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2009年8月

医療用語の「わかりやすい」言い換え提案・・・患者に伝わりにくい57語

医療用語の「わかりやすい」言い換え提案・・・患者に伝わりにくい57語

医療現場では患者に対し今まで以上に説明を尽くし、患者自らがふさわしい医療を選択することを支える姿勢が求められています。国立国語研究所(東京都)はこのほど、患者に意味が伝わりにくい57の医療用語をわかりやすく言い換え、説明する工夫を提案した。同研究所は2007年秋、研究員や医師会、薬剤師会、看護協会、法律家、コミュニケーション学者、ジャーナリスト、患者支援団体などの識者による「病院の言葉」委員会を設立した。同委員会は、よく使われるが患者にとって難解な医療用語の頻度調査と、医療関係者300人から問題の言葉を洗い出す記述調査を実施、収集した約2万語から統計処理で2,000語を抽出した。そこから詳しく検討すべき100語を選定し、インターネットで医師や看護師などの医療関係者約1,600人と患者約4,200人を対象に医療用語の重要度や認知度(見聞き程度)を尋ね、重要かつ患者に正しい意味を理解させておくべき57語に絞り込んだ。患者に言葉が伝わらない原因を3つ挙げた。1つ目は「病理」など言葉が患者にとって一般的でないこと。次に「炎症」など患者が言葉を見聞きした経験があるものの、皮膚の表面に現れる症状のみと解釈するなど正しい理解が得られていないこと。3つ目は「腫瘍」と聞くと、患者は「=がん」と思い込んで落ち込むなど心理的な負担で理解が妨げられてしまうことである。そのほかに以下のような例があります。

伝わりにくい医療用語 認知率(%) 理解率(%) 言い換え
イレウス 12.50% 7.80% 腸の通過障害
エビデンス 23.6 8.5 この治療法がよいといえる証拠
誤嚥 50.7 46.2 食べ物が気管に入ること
生検 43.1 38.5 患部の一部を切取って顕微鏡などで
調べる検査
頓服 82.6 46.9 症状が出たときに飲む薬
合併症 97.6 54 ある病気が原因となって起こる別の病気

医師として説明したつもりでも患者さんに伝わっていないこともあります。その場でわかったつもりでも家に帰って思い出すと理解できていないと思うことがあれば是非次回に質問して下さい。

少量のワイン摂取で寿命が延びる

少量のワイン摂取で寿命が延びる

1日にグラス半分のワインを継続的に飲んでいる男性は寿命が5年長いことが、オランダの研究グループにより報告されました。また、種類にかかわらず少量(1日20g)のアルコール飲料を長期間摂取している人は、飲酒しない人に比べて寿命が2.5年長いこともわかったという。これはオランダの男性1,373人を対象に、1960年から2000年まで飲酒の習慣のほか体重、食事、喫煙、重篤な疾患の診断などのデータを追跡しています。

以下のことが明らかにされました:

  • 少量のアルコールを長期間摂取すると、飲酒しない人に比べて寿命が2.5年延長した。1日20gを超えるアルコール摂取では、2年近い寿命延長が認められた。
  • 1日に平均20g程度のワインを飲む人は、50歳の時点の余命がビールまたは蒸留酒を飲む人に比べて2.5年長く、飲酒しない人に比べると約5年長かった。
  • 適度な飲酒と死亡リスクの低さとの間には関連がみられ、ワインの摂取と心疾患、脳卒中などによる死亡リスクの低さとの間には強い関連がみられた。

この知見は比較的高齢の人に当てはまるものであり、飲酒による利益を得られる可能性が最も高いのは50歳以上の人だという。心疾患リスクを軽減するためには、禁煙、定期的な運動、健康的な食生活および適正な体重の維持などがはるかに重要です。日本でも以前より一合の酒は長寿のもとといわれています。

電子たばこに発がん性物質や有毒物質、米FDAが安全性に警告

電子たばこに発がん性物質や有毒物質,米FDAが安全性に警告

世界的に禁煙の機運が高まるなかで、愛煙家からの注目を浴びている電子たばこ。水蒸気を吸い込むことで喫煙しているような感覚が得られるものだが、形状や利用方法が喫煙と酷似しているため各所でトラブルが発生し、わが国ではJR北海道が列車内と駅施設の禁煙エリアにおける使用を禁止した。こうしたなか、米食品医薬品局(FDA)が電子たばこの成分に発がん性物質や有毒な化学物質が含まれていることを発表。公式サイトで警告を発した一方、専門家は若年者の喫煙誘発を懸念している。電子たばこはたばこに似せた電子機器で、カートリッジ内にある液体を熱で気化させ、その水蒸気を吸い込むもの。カートリッジ内の液体は、チョコレートやミントなどさまざまなフレーバーがついており、海外ではニコチンを含有したものが主流だが、わが国では薬事法に抵触する恐れがあるためニコチンを含まないものがほとんどとなっている。禁煙効果をうたう業者がいるものの、その効果ははっきりせず、疑わしい。FDAは今回、主要2メーカーから発売されているニコチン含有の電子たばこを分析。その結果、1つのサンプルから不凍液に使われる有毒物質ジエチレン・グリコール、他のサンプルからはニトロソアミンを含む発がん性物質が検出された。「たばこ」と呼ばれるものには良いものがないということです。