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2013年7月

口臭は体調のバロメーター

口臭は体調のバロメーター

そもそも口臭は、生理的なものとして誰にでもある。
ただ、様々な要因で口臭が強くなり、常態化する「病的口臭」になると治療が必要になってきます。ニンニク、アルコールやたばこなどが原因の「飲食物・嗜好品による口臭」もある。食生活が乱れたり、ストレスが多かったりすると口臭が発生することがあります。

新陳代謝で、はがれた歯ぐきや頬などの粘膜や細菌の死がいなどのたんぱく質成分を口の中の細菌が分解し、口臭の原因物質(揮発性硫黄化合物)を作り出す。寝ている夜間は唾液の分泌が減り、口内に細菌が増殖、口臭の原因物質が多く発生するので朝起きた時点がもっとも強いといわれています。また、緊張状態が続いたり、ストレスが多い時も口臭はきつくなります。

口臭発生の原因は大半が口内にあるものの、副鼻腔(びくう)炎や糖尿病など別の病気に起因する場合もあります。中高年世代に口臭が強い人が増えるのは、歯周病の増加や唾液の分泌量が加齢とともに減少することなどに関係しています。歯科的には歯周病や舌苔(ぜったい)など口内を清潔に保つことによって予防が出来るものです。耳鼻咽喉科で多いのは慢性扁桃炎に伴う膿栓、副鼻腔炎による膿汁、特殊な例では口腔、咽頭にできたガンによる組織の壊死によるものが考えられます。膿栓による口臭は扁桃腺の洗浄、吸引による膿栓の除去により改善します。この膿栓は体質のようなもので時間がたつとまた出来てきます。口臭が無くても喉の違和感だけを訴える方もいます。花粉症などのアレルギー性鼻炎で鼻が詰まり口で呼吸することが多い人は口内が乾燥しがちになり、口臭が発生することがあります。気になる方は計りで有名なタニタ(東京都板橋区)は簡易に口臭を測れる「ブレスチェッカー」を販売していますので利用してみてはいかがですか。

ドライマウス(唾液量の低下)のかたが増えています

ドライマウス(唾液量の低下)のかたが増えています

唾液は口の中を潤すだけでなく、食べ物の消化をよくしたり口の中の菌の増殖を抑えたりします。生活習慣病やがんの原因ともいわれる活性酸素の除去や、粘膜や神経細胞のきずの治癒も担う。最近、口の中がカラカラに乾燥する悩みを持つ人が増えています。「ドライマウス」と呼ばれる病気で、患者は国内で800万人ともいわれる。軟らかい食べ物が増えてかむ回数が減ったことや、ストレスの増加などが引き金とみられています。口の周りの筋肉が弱まった高齢者や更年期障害、糖尿病の中高年などにも多い。のどが渇くと食べ物がのみ込みにくくなったり唇に炎症ができたりと生活の質の低下を招くことがあります。ひどい場合には口内に痛みがあったり、カンジダ菌と呼ばれる口の中の常在菌が異常に増えて唇の端などに炎症が起きたりします。ドライマウスの患者のほとんどは、唾液をつくる「唾液腺」は正常であるにもかかわらず、唾液が出にくくなる。抗うつ薬や花粉症薬などの副作用、日常的なストレスによる唾液の分泌量の低下も原因と考えられます。

唾液腺自体の病気で唾液が出にくくなる病気もあります。唾液の分泌を増やすには、レモンなどの酸味が有効だが、昆布やカツオのダシでおなじみの「うまみ」が唾液の分泌量も持続時間も酸味より格段に優れていることが分かりました。高齢者には、うまみだけが分からない「うまみ障害」が多いという。これは唾液が減って、うまみ物質が舌にある味を感じる味蕾細胞に運ばれなくなることが大きな原因と考えられています。唾液を出すにはうまみ成分を多く含んだ食事を多く取ることと、噛む力を鍛えることが必要です。口の乾燥感が唾液の減少によるものか、鼻閉などのほかの原因によるものか正確な診断を受けることが必要です。