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2010年8月

熱中症や脱水症状 盛夏、早めの水分補給・・・真水でなく塩分含む水を

熱中症や脱水症状 盛夏、早めの水分補給 ・・・真水でなく塩分含む水を

今年の夏は特に暑い日が続き、熱中症になる人が増えている。
私が子供の頃には熱中症がこれほどは話題にならなかったように思います。
しかもスポーツドリンクなどもなく、暑いときは水道水や麦茶を飲む程度でした。
脱水症予防には適切な水分補給が大切で、のどが渇いていなくても、30分ごとにコップ半分の水分をとるように。
ただ、真水は体内に吸収されにくいなど、飲料の種類や飲むタイミングによって効果はまちまち。
一般に大人の場合、1日に1~1.5リットルの水分が必要とされる。
食事から約1リットル得られるが、毎日2.5リットルは尿などとして排せつされているからです。
水分が不足すると汗が出なくなり、体の深部温度が高くなる。
37~40度になると、だるさや食欲不振など熱中症の症状が出てくる。
40度以上で意識がなくなるなど神経症状が表れる。
夏場の水分補給はのどが渇いたときだけ飲むだけでは不十分です。
建築現場など屋外の職場で熱中症を起こした患者を調べたところ、水分補給をしていても熱中症になる例が少なくありません。
熱中症にならないためには汗で減った体重と同量の水を飲むのがよい。
ただ、汗の量を正確に把握するのは日常生活では難しい。
特別な運動をしているときでなければ、日中は30分ごとにコップ半分くらいを飲めばよい。
睡眠中は水分補給ができないため、就寝前と起床時はそれぞれコップ1杯ずつ飲むようにする。
脱水症状など熱中症になりかけているときには、体液と近い組成で塩分が入っているものがよい。
スポーツ飲料や0.1~0.2%食塩水なら、飲んでから数分で体内に吸収される。
真水だと吸収に数十分かかり、半分くらいしか吸収されないこともあります。
運動で大量の汗をかく場合も塩分を含む水がよい。
ただ、スポーツ飲料は糖分が多く含まれることもあるため、常時飲み続けていると一過性の糖尿病になったり、太ったりするので注意して下さい。

染色体の末端部は細胞の健康を左右する

染色体の末端部は細胞の健康を左右する

人間の細胞は細胞分裂によって新しい細胞が出来き、古い細胞は消失するという循環を繰り返しています。
テロメア(Telomere)は真核生物の染色体の末端部にある構造。
染色体末端を保護する役目をもつ。ギリシア語で「末端」を意味するテロスと「部分」を意味するメロスから作られた語です。
細胞の遺伝子DNAの分解や修復から染色体を保護し、物理的および遺伝的な安定性を保つ働きをする。
テロメアを欠いた染色体は、細胞によって異常なDNA末端と見なされ、酵素による分解や、変形が起こる。
このような染色体の不安定化は細胞死や発ガンの原因となる。
テロメアは70年前に発見され、「染色体の末端を保護する染色体の要素」です。
テロメアDNAの長さも生物種や組織、系統や個人によって異なる。
がん細胞は正常細胞に比べ短いテロメアをもちます。
染色体の最末端部はテロメラーゼによって延長が行われる。
テロメラーゼがない場合、染色体は複製のたびに短くなる。
テロメアやテロメラーゼは、細胞の老化や不死化と呼ばれる現象に重要な役割を担っており、これを介して生体の恒常性維持やがん化とも密接に関連していると考えられています。
ヒトなどの動物組織細胞は分裂回数が制限されており、一定数の分裂を行うと細胞周期が停止してそれ以上は分裂できなくなる。
この現象を細胞老化と呼ぶ。
これに対して、がん化した細胞などは際限なく分裂することが可能であり、これを細胞の不死化と呼ぶ。
ここでいう「不死」とはその細胞自体が死なないという意味ではなく、細胞がどんどんとどまることなく分裂し永続性を獲得しているという意味である。
テロメラーゼによるテロメアの伸長修復は、染色体を維持することで、永続的な細胞分裂、つまり細胞の不死化に重要な役割を担っている。
癌発症と癌による死亡の関係を、一般集団を対象に前向きに調べる初めての研究を行った結果、テロメア長と癌罹患、癌死亡の間に有意な関係があることがわかりました。
テロメア長が長いグループに比べると、テロメア長が短いグループの癌罹患リスクは約3倍でした。
これらのことは今後癌の予防や治療に生かされるでしょう。