【営業時間】9:00~12:00 15:30~19:00
TEL.059-244-2222

2024年4月

サプリメントは必要か…栄養素は食べ物から十分とれている

 世界のサプリメント産業が2025年までに2000億ドル(約30兆円)規模に達すると予測されています。日本ではサプリメントは薬機法上の規制の対象外であり、原則として一般の食品と同様の扱いです。そのエビデンスはまだ非常に限られており、これらの製品を栄養補助食品として過信しないことが大切です。
 サプリメントの代表がビタミンです。すべてのビタミンが同じように体の中で分解されるわけではない。なかでも油に溶けやすいビタミンAとEに注意しなければならない。水溶性、つまり水に溶けやすいビタミンBやCなどと異なり、体内ですぐに分解して代謝されるのではなく、肝臓や脂肪細胞にたまりやすい。そのため、多めに摂取すると、実際に害を及ぼすことがある。つまりビタミンは毒にもなりうるのです。
 例えば、ビタミンAの場合、成人の1日の上限摂取量である2700マイクログラム(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)を超えて取り続けると、関節痛、肝障害、先天性欠損などを引き起こす可能性がある。また、ビタミンEの大量摂取は血が止まりにくくなったり、出血の原因になったりする。さらに、ビタミンDの過剰摂取は吐き気、筋力低下、錯乱、嘔吐(おうと)、脱水を引き起こす恐れがある。
 コラーゲンやビタミンCなど、多くの栄養素は一般的な食品に豊富に含まれています。そして、食物繊維が豊富な野菜や果物など、加工されていない食品を丸ごと食べた方がビタミンやミネラル、腸内環境に有益な成分を効率的に取れる場合が多い。
 野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維の補給のため大切なものです。ブドウ糖、たんぱく質、脂質という3大栄養素をきちんと代謝してエネルギーを生み出すには、野菜から採ったビタミンやミネラルが必要になります。
 食事からとったブドウ糖や脂質に過不足がないかは血糖値や中性脂肪、LDLコレステロールなどの健康診断結果を見れば分かります。ところがビタミンやミネラルが足りているかどうかは健康診断で行う一般の血液検査では分かりません。口から体に入れる量を目安にして、体にとっての必要量が充足しているかどうかを判断するしかないのです。
 しかし、毎回の食事ごとにビタミン群やミネラル成分などの細かな栄養価計算はできませんし、野菜の種類によって、含まれるビタミンやミネラルは違います。ビタミンCが多いもの、ビタミンKが多いもの、カルシウムが多いもの……。それぞれのビタミンやミネラルには必要な量があるので、必要な栄養をすべて満たすには1つの食材に偏ることなく、いろいろなものを少しずつ食べるようにしましょう。

ビタミンCの健康への効果について…風邪への効果は?

 実はオレンジジュースやサプリメントをたくさん飲んでも、風邪に対して大きな効果は認められていないことが明らかになっています。なぜかと言えば、1000ミリグラム以上のビタミンCを摂取しても、体は効果的に吸収できず、尿として排出されます。ビタミンCは万能薬ではありませんが、健康にとって不可欠な栄養素です。ビタミンCはアスコルビン酸とも呼ばれ、免疫系にとって重要な働きを持ちます。
・コラーゲンの生成に使う。コラーゲンは、骨や筋肉、そして、心臓病や心臓発作の予防に貢献するより強い血管を作るうえで重要なタンパク質です。また、コラーゲンは皮膚にとっても不可欠で、傷を治し、瘢痕(はんこん)組織(傷あと)を作る結合組織の材料となるほか、たるみ、しわ、しみ、にきびを防ぐ効果もあります。
・抗酸化物質として、細胞障害を防ぎます。
・脳や神経系にとって重要な化学伝達物質やホルモンの生成を促すので、ストレスや不安の軽減にも関係があります。

十分な量のビタミンCを取るには?

 ビタミンCは、体内で作ることも蓄えることもできないため、外部から摂取します。多くの人は、日々の食事で十分な量のビタミンCをまかなえています。天然のビタミンCを摂取するなら果物と野菜です。また、ビタミンCはさまざまなサプリメントで摂取することもできます。果物や野菜をあまり食べない人、飲酒や喫煙の多い人、透析を受けている人などにはおすすめです。
 十分なビタミンCを取ることは重要ですが、過剰摂取してもほとんど効果はありません。ビタミンC不足の場合は別としても、ほとんどの人は通常の食事で十分です。一般論としては、サプリメントに頼るのではなく、バランスのよい食事で栄養を取り、健康を維持するのが理想です。