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2018年2月

チョコレートは健康に良い

チョコレートは健康に良い

フラバノールはポリフェノールの一種で、チョコレートやココアの主原料となるカカオ豆に豊富に含まれています。チョコレートには赤ワインより多くのフラバノールが含まれています。 フラバノール含有量の高いココアを摂取すると、一酸化窒素が増え、血管拡張(血圧低下)、血小板凝集抑制(抗動脈硬化)などにつながることが分かっています。
 また血圧は、フラバノール摂取により、平均、収縮期血圧、拡張期血圧の低下が認められました。脳卒中の死亡率、冠動脈疾患の死亡率、しいては全死因の死亡率のリスクが低減すると推定されています。フラバノールを少なくとも520mg、毎日摂取している高齢者は、認知能力の大幅な改善を示しました。つまり、フラバノールの摂取は認知機能を改善する可能性があるのです。かと言ってほとんどの市販のカカオ製品は、たくさん摂取すると、飽和脂肪酸や糖分により、カロリーの摂り過ぎになります。そして、カカオのプラスの効果を打ち消すほどの、体重増加や血糖の上昇を招きます。カカオ豆を加工したココアパウダーには約3.6%のフラバノールが含まれていますが、成分調整ココアをたっぷり使ったダークチョコレートのフラバノール含有率は、わずか約0.5%です。ミルクチョコレートやホワイトチョコレートには、フラバノールは低いか含まれていません。市販のダークチョコレート(74%ココア)40g摂取の2時間後に、血液中の抗酸化状態の大幅な改善が報告されています。これがチョコレート効果が出る一つの目安でしょうか。
 ちなみに、チョコレートに関する仮説としてもっと有名なものは、国別チョコレート消費量とノーベル賞受賞者数の関係性を調べた結果、摂取量の多い国が人口当たりのノーベル賞受賞者が多かったとの結果が出ています。受験生の夜食にもチョコレートは最適なのかもしれない。
 チョコレートとナッツは相性が良いのですが、2013年にスペインから報告された試験は、1日30gのナッツの摂取により心血管疾患を減少させることが分かった。その他にもナッツ摂取により心血管疾患発症が減少するという報告があります。しかし、心筋梗塞に対しては認められたが、脳卒中に対しては認められないようです。また、ナッツの種類による相違を検討したところ、心筋梗塞に対してはいずれのナッツも発症リスクの減少につながっており、脳卒中に対しては特にクルミが(3コホートの合計ではピーナツも)発症リスクの減少につながっていた。クルミと同様、ピーナツもよいようですが、ピーナツバターではそうした作用がないことが分かっています。ビターチョコレートとナッツの組み合わせは健康に良いようです。

抗インフルエンザ薬の予防的投与について

この冬もインフルエンザが猛威を振るっています。インフルエンザの予防にはシーズン前のワクチン接種が第一ですが、残念ながら、ワクチンを打っていても発症を完全に防げるわけではありません。 入学受験を間近に控えている、大事なプレゼンが迫っているなど、人生の中で「どうしても今だけはインフルエンザにかかりたくない!」という局面は訪れるもの。そんなときに同居する家族がインフルエンザにかかってしまったら、うつるリスクが極めて高くなります。 そうした緊急事態に検討したいのが抗インフルエンザ薬の予防投与です。
インフルエンザの治療に使われる抗インフルエンザ薬は4種類。そのうち、点滴薬のラピアクタを除いた3種類、すなわち、経口薬のタミフル、吸入薬のリレンザ、吸入薬のイナビルは、インフルエンザの予防に使うことが認められています。 抗インフルエンザ薬には、体の中でインフルエンザウイルスが増えるのを抑える作用があります。抗インフルエンザ薬を予防的に使っていると、インフルエンザウイルスに感染しても体の中でウイルスが増えにくくなるため、結果としてインフルエンザの発症を予防できるのです。
 タミフル、リレンザ、イナビルを予防に用いる場合は、いずれも原則として、治療に使う量の半分を、倍の期間使用します。使用期間は薬によって異なり、タミフルは7~10日間、リレンザは10日間、イナビルは1~2日間です。あくまで予防としての使用ですので、ワクチンと同様、公的医療保険は使えず自費診療の扱いとなります。発症を予防できるのは、服用している期間だけです(イナビルは服用開始から10日間)。では、高齢者ではなく、基礎疾患もないけれど、入試の直前に家族がインフルエンザにかかってしまった…など、上記の条件に当てはまらないケースの場合、予防投与は受けられないのでしょうか。
この場合は、薬剤の添付文書に記載されていない使い方(適応外処方)となるため、万一、重い副作用が起こっても「医薬品副作用被害救済制度」の対象とはならず、補償が受けられないというデメリットがあります。また、抗インフルエンザ薬を使い過ぎると、薬への耐性を持ったウイルスが出現する恐れがあります。 このため、個別の事情をどう受け止め、適応外処方の可否を判断するかについては、医師によって考えが異なります。まずはかかりつけの医師に、事情を説明し、相談してください。
ところで、かぜ・インフルエンザ対策を行っている受験生は、対策に注意を払っていない受験生と比べ、第1志望校の合格率が高いという結果があります。薬に頼らず普段から手洗いやうがいなどの対策をしっかりと行いましょう。