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2022年7月

疲れは万病のもと

 

 私たちが「疲れた」と感じるのは、運動や作業などで体を酷使することが原因になるわけではない。体の疲れの原因は「脳」にあります。脳の中でも、呼吸や心拍、血液循環、体温の調整などを司り、24時間休みなく働く自律神経です。出勤とテレワークが入り交じる不規則な勤務形態や、暑さなどによって自律神経が酷使されると、大量の活性酸素が発生し、自律神経機能の低下を招くのです。これが疲労です。この状態が解消されないまま蓄積する状態が老化になります。
 「疲労感」を無視して休まずに、自律神経を酷使し続けると、突然死などの最悪の事態を招く恐れもあります。休みなく働く自律神経は、実は体の中で最も老化しやすく、その機能は加齢とともに低下していきます。低下した自律神経を修復し、疲労を回復させるには『質の良い睡眠』をとることが不可欠です。睡眠の目的は、体の疲れをとることではなく、疲労の根本的な原因となる『脳の疲れ』を回復させるのです。それも、より眠りが深く、脳が休息できるノンレム睡眠が大事です。質・量ともに十分な睡眠をとるためには、寝室の温度管理といびきの解消が重要です。これから迎える夏場は、「寝室のエアコンは25~26度に設定して、タイマーは使わずに朝までつけたままにしておくことを薦めます。
 脳にとって理想の気温(室温)は22.5度から24度で、26度を超えるとパフォーマンスが低下すると言われています。寝汗をたくさんかくような睡眠環境では脳を休めることができず、疲労は蓄積する一方です。就寝中にいびきをかくことも、睡眠の質を著しく悪化させる。いびきをかいている状態では、肺に送り込まれる空気が少なくなる。すると、自律神経は脳への酸素の供給量を維持するために、心拍や血圧を上昇させる。その結果、就寝中にもかかわらず、自律神経は激しい運動をしているときと変わらないほどフル回転で働くことになります。いびきがある場合、横向きに寝る習慣をつけると、舌が落ち込みにくくなり、いびきも軽減します。ただし、自分では軽度のいびきだと思っていても、実は「睡眠時無呼吸症候群」である可能性もある。眠ってもなかなか疲れがとれず、横向きに寝てもいびきが改善しない場合には、医療機関で検査を受けましょう。

 

毎年の検診の季節が来ました

 

 健診(健康診断)は「病気でないことを前提に、将来の病気のリスク、危険因子を発見し予防につなげるために実施」(1次予防)するもの。それに対して検診は「特定の病気の早期発見・早期治療につなげるために実施」(2次予防)するもの。健康長寿を実現するためには、自分の体の健康にどんなリスクがあるのかを知り、病気にならないよう生活を改善することが大切です。そして、病気を発症してしまったなら、できるだけ早く発見し、適切な治療を受けられるかどうかがその後の人生を大きく左右する。これが健康長寿を実現するために必要なことです。
人間ドックとはどのようなものか、企業や自治体で受ける「定期健診(職場健診)」「特定健診(いわゆるメタボ健診)」「がん検診」とはどう違うのか。
 企業の定期健診、市町村が行う特定健診、歯周病検診、骨粗しょう症検診、肝炎ウイルス検診、がん検診などは、国民の健康を守るための保健事業として法律に定められています。費用は市町村や事業者(雇用主)などが負担するため、自己負担はなく、予算の範囲内の検査が行われます。
人間ドックとの違いが最もはっきりしているのが、がん検診。市町村などが行うのは「対策型がん検診」といって、検査を行うことによって、そのがんによる死亡率が下がることが科学的に明らかになっている検査を、定められた年齢で行う。条件や内容はほぼ全国一律です。しかし、日進月歩の医学の世界では、がんの早期発見に役立つ検査がいくつも登場しています。そうした検査の選択肢の中から、個人が受けたい検査を選び、自分で費用を負担する「任意型検診」に位置付けられているのが、人間ドックです。がんに限らず、自分の健康を守るための検査を自由に選択することができます。一般的な健康診断や自治体の検診ではあまり受けられない検査で、比較的リーズナブルな予算で受けられます。人間ドックは基本的に「症状のない健康な人が受けるもの」であり、健康な人こそ受ける検査です。無料の検査だけでなく有料にはなりますが様々ながん検診を受けられると良いと思います。