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2010年11月

運動すると風邪をひきにくくなる・・・罹患日数がほぼ半減

運動すると風邪をひきにくくなる・・・罹患日数がほぼ半減

「子供は風の子、大人は火の子」とは小児の活発な運動による健康増進を勧めることわざの1つだが、大人もよく運動するほど風邪をひきにくくなるようです。18歳以上の成人を対象とした研究で週5日以上運動する人では、ほとんど運動しない人に比べ風邪(上気道炎)の程度が軽いとの前向き疫学研究が発表されました。調査の結果、週5日以上の有酸素運動を行っていた人(215例)では、12週の間に風邪に罹患した日数がほとんど運動しない(週1日以下、341例)人に比べ43%有意に減少していた。健康に対する自己評価が高い人でも、同罹患日数は低い人に比べ46%の有意な低下が確認されました。さらにこれらの人では、風邪の重症度スコアおよび症状スコアも32~41%と大幅に低下していた。以上はすべて年齢、教育レベル、結婚、性、ストレスレベル、BMI、果物の摂取状況を補正して得られた値だという。
風邪の発症には免疫機能の低下や感染リスクを低下させるストレスや睡眠不足などさまざまな要因が関連すると考えられている。一方、運動が免疫低下を抑制し、風邪の罹患リスクを下げることが報告されています。風邪にならないためには健康への自己評価の高さと運動回数が最も重要な因子です。

今年のインフルエンザ

今年のインフルエンザ

インフルエンザが流行し出しました。今年は季節性インフルエンザ(A香港型)が多く報告されています。香港型はここ何年も大きな流行がなく、免疫を持つ人が少ない。予防接種などの対策をとった方がよさそうです。インフルエンザワクチンはインフルエンザにかかりにくくし、もしかかったとしても重症になるのを防ぐ効果がある。1回の接種(13歳未満は2回)で、新型インフルエンザと季節性(A香港型とB型)インフルエンザの3種類のタイプを予防する3価ワクチンの接種が今年の主流です。高齢者や乳幼児、糖尿病などの人は、かかったときに重症になることがあるので受けた方がよい。子どもは学校などで感染する機会が多い。昨年の新型インフルエンザの流行時期には、小学生に比べて中高生は予防接種を受けた人が少なかった。さらに感染者も少なかったので、中高生は免疫を持たない人が多いと考えられます。昨年予防接種を受けた人も新たに接種を受けた方がよい。ある調査で昨年新型インフルエンザのワクチンを接種した人のうち、予防に十分な免疫力がある人は4カ月後では半減していたそうです。時間がたつにつれてワクチンの効果が低下していくという。接種後約2週間で効果が出るので、流行が始まる前に打っておいた方がよい。

インフルエンザにかかっても、早期に治療すればほとんどがよくなる。新型インフルエンザの流行では、日本は欧米などよりも重症者や死亡者が極端に少なかったが、これは早期に治療薬を使ったためと治療薬の効果を指摘する海外の研究論文が相次いでいる。

治療薬はこれまではタミフルとリレンザが主流だったが、今年に入り相次いで新薬が登場し、選択肢が広がった。1月に登場したラピアクタは1回の点滴ですみ、薬の服用が難しい重症者に向いている。肺炎や脳症を起こした重症者にも効果があるとみられ、まず入院患者の使用が中心になる。11月に発売されたイナビルは専用の器具を使い吸入するタイプで、リレンザと使い方が似ている。1回で1週間効果が続くが、幼児は吸引しにくいので、主に小学生以上が適用対象になるとみられる。「イナビル」は、原料の調達から販売まで国内で一貫して行う「純国産」です。新型インフルエンザの流行に応じて柔軟に生産できるため、治療薬不足の予防網にもなる。輸入薬の「タミフル」「リレンザ」は、1日2回、5日間の継続的な服用が必要だったが、イナビルは症状の初期に1回の投与で済む。塩野義製薬の「ラピアクタ」は、有効成分は輸入するが、生産は国内。点滴タイプのため、重症患者や薬が満足に飲めない高齢者や子供向けとして注目を集める。治療薬の在庫は、大流行した昨年の患者数2000万人を大きく上回る2400万人分に達する見通しです。今後は国産のインフルエンザ治療薬が主流になっていくことでしょう。