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2022年1月院内新聞

あけましておめでとうございます。今年も毎月様々な情報を発信していきますのでよろしくお願いいたします。

ストレスコーピング…飲酒は逃げの手段

コロナ禍で外出できないため家飲みする方が多いと思います。「ストレスコーピング」これは、認知行動理論で提唱される方法で、日常生活において様々なストレスを感じた際、戦略的にストレスに対処するための方法です。
ストレスコーピングには、ストレッサー(ストレスの原因)から「距離を置く」「回避する」、そして「ストレスの耐性を高める」「ストレスを忘れる(気分転換)」などがあります。例えば、仕事がストレッサーだった場合、仕事量を軽減することは「ストレッサーを軽減する」、転職は「ストレッサーを回避する」ことになります。また、映画鑑賞や読書、あるいはスポーツをすることなどは「ストレスを忘れる」ための気分転換であり、いずれもストレスコーピングの一つです。
しかし、ストレスに対処する方法としてお酒を使うと、アルコール依存症につながる恐れがあり、また飲み過ぎれば、肝疾患や糖尿病、様々ながんなどの病気のリスクも上がります。そもそもお酒を飲んでも、ストレスに対処したことにはなりません。確かに一瞬、楽しい気持ちになり、ストレスを忘れたようにも感じます。でも、実際は、ただ酔っているだけであり、気分転換ができているとは言えないのです。
お酒の問題は、ストレスを忘れたと感じるようになるまで飲もうとすると、次第に量が増えていってしまうことです。その結果、依存症や病気につながってしまう可能性があります。お酒をストレス発散の手段にするのではなく、別の方法でストレスに対処すべきです。
お酒を飲むと肝機能が悪くなることは周知のことと思います。血液検査でγ-GTP、ALT、ASTなど、肝機能検査の数値が上がります。健康診断の結果で、多くの方が気にするのが「γ-GTP」などの肝臓のデータでしょう。特に酒好きには気になる数値です。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるだけあって、多少肝機能の数値が悪くなったくらいでは自覚症状が出ないのが怖いところです。症状がないからと言って放置し続けるうちに、肝硬変、そして肝臓がんなどに至らないようにしたいものです。
お酒をよく飲んでいる人でγ-GTPが高いという人は、酒量を減らすのが対策の基本となります。厚生労働省は「健康日本21」の中で適度な酒量として1日にアルコール20g程度を推奨しています。これはビールなら中瓶(500mL)1本、日本酒なら1合(180mL)程度、アルコール度数25度の焼酎なら0.6合(110mL)程度に相当します。
一般に酒量を減らせばγ-GTPは下がります。基準値を少し超えているくらいなら神経質になる必要はありませんが、毎年上がり続けるようなら要注意です。
ALTが30以上の場合は「肝細胞が壊れている」可能性が高い。ALTはアミノ酸代謝やエネルギー代謝に関わる酵素で、肝細胞が障害を受けると血中に出てきて数値が高くなる。つまり、肝臓のダメージがダイレクトに表れます。このため、肝機能の数値の中で一番気にすべきなのはALTです。脂肪肝によってもALTは上がります。大事なのは数値そのものよりも、大切なのは前回からの変化です。毎年ジワジワと上がり続けているようなら要注意です。脂肪肝が進んでいるのかもしれませんし、何か改善すべきことがあるのかもしれません。
飲酒はストレス発散ではなく嗜むものです。健康に留意しながら平穏な正月をお過ごしください。

3回目(追加接種)のワクチン接種に向けて

オミクロン型の再感染リスクはデルタ型の約3から5倍と推定されています。ワクチンの2回接種だけでは感染予防などの効果が大幅に低下することがわかっています。オミクロン型への米ファイザー製ワクチンの発症予防効果は2回目接種から2~4週間後の人では60%程度あるが、15週間以上たった人では20%以下に下がっていたそうです。一方、ワクチンの追加接種(ブースター接種)については発症予防効果の回復が期待できるようです。さらに新型コロナウイルス「オミクロン型」は、世界で利用されている抗体医薬の多くが効きにくいようです。日本では2種類が実用化されていますが「ロナプリーブ」(中外薬品)はほとんど効果がなく、「ゼビュディ」(グラクソ・スミスクライン)は一定の効果が見込めるという。その理由はヒト細胞表面のタンパク質と直接結合する「受容体結合領域」という場所に大量の変異があるからです。受容体結合領域の形状はウイルスが細胞へ侵入する際の成功率に直結します。しかも多くの抗体がここを標的としているため、効果に影響します。
オミクロン型の症状についてはデルタ型と比べて重篤度が低いとする報告があり、このまま新型コロナウイルスの病原性は弱まる方向に進むのでは、という希望的な観測もあります。 しかし、わからないことが多いため必要な感染対策を怠らないことが最も求められることです。3回目のワクチンの副反応は2回目と同程度です。