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2026年10月

唾液腺の病気について

 唾液は耳下腺、顎下腺、舌下腺という3つの大唾液腺と、その他の小唾液腺から分泌される。唾液が持つさまざまな作用の中でも特に重要なのが、細菌やウイルスによる感染を防ぐこと。唾液には粘膜を守る、歯の表面から溶け出すエナメル質を修復する、不要な化学物質などを出す、細菌などを洗い流す、口の中のpHバランスを整えるなどの作用がある。

 唾液の「量」も大切です。唾液の量が減ると、食べ物を飲み込みづらくなる。口の中が乾いて口臭が気になり、人に会うのを避けたくなる。 唾液は、加齢に伴って質・量ともに低下しやすくなる。食物繊維や発酵食品をとらない、よく噛まない、運動不足であるなどの生活が続くと、唾液の質はさらに落ちてしまう。また、水分の摂取不足も唾液の量を低下させ、口の中の乾きにつながる。唾液の減少により、歯周病リスクが上がる。加齢によって飲み込む力が落ちると、歯周病菌もろとも飲み込みやすく、誤って気管に入れば肺炎(誤嚥性肺炎)を起こしやすくなります。

唾液腺に生じる主な疾患には、

  • 唾液腺や導管内に石ができる「唾石症」
  • 唾液腺に炎症が起きる「唾液腺炎」
  • 唾液の出口が塞がれて生じる「粘液囊胞(のうほう)」
  • 「唾液腺腫瘍」

 唾石症は9割ほどが顎下腺とその導管に生じる。
特徴的な症状は食事のたびに起きる顎の下の痛み や腫れだ。
顎下腺からは粘度の高い唾液が重力に逆行して分泌されるため停滞しやすく、
唾石が生じやすい。治療には抗菌薬や鎮痛剤を使うか、唾石を摘出する手術となる。

 唾液腺炎には細菌性とウイルス性のものがある。細菌性唾液腺炎は口腔内の常在菌が主な原因で、痛みや腫れが生じ、発熱したり導管から膿(うみ)が出たりする。耳下腺での発生率が高い。 高齢になると唾液量が減るうえ、歯磨きが不十分だと細菌性唾液腺炎を発症しやすい。免疫力低下も関係するという。治療は抗菌薬、鎮痛剤などの投薬を中心に、うがい薬や人工唾液を使用することも。

 ウイルス性唾液腺炎は、ムンプスウイルスによる流行性耳下腺炎(おたふく風邪)がほとんどだ。両側の耳下腺が腫れて痛み、時には顎下腺まで炎症する。治療は対症療法で、解熱鎮痛剤が処方される。小児の感染が多いが、症状が似ている反復性耳下腺炎との区別が難しい。

 反復性耳下腺炎は片側だけ繰り返すことが多い。「他人には感染しないが、おたふく風邪と誤診されて学校の欠席を指示されることも少なくない。

 粘液囊胞は、唇や舌下などの導管出口が傷ついて塞がるなどで生じる。痛みはなく自然消失もあるが、気になる際は手術での除去が必要です。

 唾液腺腫瘍の発症頻度は、少ないのですが多くは耳下腺、顎下腺にできます。良性であっても、多形腺腫では1割程度が悪性化するため手術をすすめられます。しこりだけで症状があまりないので進行するまで気づかないこともあります。

 唾液の99%は水分であるため、唾液を増やすためには水分摂取が欠かせない。唾液が出にくい人は分泌を促すマッサージやあごの下の筋肉を鍛える運動があります。唾液はからだにとって重要な役割があります。よく噛んで食事をし、嚙むことで脳も活性化され、健康な唾液を分泌させ、歯周病や虫歯を予防し、病気に強い体になります。