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2026年11月

増えている「大人の喘息」

 たまに出るくらいなら見過ごされがちな「咳」。だが、風邪の後に長引く咳を放っておくことで喘息につながることがあります。喘息は慢性化し、生活の質を著しく落としかねない。気道が慢性的な炎症により狭くなり、そこに何かしらの刺激が加わると激しい咳と息苦しさをともなう発作が起こる。激しい発作が長く続くと呼吸困難になり命に関わることもある。

 子どものころに発症する小児喘息は、成長に従い免疫系が変化することで放っておいても6~8割の人で徐々に症状が出なくなる。ところが大人になってからの成人喘息は放置していると重症化し、難治性になる恐れがある。この成人喘息の7割は、子どものころは喘息がなかったのに大人になって初めて発症する人だという。

喘息は大きく2タイプに分けられる

 刺激原因が特定できるものをアトピー型、原因の特定できないものを非アトピー型という。アトピー型は血液検査でアレルゲンに反応してつくられるIgE抗体の量を調べることでわかる。成人喘息は6:4でアトピー型が多い。女性の場合は特に中年期以降の肥満が喘息発症リスクを高めるとの報告もある。

アトピー型喘息
ダニやカビ、ペットの毛など特定のアレルゲンに対する免疫反応(アレルギー)により発作が起こるタイプの喘息。環境整備をするなどアレルゲンを遠ざけることが発作予防に。

非アトピー型喘息
アレルゲンが特定できない喘息。気候の変化や疲労、ストレス、タバコの煙などが誘因になり発作が起こる。これらをできるだけ避けることが予防になる。

薬剤が原因の喘息も

 アスピリンを代表とする解熱剤や鎮痛剤で誘発されるアスピリン喘息です。IgE抗体は検出されずアレルギーとは別のメカニズムで起こると考えられている。意識障害に至るほどの重症例もある。内服薬だけでなく坐薬や湿布でも起こるのでアスピリン喘息患者には禁忌となる。

 喘息の典型的な自覚症状は呼吸時にヒューヒュー、ぜいぜいという喘鳴(ぜいめい)。炎症により気道が腫れて狭くなっているため空気が通ると音がする。軽症では気づかないこともある。成人喘息の6割程度は軽症間欠型といって、たまにしか発作が起こらず、症状も軽微。しかしだからといって放置していると悪化する恐れがある。

 成人喘息は一度発症してしまうと完治が難しく、一生の付き合いになる可能性がある。ただし、適切な治療を受ければ8割は発作を抑えることができるという。発作を起こさないようにすれば喘息がない人と変わらない生活を送ることができる。そのため、薬を上手に使ってずっと症状が出ない状態にすることが喘息の治療目標になる。

治療の基本は「炎症の長期管理」…毎日使うことが大切

 喘息には「発作の予防」と「発作を止める」2種類の治療が必要で、それぞれ使われる薬が異なる。剤形も吸入、内服、貼り薬があり、重症度などに応じて組み合わせが決められる。コントロールが良好になれば薬の量や種類を減らすことも可能。

 発作を抑え悪化を防ぐために、気道の慢性的な炎症を抑え、気道を広げ呼吸を楽にする薬でコントロール。症状がないときでも継続して服用する。吸入ステロイド薬による治療を基本に、気道を広げて呼吸を楽にする長時間作用性β2刺激薬などが用いられる。

 喘息の診断には、咳や息苦しさ、呼吸時の喘鳴の有無などを確認する問診のほか、気道の炎症で合成が進む一酸化窒素(NO)を計測する「呼気一酸化窒素濃度測定」や、息を吐きだす力を測定する「スパイロメトリー」と呼ばれる呼気検査、また採血によるアレルギー検査などが行われる。喘息かどうかわからなければ、当院で呼気酸化窒素濃度測定装置器で検査すれば診断の一助になります。