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2018年3月

受動喫煙・・・加熱式たばこも注意

喫煙は発がん原因のトップで史上最大の人災です。国立がん研究センターが家庭や職場などでの受動喫煙がある人は、肺がんにかかるリスクが約1.3倍に高まると発表しました。同センターは、これまで受動喫煙による肺がんのリスク評価を「ほぼ確実」としてきましたが、今回の研究結果を受けて「確実」に引き上げました。「日本人のためのがん予防法」でも「他人のたばこの煙をできるだけ避ける」から「できるだけ」の表現を削り「煙を避ける」と修正しました。能動喫煙と肺がんの関連は、多くの研究によりリスク要因であることが明らかで、日本では肺がんによる死亡者のうち、男性で70%、女性で20%は喫煙が原因と考えられています。肺がん以外の多くのがんとの関連もはっきりしており、がん死亡者全体のうち、男性で40%、女性で5%は喫煙が原因と考えられています。しかし、受動喫煙については、能動喫煙より発がん作用が小さいため、これまで個々の調査では、対象者数が限られるなどの理由から確実なリスクとは断定できませんでした。今回、受動喫煙が肺がんのリスクを高めることが確実となりました。労働安全衛生法が改正され、昨年6月からすべての職場で受動喫煙防止対策をとることが「努力義務」となりました。しかし、国際的には、公共施設や飲食店など、市民が集う屋内の場では禁煙を義務づけるのが主流です。日本の受動喫煙対策は世界の中で最低レベルにあります。東京五輪を契機に屋内完全禁煙を実施する取り組みが始まりました。04年のアテネ五輪以降、五輪開催都市では罰則付きの法令を定めるなどの対応をとっています。東京都も20年が大きな転換点になることを期待します。今、新型たばこが急速に広がっています。紙に巻いた葉タバコを燃やす従来のたばことは異なるもので「非燃焼・加熱式たばこ」と「電子たばこ」に大別されます。
 非燃焼・加熱式たばこは葉タバコを加熱し、ニコチンを含むエアロゾル(浮遊性微粒子)を発生させて、吸引します。電子たばこは液体を加熱して気化させます。液体にはニコチンを含むものと含まないものがありますが、含む液体を加熱するタイプの電子たばこは、日本では医療機器として取り扱われるため、一般には流通していません。日本で普及し始めているのは非燃焼・加熱式たばこです。「アイコス」「プルームテック」「グロー」などがあります。20世紀後半、紙巻きたばこの害が明らかになり、種々の規制が設けられてきましたが、その規制に対応するように製品を進化させたのが新型たばこといえます。しかし、新型たばこでもヘロインやコカイン以上の依存性を持つニコチンの量はほぼ同じです。なお、ニコチンは葉を食べられないようにナス科の植物のタバコが作り出した毒です。確かに、一部の発がん物質については、新型たばこは通常のたばこより少ないことが分かっています。しかし、未知の成分もあり得ますし、個々の成分ではなく、混合物の吸入行為として全体的に評価する必要があります。体内で発生したがん細胞が発見できる大きさになるには20年といった長い時間が必要ですから、新型たばこの危険性を評価できるのはずっと先です。さらに、新型たばこの使用者の多くが以前から喫煙しているため、新型たばこそのものの影響を検証できるのは次の世代になってからになります。新型たばこは煙を出しませんから、煙からの受動喫煙はありません。しかし、人が吸い込んだ空気の3分の1程度はそのまま吐き出されます。喫煙者の吐いた息によって、発がん物質を含んだエアロゾルの「受動吸入」は間違いなく起こります。喫煙者が禁煙のつもりで代替品として使い、臭いが少ないために周りも容認する傾向もみられます。ますます禁煙が困難になります。困ったことです。

老化を食い止め、健康長生き! 最新アンチエイジング術
コーヒー・ココア・お茶…老化を食い止める飲み物は?

コーヒーに含まれるクロロゲン酸など、コーヒー・ココア・茶葉のポリフェノールの健康効果が注目されている。アンチエイジングを支える最も重要な働きが「抗酸化」。活性酸素や糖化産物の蓄積による酸化ストレスは、生活習慣病をはじめとする加齢性疾患を引き起こす最大の要因とされるからだ。 抗酸化成分として、いま世界的に注目されているのは植物に含まれるポリフェノール類。コーヒーのクロロゲン酸や、ココアのフラボノイド、茶葉のカテキンなどがその代表だ。これらを多くとる人ほど酸化ストレスと、その結果としての老化が抑えられることが分かってきた。例えば、コーヒー消費量と肌の色素沈着の関係を調べた日本の研究。コーヒーを多く飲む人ほどポリフェノール摂取量が多く、肌の色素沈着が少ないことが分かった。フラボノイド豊富なココアを毎日飲んでもらった韓国の研究では、肌の弾力やシワの改善に効果があった。
 緑茶やコーヒーが心血管病や脳卒中のリスク低下に役立つことも明らかになっている。コーヒーはメタボ発生リスクを57%、紅茶は49%それぞれ低下させることがイタリア人を対象にした研究で明らかになっています。