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2014年12月

都内で早くもインフル流行 11月中は7年ぶり 

インフル  東京都は28日までに、都内でインフルエンザの流行が始まったと発表しました。
17~23日の1週間で、医療機関での週あたり平均診断数が1.9人となり、流行の基準となる1.0人を超えました。インフルエンザの流行は例年12~3月で、11月中に始まるのは2007年以来7年ぶりです。
 検出されたウイルスはいずれもA香港型。早めの感染予防対策を呼びかけている。
 新しいウイルスが流行すると、古いウイルスは消滅するといわれる。今のところ、2009年に大流行した新型インフルエンザは香港型などと共存しているとのことです。厚労省の予測によると、今季は香港型と新型、B型が流行するという。
 ところでインフルエンザウイルスは気道に入って増殖します。ワクチンは皮下投与ですので血液中の抗体は上昇しますが、気道の粘膜にある抗体にはほとんどつきません。よってインフルエンザワクチンを打ってもインフルエンザに罹ることはよくあります。しかしワクチンの目的は肺炎等の重症化を予防できます。ここにワクチンを打つ意味があるのです。
 健常な成人がインフルエンザウイルスに感染しても大事には至らずに回復し、感染したウイルスに対する免疫が獲得されます。しかし、高齢者や小児がインフルエンザウイルスに感染すると多臓器不全やインフルエンザ脳症を来すことがあり、死に至るケースも稀ではない。最近ではインフルエンザウイルスに感染した患者にオセルタミビル(タミフル)およびザナミビル(リレンザ)などの投与により、初期症状の軽減(インフルエンザの症状が1日ほど早く収まる効果)は確認されていますが、感染後の重症化を防ぐ効果は確認できないとする報告書が発表されています。
 これは細胞内でPDK4という物質の発現又は活性化が発症又は増悪化に関係することがわかってきました。そこでこれを阻害する薬が重症を防ぐと考え、これが市販のドリンク剤に含まれるリバオールが有効だそうです。今後、脳症や肺炎を劇的に改善する薬が出てくるものと思われます。

アミノインデックス・がんリスクスクリーニング(AICS) 

AICS  血中のアミノ酸濃度を調べるだけで、簡単に乳がん、子宮がん、卵巣がんなどのリスクが分かる検査が登場し、実施医療機関が拡大しているようです。
 人体の約60%は水で、20%はアミノ酸(たんぱく質)。健康時には血中のアミノ酸濃度が一定に保たれているが、がんなどの多くの疾患でアミノ酸の異常があることが分かってきました。アミノ酸の測定は非常に煩雑でありました。アミノインデックス技術というのは健常者と疾患群(がん患者)のプロフィールを統計的な処理により区別できるという技術が確立されました。アミノ酸単独ではなくて複数のアミノ酸の変化をコンピュータで解析して比べます。代表的な20のアミノ酸を計り、統計的に処理します。病気の確率を数値化して1から10に分けます。5未満をランクA、5から7.9をランクB、8以上をランクCに分類します。つまり病気のリスクを3段階に分けるのです。ランクCでは1%、つまり100人中1人にがんが見つかるということを示します。これは1年間ですので10年間継続してランクCが続けば1/10という確率になります。

アミノインデックス・がんリスクスクリーニング(AICS)は、アミノ酸濃度のバランスを統計的に解析することでがんリスクを評価する検査。受診者の体の負担は最小限で、5ミリリットルの血液を採取するだけで複数のがんのリスクが分かるのだから画期的です。

【AICSの3大メリット】
1.がんの種類やタイプにかかわらず一度に複数のがんを検査できる
2.早期がんが検出できる
3.採血による簡便な検査で被ばくの心配がなく、健康診断と同時に受診できる

 AICSは全国800カ所(2014年3月5日現在)の医療機関が、人間ドックなどで自費で実施しています。費用は「女性AICS5種」が2万円前後、同2種が1万円弱で、健康保険組合や市町村によっては無料か低負担で受けられるようです。結果は約2週間後、各がんのリスクがランクA~Cの3段階で判定される。ランクCなら、がんになっている危険性があり、精密検査を薦められる。ランクCと判定された人は、がんではなくても前がん病変ができつつある危険性がある。生活習慣を見直し、がん予防に取り組むきっかけにすることができます。

どのがんのリスクが分かるのか
・女性AICS5種(胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮・卵巣がん)
・女性AICS2種(乳がん、子宮・卵巣がん)
・男性AICS4種(胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん)

 AICS値が10に近いほどがんである確率が高い。あくまでリスク判定で、がんの有無そのものを調べる検査ではない点に注意が必要です。