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2020年9月

高血圧とめまい…「血圧は心の鏡」血圧が高くてめまいは起こりません

血圧が高くなってもほとんど自覚症状はありません。血圧はとにかく測るしかありません。血圧が心配な人は血圧計を買って毎日測るようにしてください。1日2回、起床時と就寝前、いずれも排尿を済ませてから測るのが基本です。血圧の左右差は+/- 5(mmHg)くらいあります。左右で10以上違う場合は動脈硬化が進んでいるのかもしれません。ただし、血圧は最初に測るときは高く出るので注意してください。左右差を見るときは1回ずつではなくて、何回か左右で繰り返し測って、最後の数字を取るのがポイントです。

症状から高血圧に気付くことはできません。診察室で測る場合の基準は家で測るより高めになっています。白衣高血圧というのですが、医療機関で測ると緊張して大幅に高くなる状態です。家で測ると正常値なので油断しがちですが、そういう人も10年くらいすると高血圧になることが多いので、こまめに血圧を測って様子を見ることが大切です。白衣高血圧は一種の心身症です。病院に来るとスイッチが入ってしまう。これは薬を飲んでも治りません。

また、早朝高血圧とは、文字通り早朝の血圧が高いことです。特にお酒をたくさん飲む人やタバコを吸う人は早朝高血圧になりやすい。早朝高血圧は高齢者の方に多いですが、基本的に年齢は関係ありません。また、マラソンや自転車など持久力が必要なスポーツをしていると、結果的に心臓が大きくなります心臓が大きくなったために血圧が上がるということはありません。逆に、高血圧が続くと心臓が大きくなります。

血圧と脈拍数に関係ですが、脈拍はいろいろな原因で変化します。まず、低血圧の人は血圧が下がると脈拍が多くなります。先ほどのようなスポーツ心臓の人は、心臓が大きいので一回ごとの拍出量が多くなり、脈拍が少なくなります。出血多量状態や貧血状態のときは、酸素を運ぶトラック(赤血球)が少なくなるので脈拍は多くなります。また、降圧薬でβ遮断薬を飲んでいると脈が遅くなります。脈拍が少ないから血圧が上がるということもないし、逆に脈拍が少なければ必ず血圧が下がるというわけでもありません。走った直後など運動した後は脈拍が上がりますが、このときは血圧も上がっています。

頭痛がするときは血圧が高くなっているという訴えよくあります。血圧は「原因」ではなくむしろ「結果」です。つまり、頭痛がすると血圧が高くなります。高血圧の方で血圧が下がると頭痛が治る人もいますが、そういう人はまれです。ほとんどの人はまず頭痛が起こり、それがストレスになって血圧が上がります。同じように歯痛、肩こり、鼻づまりでも血圧は上がりますし、めまいのときは血圧が200くらいに上がることも珍しくありません。

「血圧は心の鏡」ですから。身体的や精神的ストレスで血圧が上がります。血圧のせいではなくて、逆に頭痛やめまいが原因で血圧が上がっているわけです。だから調子が悪いときだけ血圧を測るというのはよくありません。日ごろから血圧を測っていないと、調子が悪いときに血圧がどうなるかが分かりません。高血圧が原因で頭痛が起きることはあまりありません。むしろ、頭痛、肩こり、鼻づまり、めまいなどの体の不調があると、そのストレスによって血圧は上がります。