続く人も要注意だ。花粉や黄砂、ハウスダストなどによるアレルギー反応で気道に炎症が起き、せきがでやすくなっているのです。
せきは1~2カ月以上続くことが珍しくない。空ぜきの場合が多いが、たんが出るときもあるという。しばしば風邪や気管支炎などと見過ごされる。胸部X線写真を撮っても、異常はみつかりません。
治療には主に慢性的な気道の炎症を改善する抗アレルギー薬「ロイコトリエン受容体拮抗薬」が有効でよく使われます。これでも治まらない時にはステロイド吸入薬と気管支拡張薬(ベータ刺激薬)の配合剤を使います。薬剤にもよるが、1~2週間で症状が改善することが多い。治療しないと悪化して3割くらいは本格的なぜんそくに移行する。
また最近は食事の西洋化などで胃食道逆流症の人が増えており、それに伴い空ぜきに悩む人も多い。胃食道逆流症の人は昼間、特に食後にせきが出やすくなる。せきぜんそくと胃食道逆流症を併発している人もおり、両方の治療が必要なケースもあります。2~3週間にわたってせきが続く病気にはせきぜんそくのほか、花粉症などに合併することが多いアトピー咳嗽(がいそう)、蓄膿(ちくのう)症とも呼ばれる副鼻腔(びくう)炎に伴うせき、慢性気管支炎、百日ぜき、肺がん、肺結核などがある。高血圧や心臓病の治療薬であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬を服用していると副作用でせきが続くこともあります。肺がんや肺結核は胸部X線写真で異常が認められるため検査で判別可能です。