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2022年2月

食事中にむせる…誤嚥性肺炎に注意

 食事中やつばを飲み込むとき、むせることがあります。
唾液の水滴などの異物が気管に入り、この異物を出そうとしてむせたり、せき込んだりします。これは誤嚥が起きていると言い、ひどくなると誤嚥性肺炎を起こすのです。
 声帯にはものを飲み込むとき気道にフタをする役割もあるので、声帯が衰えてピタッと閉じなくなると、気管に唾液や食べ物が入りやすくなります。「あー」と声を出すテストをすると声帯の老化がわかります。男性で15秒以上、女性で12秒以上続けば正常ですが、10秒続かないようだったら、声帯が衰えてしっかり閉じなくなっている可能性があります。年をとると唾液や粘膜を守る粘液の分泌が減ってきます。唾液など分泌物が減ると声帯はもちろん、飲み込みに関わる舌や口腔、咽頭が乾燥して動きにくくなるので、誤嚥を起こしやすくします。まめに水を飲むなど、口の中の加湿を心がけることが大切です。
 また、飲み込む力が衰えた高齢者は、水や薬を飲むときに上を向きがちですが、そうすると気道に入ってむせやすくなります。飲み込むときは逆に「あごを引く」ことが大切です。のどには喉頭蓋(こうとうがい)という、のど全体のフタがあります。ものを飲み込むとき首の前を手で押さえると喉ぼとけが上がるのを感じることができます。のどが喉頭蓋に向かって持ち上がってこのフタが閉じるのです。上を向くと、のど全体の位置が下がりうまくフタができなくなるため、異物が気道に入ってきやすくなります。
食べ物などを飲み込むときは、あごを引くようにする。そうすると、のどが持ち上がった状態になって喉頭蓋がうまくフタの役割をしやすくなるため、口に入れたものが気道に行かないようになります。あごを引く力を鍛えるには、普段あごの下にテニスボールなどを挟んだり、手で額を押さえながら頭を下に向けるように力を入れる運動もよい。
 声帯の筋肉が衰えることも誤嚥性肺炎の原因になるので、それを防ぐためによくしゃべることも大切です。適当な話し相手がいない方は朗読という方法もあります。
誤嚥を防ぐには、ものを飲み込む時に「あごを引く」ことが有効です。

老化と「糖化」

 年を取ることは誰もが避けられないが、老化のスピードは人によって差があります。中高年になれば、同じ年齢の人でも、見た目に10歳、20歳の差があることも不思議ではない。しかもそれは、見た目だけでなく、内臓や血管、代謝や心肺機能の能力においても差がでます。
 様々な研究から、老化に対する遺伝子の影響は25%程度で、残りの75%程度は生活習慣や環境によって変わることが明らかになってきた。生活習慣の影響を最も受けやすいものの1つが、食事からとる「糖質」が原因で起こる糖化です。
 糖化とは、体内で過剰になった糖がたんぱく質にくっつく現象のこと。糖がたんぱく質にくっつき、体温で加温され「糖化反応」が起こると、たんぱく質に糖がコブのようについた状態になります。この段階で体内の糖の濃度が下がれば、たんぱく質は元の正常な状態に戻りますが、糖の濃度が高い状態が長期間続くと、AGEs(終末糖化産物:Advanced Glycation End Products)という悪玉物質になるのです。AGEsの量は、「血糖値の高さ」と「その持続時間」で決まります。血糖値が急上昇したり、血糖値が高い状態が続いたりしているときに、まさに糖とたんぱく質が反応してAGEsが作られます。その持続時間が長いほど、AGEsは全身に蓄積していきます。AGEsは「不適切な免疫反応」を起こし、それが感染症の重症化リスクにつながります。新型コロナウイルス感染症では、激しい免疫炎症反応「サイトカインストーム」が起こります。AGEsが体内に多くあるとサイトカインストームのリスクが高まるのです。 
 このような理由で血糖が高い人はコロナに感染すると重症化しやすいので注意しましょう。