【営業時間】9:00~12:00 15:30~19:00
TEL.059-244-2222

2019年9月

片頭痛

 

台風シーズンの夏から秋にかけて、低気圧の接近とともに片頭痛を
訴える人は少なくない。昔からこうした天気の状態による頭痛は
天気病みとも呼ばれていた。仕組みや予防方法を知ってしっかり乗り切りたい。
「片頭痛」は、頭の片側、もしくは両側が脈拍に合わせてズキズキと痛む頭痛のこと。月に1~2回、多い人では週に1~2回ほどの頻度で数時間から2~3日間、痛みが続く。日本では約840万人が悩まされている。
 同じ頭痛でも長時間のパソコン作業などで筋肉が緊張して起こる「緊張性頭痛」は体操や体を動かすことで痛みが引くことが多い。片頭痛は動くとかえって痛みが増す。頭痛以外に吐き気や嘔吐(おうと)、下痢を引き起こすことがあり、仕事や家事が続けられなくなるなど日常生活の大きな支障になることも少なくない。
片頭痛はどんな仕組みで起こるのか。光、音、匂い、空腹(血糖値低下)、ストレスなどによって脳が刺激を受けるとセロトニンという脳内物質が急激に増減を引き起こし脳の血管が広がる。その結果、血管周囲に網目状に張り巡らされた三叉(さんさ)神経を刺激して炎症物質が放出され、脳が痛みを感知する。片頭痛が起こる前に火花や歯車のような光が見えたり、肩こり、生あくび、異常な空腹感などの予兆を感じることもある。
脳への刺激に過敏な人が片頭痛を引き起こすが、光、音、匂いのほか、気候や気圧の変化も引き金となる。片頭痛患者は女性が男性の4~5倍と圧倒的に多く、特に20~40代の女性に集中している。これはセロトニンが女性ホルモン(エストロゲン)の分泌と密接に関係があるからと考えられ、月経や排卵日前後に片頭痛が起こりやすいのはこのためだ。不規則な食生活や過激なダイエットで女性ホルモンのバランスが乱れても、片頭痛の原因になることもある。
市販の頭痛薬に頼る場合もあるが、片頭痛の根本的な治療薬でないと度重なる服用がかえって頭痛を引き起こすケースもある。
 頭痛外来などで専門医が片頭痛患者に処方するトリプタン製剤は血管のセロトニン受容体に作用し、血管の収縮と炎症物質の放出を抑制する。片頭痛の根本原因に直接作用し、痛みを大幅に軽減できる薬です。強い光が誘因することもあるので、夏場の外出時にはサングラスと日傘を準備しておきたい。家庭内でも、蛍光灯やパソコンのブルーライトを避け、できるだけ柔らかい光の照明器具を選ぶ。また、水分補給では硬水のミネラルウオーターがお薦め。脳血管を安定させる作用があるマグネシウムが多く含まれている。

アンガーマネジメント

あおり運転やパワーハラスメント、家庭内暴力――。
「怒り」が引き金となるトラブルが後を絶たない。激情に駆られた言動は人を傷つけ、自らの人生を狂わせることもある。技術の発展で便利な社会となったが、一方で不便さへの耐性がなくなった。生産性やスピードが重視される中で、変化に対応できない人ほど不満をため込んでいる。一般社団法人「日本アンガーマネジメント協会」(東京)という団体があります。怒りへの対処法を学ぶ講座を開き、参加者は年間24万人を超え、6年で約29倍に増えたそうです。1970年代に犯罪者の更生プログラムとして米国で生まれた心理トレーニングを活用し、怒りのメカニズムを学び「許せる範囲」を広げる訓練を重ねる。
アンガーマネジメントとは、怒りの感情に振り回されず、適切に行動するための心理トレーニングです。なかでも比較的知られているのが「6秒ルール」というものです。怒りの感情は6秒でピークに達し、減衰していくという。その間、とりあえずは爆発しないようにし、本当に怒るべきことと、それほどでもないことを見極めれば、不必要な怒りをまき散らさずに済む。
若い世代は、叱られること自体に慣れていないとされる。親や教師にきつく叱られた経験の少ない世代には、仕事環境で怒鳴られることでショックを受けてしまう人が少なくない。すべての怒りを抑え込む必要はなく、相手に無用なダメージを与えない「上手な表現スキル」を身につけるのが肝心といえます。特に個人でできるアンガーマネジメントの手法として「視点を変えて物事をとらえる」訓練が求められます。また、伝えるときは「私が正しい」という自分の正義を押しつけるのではなく、「分かってほしい」という思いを持って向かい合いましょう。